表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

死、からの天職

おや…ブックマークが3…?誰が見てるんだろう

 まぁその後、なんやかんやで死神に転職―――働いた記憶はないのだが―――したわけだ。

 ここまで言ったらもういいかな?

 …え?そこからが一番重要?わかったよ、じゃあ少しだけ話すよ。


 えー、ごほん。確か鎌みたいな何かで魂ごと抜かれたとこまで話したんだっけかな?

 で、その後その死神、今では先輩が、理由はよくわからないけれど自分の「肉体」から「魂」を抜いて、天界につれていってくれたらしい。普通は、死んでから抜くのが常識だと言う。

その後、一応冥界ってとこのリーダー格の神様?のとこに連れていかれてその人と対面した。

 いろいろな事を聞かれたような気がする。どうしてあんな状態で現れたのかだとか、どこの誰なのかだとか。

 多分、転生者ってことは知ってるんだと思うんだけど、あまりその話は言いたくなかったから、自分の貰った力、「固有スキル」?というものが、変になってしまったのでどうすればいいかと聞いた。


「もしかしたら、お主の魂に刻まれた力が何らかの転移のときに魂ごと砕け、バラバラになったのかもしれないね」

 とその人は言った。


 ならどうすればいいの?と再度訪ねる。


「魂は肉体に入り込もうとするもの、おそらく他の、業の強い者に力が渡ったのかもしれぬ。だから…そうだな、確か一番最近死神になった者も今から200年以上前の出来事か、あれから数も少なくなってしまったし…。うん、お前、死神にならないか?」


 は、え?死神がなんて?多分そう思っていたと思う。

 急すぎて、とにかく転生して1日目でなっていいような展開じゃないと素直に思った。


「そう身構えなくてもいい、お主の先輩はたくさんいる。まずは先輩のやり方を見て、だんだんと慣れればよい。

 お主の魂は冥界にいても色濃く輝いている。若くして亡くなったようだが、大の大人を遥かに超えた強さがあるようだ。きっといつかは冥界に名だたる強者となることだろう。」


 その神は続けて、


「それに人間に転生させてやってもいいが、それよりも死神の方が物理的な干渉も受けようとしなければ受けないし、何かと良いぞ?」


 そのリーダー格の神、50代頃に見える細身の、白髪白髭の若干しわがれた男―――ハデスさんはそう言った。

 そういう流れで死神になることにした。

 確かにそこまで押されればやるとしか言えなかったけれど、それでも内心どこかで死神というものになりたかったような気がしていた。

 きっと今では思い出せない過去にそう思うときがあったのだろう。こういうのを因果って言うのだろうか。


 ・・・。とまぁ、こんな感じで俺の異世界ライフは1日も経たず幕を閉じ、そして「死神」として新たな生活が幕を開けたようだ。






 んー、…せっかくだしこの世界のことも少しだけ話すか。


 今は王歴413年、6代目、現王ユーサー王が数百年前までこの地上界を統一していたのだが、王歴317年に突如出現した魔王によって世界は混乱の渦に陥った。魔王は不思議な力を使い、山は崩れ、自然は死に絶え、大地は割れ、水は涸れ、1つとなっていた国は分裂してしまった。そして国は様々な国に別れ、独自の発展を広げていった。


 その後371年に、世界は不思議な能力を生まれながら持つ人たちを使い実験をし、魔王の使う力の解明に成功した。


 それを後の人々は《異能力》と名付けた。

 異能力には大まかに纏めると、「特殊スキル」と「魔法」の2つがある。簡単に説明すると、基本的に「特殊スキル」は生まれながら持つ超能力みたいなもので、「魔法」は後からの頑張り次第で―――といっても、個人差があるが―――取得することができる。


 「特殊スキル」にはレベルと呼ばれた物が10まであり、保有者が身体共に成長していくと、レベルが上がるらしい。「魔法」にはランクが5まであり、こちらは使用する魔法の種類によってランクが分けられている。ちなみに「特集スキル」は鑑定系の魔法をもつ者に頼めばわかる。ただし、わかる情報はほぼないようだが…。それおわざと嘘つく理由はないだろうが、信憑性はないので「鑑定屋」という店に行く人もいる。自分は鑑定する魔法を持っていないので天界にある鑑定屋に行っている。


 後ぱっと思いつくものと言えば、「死神」か。死神は人が死んだ後、なんらかの意志―――恨みや後悔といった強い感情―――で地縛霊にならないように、冥界に送る職業(?)である。


 死神は現冥界王ハーデース、通称ハデスさんが指揮をとっていて、昔は1人(1柱)で死神としての仕事をやってたらしいのだが、人間などの生物が増えすぎてしまい、自分1人では人を捌ききれず、このままだと地縛霊が増えてしまう…。ということで自分以外にも死神の仕事をやってくれる者を集めたらしい。つい数十年前までは数百柱くはいはいたらしいのだが、今は大体数十柱くらいになっている。どうやら昔、神と天使との間に戦があったとか…


 少し話が逸れた。まぁそういうことで俺も死神になったって感じかな。最初はこの鎌をもってどうやって魂を刈るんだ?って思ったけど、だんだんわかってきた。要するに、絶望、つまり心が折れたときに魂と体の接続状態が不安定になるから、そのときにジョブスキルを使って魂を体から引き離せばいいようだ。

 あ、「ジョブスキル」っていうのは、正直あやふやだけど固有スキルをもつ者、死神の場合ハデスさんがもつ能力を他の死神に授与することで手に入れる能力を「ジョブスキル」という。これは人間にも使えて、王様なんかが能力を棋士に与えたりしているらしい。

 ジョブスキルで手に入れたのは、『魂体分離(ブレイカップ)』、『魂奪(ロブ)』、それと天界と地上界を繋ぐ『瞬間移動(テレポート)』がある。他にも位の高い死神はさらに能力を貰えるそうだ。


 余談だが、一部のジョブスキルには延命というものがあり、王などは人々の信頼がある限り年を取らなくなるらしい。

 死神は信頼関係なく永遠の命だが。




 そんなことを誰に言うわけでもなく、ぼやーっと考えてたら何か小さいものがぶつかってきた。景色がぶれる。多分肋骨にヒビがはいった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ