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Game of crimes  作者: Riviy
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エピローグ:新しい絆と共に

「お、お初にお目にかかります!ぼくは…じゃなかった…我は『神』のオリジン、46代目の風菫かぜすみれと申します。以後、お見知り置きを……ってああああああ!!これでいいの?!これでいいの?!兄様、姉様!」


慌てた様子で少年は頭を上げ、目の前に立つ双子に声をかける。双子はニッコリと笑っていいと頷く。


「いいよ、風菫。上出来!」

「前任よりも最高の出来だ」

「ほ、ホント?!わーい!嬉しいな!!」


双子に褒められ、笑顔で立ち上がる少年。「わーい!わーい!」と少年は喜びながら自身の近侍である青年に駆け寄る。

それを幸せそうに眺めながら双子は遠い昔に思いを馳せる。


あの、ティウムが倒されてから早くも3000年が経った。3代目以降、生まれ変わりに前任の想いも誓いも何もかもが受け継がれなくなった。知識も凡人に等しく、当初は大変だったが『神の双子』を中心に知識や武術等を教え、そして代替わりもことなく進んだ。代替わりは前任が死すと翌日にはそこに新たなオリジンが生まれ変わるようになった。


双子が愛す罪達は今もなお、地上界で契約やくそくをした人間と共に暮らしている。たまに天界に帰郷してくるがとても幸せそうだ。だが、あの時の彼らがやはり一番しっくり来て幸せだったと語っているが。

『神』ではなく人間の約束によって生まれた九つ目は大罪人パートナー達が愚か者の粛清に一役買ったとしてまた「天使」と「悪魔」となって『神』の元で働いている。しかもついている『神』は『神の双子』というサプライズ付きだ。


全てが平和だ。そう、悪夢は終わったのだと双子は3000年が経った今、実感し始めていた。地上界も豊かな世界になった。冥界という摩訶不思議な世界へも調査が行われ、そこにいる彼らとも仲良くやっている。


「兄様、姉様!そろそろ行こうよ!」


少年、46代目となった『神』のオリジンが『神の双子』の手を引いて急かす。これから彼は自身の近侍と保護者として『神の双子』と共に社会科見学ならぬ地上界見学に行くのだ。地上界を知り、どう対処していくかも『神』に求められる思考の一つとして近年、組み込まれている学習イベントだ。

そうそう、近年といえば、地上界の人間と『神』とが恋仲になって子を産むということが起きている。地上界と天界の架け橋となっている人間と『神』を親に持つハーフの子供達。彼らの将来も期待されている。


「待てよ」

「急がない急がない」


双子が笑って少年を諭す。少年の近侍は持って行くべき荷物を持ちながらニコニコと笑って微笑ましい光景を見ている。


そういえば、愛憎プラエルディウムが『神』に嘘をついていたという話。それは今だわかっていないしティウムが彼に渡した本の内容さえ分かっていない。本はいつも愛憎プラエルディウムが持ち歩いている。

今だ解明されていないことが多いが平和だからいいのだ。この平和に影響がないのなら。


「早く行こうよ!」


笑って言う少年。双子は少年に手を引かれ、歩き出す。少年の近侍も着いて来る。


「たくさん学べよ」

「たくさん考えてね」


双子…、リオンとレオンの言葉に少年は一瞬、目を丸くすると大きく頷いた。


「うん!!任せてよ!兄様!姉様!」


笑って答える少年に双子も笑い返した。








ーページを捲るとそこは白紙。まだ描かれていない歴史。まだ、見ぬ世界。

これはある世界で起きた、誰も知らない、知るよしもない『白紙の歴史』。


新たな絆を胸に彼らは歩み出す。ー


本を閉じ、立ち上がると遠くから呼ぶ声がする。それに答えながらそちらへ歩み出す。


「輪廻は、終わらない」




The end

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!

これにてGame of crimes、閉幕でございます。変な所があったかもしれませんが楽しんでもらえていたら幸いです。

一応、別の物語も考えていますがこの物語の続編という訳ではありませんので暇があったら気軽に読んで貰いたいです。

それでは次回作でお会いしましょう。ありがとうございました!


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