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Game of crimes  作者: Riviy
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第29戦:『神の双子』の終罪者VS怠惰&嫉妬&憂鬱

『神の双子』がバッと走り出す。大罪人パートナー達も走り出す。


勇馬と哀がレオンに武器を振った。それを彼女は彼らの武器よりも小さい扇で同時に防いだ。


「ウチ、女の子なんだからさー手加減して、よ、ね!?」


ブンッと扇を振り、男2人の武器を弾く。攻撃直後は隙が出来やすい。そこへ春が両手に持つリボルバーでレオンに攻撃した。


「!?」

「ナイスハル!」

「イイジャン!」


レオンが突然の銃弾の雨に驚きながら、一つ一つを弾き、防いでいく。勇馬と哀のコメントに春が小さく頷き、手元の銃を空に放る。それは影を纏い、弓矢へと変形した。


レオンはまた、春からの攻撃が来ると思い、扇を構えた。だが、一行に彼からの攻撃はない。


「!!罠?!」

「せぇーかい♪女の子だからッテ、僕達は手加減しないヨ?」


罠に気づいたレオンの背後から哀が不気味に嗤いながら、薙刀を彼女の背に向け、斬りつけた。レオンの服の破片と血が飛び散る中、前から勇馬が2本の刀を彼女に突き刺した。


「油断大敵、だぜ?」


そして、もう一つ、春が放った矢が見事レオンの右胸を射止めた。


「………弱すぎ…?」


連続攻撃に手も足も出ないレオン。だが、彼女はニィと嗤った。


「弱すぎなのも油断大敵なのもそっちだよ?」


その途端、3人が攻撃したレオンはグニャリと歪んだ。歪んだ瞳で驚く3人を見ながら言う。


『それは、ウチの“影”。偽物だよ?』


レオンの偽物は黒い影となり、床に溶け込んだ。3人はどこに本物がいるのかとキョロキョロと辺りを見回す。だがここは部屋。しかも窓もなく、広い部屋なのだ。見つけるのは厳しい。


「“胡蝶”・追撃」

「!!ア、アイ…!」


レオンの言葉で彼女がどこにいるかわかった春が叫び、弓を引き絞り、矢を哀の背後目掛けて放った。


「!」


哀が薙刀を振り返りざまに振る。彼の背後には春の言う通り、レオンがいた。彼女はハァ…とため息をつくと扇で春の矢を切り刻み、もう片方の扇で哀の薙刀を防いだ。


「なっ?!」

「2つ?!1つのはずじゃ?」


哀と勇馬が叫ぶ。レオンはアハハと不気味に嗤う。


「さっきね、“胡蝶”で出した模造品レプリカだよ。まぁ…」


レオンはそこで区切り、背後から再び狙って来た勇馬の2本の刀を本物の扇で防いだ。


「まだまだ、こんなもんじゃないけどネ?ウチらは」


嗤うレオンに攻撃している2人は言う。


「だとしても俺達は負けねぇよ」

「そうだネ。そう決めたんだカラ!」


ブワッと勇馬の“かまいたち”が扇ごとレオンを吹き飛ばそうとする。春も矢を引き放とうとする。レオンは呆れたように再びため息をつく。


「……ホント、アホらしいし、虫酸むしずが走るくらいに分かってない!」


レオンがそう叫んだ途端、勇馬も哀も遠くにいた春もレオンの周りに突如貼られた見えない壁に何かによって叩きつけられ、そして吹き飛ばされた。


「っ……一体、何が…?」


勇馬が片方の刀を杖代わりにしながら立ち上がる。彼の口元からは血が流れて出ている。


「う、うぅ〜…せっかくリンが塞いでくれた傷が、開いちゃうジャンー」


哀が薙刀を支えに立ち上がる。彼の左腕からは何処か切れたらしく血が流れて出ている。


「…………っっっ…」


春が頭から流れて出る血を拭きながら立ち上がる。


「ちょっとさぁ、いい加減にしてよね」


レオンの蔑むような口調に彼らは彼女を見た。


「「「???!!!」」」


そして、驚く。今日、一番の驚きだと思うのだ。だって『神の双子』が自分達のように姿が変わっていたのだから。

レオンは童水干わらべすいかんと呼ばれる服装で、服の胴体部分と袖が離れている。胸元には小さいスミレ色のリボンがついている。服の色は黒で下はちょっと紫が混じった薄い黒。靴は下駄とハイヒールのヒール部分が合体したような物だ。腰からは緩めに結ばれたスミレ色のスカーフを垂らしており、着物の柄は梅の模様があしらわれている。

髪はそのままで、左耳にペンダントに似たイヤリングをしている。そして彼女は手に着物の柄と同じ、梅の模様が描かれた扇とスミレの花が描かれた扇を持っていた。ちなみに梅の模様が描かれた扇が右手で、スミレの花が描かれた扇は左手で持っている。


「ウチらが“あの子たち”にあげたちからはこんなもんじゃなかった。それを貰ってるはずの大罪人きみたちがこんなに弱いなんて」


ブワッ!!!と3色の光、いやオーラがレオンから吹き上がる。水色、黒色、空色、その3色が織りなすオーラは彼女の不気味さをさらに際立たせた。


「あり得ないし、正直不愉快」

「「「??!!」」」


レオンはそう言って嗤う。いや、正確にいうと目は笑っていない。

彼女は片方の扇を哀に向け、淡々と言う。


「君、あり得ないね。怖いの?その哀音のうりょくを使うのが」

「っ」


ーギリー


そんな音にレオンは哀に扇を向けたまま音のした方を顔だけで振り返った。音の正体は頭から血を流しながら弓を構えた春だ。


「……君もなの?…ハハハッ…ハハハハハハッ!!!」


突然、レオンは狂ったように嗤い出した。その嗤いは恐ろしい何かを感じさせる。傷を負ったまま、勇馬と哀は嗤い続けるレオンを中心にして立つ。


「もぉ我慢出来ないね!嫉妬レヴィアタン怠惰ヴェルフェゴール憂鬱ディプレッションも君達みんな!ウチらの愛しい愛しい罪達からもらった全て!奪ってあげる!!能力を上手く使えない大罪人パートナーなんて、罪達あのこたちを愛せない大罪人にんげんなんて……ウチらは要らないの」


嗤うのをやめ、彼らに淡々とはっきりと言うレオン。恐ろしく残酷で、恐ろしく美しい、終罪者フィニッシュワールド。それが彼女につけられた異名の本当の意。“恐ろしく残酷で美しい犯罪者でありながら大罪人にんげん達に終罪を告げる終罪を極め、そして犯した、“あのひとたち”の我が『神』”。


「……だったら俺達はそれを止めるためにお前を、倒す」


勇馬が真剣な顔で言い、刀を構える。哀が納得したように頷き、いつもの調子で言う。


「そうだネ〜僕もやっちゃうヨ〜」


と、哀は左腕から流れ出る血をペロリと舐める。春が眠そうな目を開け、言う。


「………ボクもだ……調子乗らないで……!」

「へぇ…?」


レオンがギロっと3人を見回す。それにゾクっと背筋が凍るのを感じる3人。

レオンはオーラを2つの扇に移す。すると3色のオーラは扇に吸い込まれた。


「じゃあさぁ、試させてよ?ね?……“哀音あいおん”」


空色の光がレオンから放たれ、2つの扇にまとわりついた。


「Let's play disharmony without the end!(終わりのない不協和を奏でましょう!)」


不気味に、楽しそうに嗤うレオンに3人は攻撃した。

全ては真実を知るため、あの日のように戻るために。

うーん……続けて戦闘を書くか、『神の双子』の設定及び愛憎プラエルディウムの罪の設定書くか……悩み中です。いや、ちゃっちゃとこの話終わらせろって話なんですけどね!はい、分かってますよ!でもまだあの人出てないから終われないんですよ!………失礼しました。

あ、罪達の出番が少なくなってた……。

すみません書き忘れてました。次回は火曜の予定です。

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