第1戦:赤点とか満点とか…めんどくさい…
時は現代。ある所に七星野学園という、小中高大一貫校で有る意味チートな学校があった。
その高等部の1年F組の3時間目の授業は憂鬱なテスト返しだった。
「美晴ー!お前頑張ったなぁ!57点なんてすごいじゃないか!」
先生がニコニコ笑いながら美晴と呼ばれた青年にテストを返す。
彼は小さく息を吐き、席へと足を動かした。
彼の名は美晴 春。水のように透明なセミロングの髪が特徴のいつも眠たそうにしている残念なイケメンだ。何故、残念かと言うと、髪が手入れされておらず、ボサボサだからだ。
春は席に着くとうるさい教室から逃げるかのように、はたまた寝たいからか机に突っ伏した。その時、
「ハル!よく頑張ったな!」
誰かに声をかけられた。声の主は嬉しそうに声が弾んでいる。春には誰だかすぐにわかった。
「………何、レイ…ボク眠いんだけど?」
「そんなこというなよー」
めんどくさそうに春は顔を上げる。そこにいたのは太陽の光によって輝く黄金の髪をショートカットしており、両方のこめかみだけを長くしたイケメンがいた。名前は音時 零。ちなみに零は女である。学ランを何故か着用しているが、女子である。
「オレが教えて正解だっただろ?ハルにしちゃあ57点なんて満点ものじゃねぇか!」
春の点数を自分のことのように喜ぶ零。それに春はめんどくさそうにテスト用紙を見ながら言った。
「別に…ボクは赤点とか満点とか…どうでもいいよ…めんどくさいし…」
ーー時間は過ぎて、お昼休み。春は両手で可愛らしくお弁当を抱え、零と共に屋上に上がった。
トントンッと階段を駆け上がり、扉を開ける。
「あっ、来た」
「レーちゃん、ハル遅ーい!」
「先に食べてしもうてたけど」
途端に聞こえ出す3人の声。
2人は屋上にいる3人の元へ行くと座り、お弁当を広げた。
「悪りぃ悪りぃ 委員会で捕まってた」
「えっ⁈嘘!ヤバイ!後であたしも捕まるじゃん!」
そう言って両手で頭を抱え、オーバーリアクションを取る少女。彼女は黄緑色のお団子ツインテールをしている、佐藤 未来だ。ちゃんと制服は女子のセーラー服だ。零が異例なのだ。
「ハルも委員会やったん?」
「うん…保健委員…」
春に質問をしながら、食べ終わったお弁当を片付けている青年。彼は紫色のポニーテールをしている、地灰 鈴都だ。彼も春や零と共にイケメンと呼ばれている人物。だが、鈴都の場合、どっちかっていうと美人の方がしっくり来る。
「美晴って保健委員だったんだな 意外だ」
そう言って自身のお弁当のおかずを口に放った青年。彼は真っ赤な燃えるようなセミロングで前髪にヘアピンをしている、炎山 拓真だ。彼は少し、瞳の色が特殊だ。真っ白い雪のような色をしているのだ。
前の学校ではこの容姿のせいでいじめにあっていた拓真。しかしここでは絶対そんなことは起きない。そう、絶対。
「……なんか寝てたら…決まってた…」
「まぁハルは先生に許可貰ってるもんねーSHRは必ず出席する事!…だっけ?」
「そうそう。ミク先生の真似うめぇなw」
「楽しそうやねぇF組。我もそっちに行きたい」
「リンだってそっち楽しそうじゃねぇか!」
楽しく談笑しながら昼休みを過ごす5人。だが、彼らには秘密があった。
その秘密とはーーーー
ーキーンコーンカーンコーンー
学校特有の音が響いた。5時間目が始まる予鈴だ。
「レーちゃん、次あたし達体育だよ!」
「えマジで⁈やっべぇ!先に行くな!」
急いでお弁当を片付け、零と未来は屋上から出て行く。
それを見送り、鈴都も腰を上げた。
「我もそろそろ行くわ。次、数学やねん」
「うわっ。あのメンドクセー公式のとこ?」
「せやせや」
と鈴都は拓真の問いに笑顔で答えると「お先に」と言って行ってしまった。
「美晴ー俺達も…って寝てるし⁈」
拓真が春を見ると彼は小さく寝息を立てながら寝ていた。ハァ…と拓真は半分飽きれて、半分可笑しそうにため息をつくと春を起こすために立ち上がって叫んだ。
「ふぅ…美晴ー!起きろぉぉおおおお!!!!」
ハルは次男、レイはオトン、リンはオカン、ミクは長女、タクマは長男ですかね?家族に例えると。
まだ、キャラクターはいます。ざっと…17、18人くらいですかね。