第31戦:“バケモノ”と呼ばれた破壊神
最初の部分は当初書いた物を何回も変えたので可笑しいかもしれません。そして、もしかすると気分を害する方がいるかもしれません。作者的にはただ彼らの心情を書いただけですのでもし、気分を害された場合は申し訳ありません。
『あなたの夢はなんですか?』
『あなたの希望はなんですか?』
『あなたの悲劇はなんですか?』
『あなたの喜劇はなんですか?』
グチャグチャに、そうグチャグチャに握り潰され、踏み潰された“それら”は“バケモノ”という名の格好の獲物となった。
昔から、そう。俺達は人間の自分勝手な言い分で蔑まれた。蔑まれるたびに心から吹き上がるのは大きな大きな憎悪。醜い、憎悪だけだった。
………嗚呼、ごめんな。嫌な思いしたら悪い。このもっと上の方なんかヤバイからここだけである意味良かったかもしれない。…知りたい?やめとけ。やめといた方がいい。
さて、本題に入ろう。
俺は、俺達の記憶は共有されない。ここまでで俺が何を言ってるかわかるよな?あれは嘘。嘘だ。記憶は共有されないなんて嘘だ。あいつが“イレギュラー”の存在を隠すためにそう設定した。
俺はずっと記憶がある。あのいじめの記憶も罪達と出会った記憶も罪達が「殺し合いをしよう」と言った記憶も、全部全部。
俺の表は記憶は共有されないっていうことが嘘なんてとっくの昔から知っててあいつに加担してる。表の奴も『神』から裁きを受けたくはないらしい。受けることはないだろうけどな、多分一生。
俺のこの人格は彼が思ってるほど、簡単じゃない。俺は後々、あいつが埋めるように作った人格体。元は和解した時に死ぬはずだったがあいつが人格体として再び俺を生み出した。理由は知らんけど。
表がこの世界を見ているのなら、俺は表の知らない世界を見ている。
難しいかな?分からなかったら、記憶は共有されてるってことだけ覚えてくれればいい。その後に言ったことなんか対したことじゃないから。
「天使」で何を思いつくだろうか。いいことをした人間が死ぬ時に現れる?恋のキューピッドって呼ばれるあの方々?「悪魔」と対立してる?………いろいろあるだろうけど、ここじゃ全部、違う。
「天使」は「悪魔」と相棒や片割れ、恋人とかの関係にあるし、彼らの上司とも言えるべき者は『神』。それにさ、「天使」と「悪魔」って死んだ人間の生まれ変わりなんだって。善人も悪人も平等に「天使」か「悪魔」に生まれ変わる。なかには前世の記憶持ちもいるらしいね。まぁ俺には無関係だけど。
面白いこと教えてやる。俺の表のヴァークやサツキは「天使」と「悪魔」。愛憎の罪が生まれ変わらせた。え?今?今もこいつらは「天使」と「悪魔」。身分上そうなってる。まぁ、解雇されたようなもんだし。サツキには“死神”が宿ってるしな。
サツキに宿ってる“死神”の本体はどこにもない。けど、彼……もう分かるか、咲が“死神”らしい。表が「悪魔」なら裏は“死神”。
あ、ごめん。言い忘れてた。咲の表ってサツキだよ。俺とヴァークと同じ。大罪人唯一の二重人格者っていうのは真っ赤な嘘。まぁサツキ自体が隠してたみたいな感じだから。嘘ばっかでごめんな。
でも、こんなのは序の口だから。安心して?なんて、可笑しいか。
話を戻すな。サツキと咲がそうなら俺とヴァークは?ってなるよな。表が「天使」で裏は“破壊神”らしい。愛憎の罪がそう言ってた。俺のどこが破壊神かなんて………聞かなくても納得してしまった俺はダメだろうか。
「“イレギュラー”なんて、なんで?」
「俺が憎と愛を少しずつお前らに分けたからだと思う。“死神”と“破壊神”に、な」
「分けただけで『こう』もなるか?可笑しいだろ?」
「…………否定はしない。ミクの作ってくれた『コレ』が強かっただけだ、うん」
「「現実逃避すんなこのヤロウ」」
「ハモるな。ただでさえ今、声が出ること自体に困惑してんのにこれ以上困惑させんな」
「どこに困惑要素があんだよ?!」
「………落ち着こうか」
俺も含めたこの3人は表でも裏でもこんな調子。いや、表の方が酷いかな……いい意味で。
「とりあえず、お前ら、武器持ったか?」
「普通学生がこんなモン持つかよ」
「大丈夫。とりま俺達の生活に影響はない」
「正論」
そう少し笑いながら腰のベルトに吊るされた武器を見る。持ったこともない、下手したら誰かの命を奪いかねない武器。でも、この武器が俺の近くにあるせいか、それとも安心できる2人がいるせいか、なんかとても……………『何かを破壊したくなる』。その『何か』がなんなのかは知らないし分かりたくもない。ただ……中学生時代のいじめが今になって復讐心を燃やしているのなら俺は放置する。なんで?だって……
その方が“破壊神”っぽいだろ?
今更の復讐心を燃やして、不明な『何か』を壊す。狂い狂った『神』様。狂った精神。狂った感情。狂った人格。狂った記憶。狂った思考回路。
成り果てる、“破壊神”に。深く深く、沈んで行く。
嗚呼、何処が底なんだろう。見えない。俺はヴァークよりも狂い、依存しているのかもしれない。
誰かが言った“バケモノ”のように、破壊に沈んで何も分からなくなるのか。…………それもいいなぁ。
『小生を持つお主はやはり最高じゃ。さぁ、我が愛しい主よ、お主の破壊に手を貸して進ぜよう』
そう誰かが囁きながら、俺を破壊に誘う。
嗚呼、そろそろ、
「限界……かな」
予定より、早めに投稿しときます。
そして、ちゃんとした正確な次回の予定は土日を挟んで月曜です。




