第9戦:「なぁ、知ってる?この世界の嘘、秘密を」
「「なぁ/ねぇ、知ってる?」」
「きっとあの子達は知らずにいるんだろうね(ケラケラ)」
「知ったらどんな風になるかな(クスクス)」
「「なぁ/ねぇ、お前/君はどう思う?」」
「光も」「闇も」「太陽も」「月も」「空も」「大地も」「空間も」「時空も」「前世も」「来世も」「「現世も」」
「「全部、我らのモノ」」
「物語も」
「運命も」
「狂うことも」「笑うことも」「泣くことも」「叫ぶことも」
「「全部、我らに与えられしモノ」」
「「さぁ」」「楽しませろよ?」「愉しませてよ?」
午後5時、地灰宅。
鈴都の家に着替え等を持って集まった大罪人達。明日が休みでよかったことと鈴都の両親が旅行に行っているということが重なり、彼の家で情報交換が行われようとしていた。
「全員いるかー?」
「確かめに自分の契約してる罪とか言えばいいじゃない?」
鈴都の家の1階のリビングで皆がいるかを確認する勇馬とそれに提案するマヤ。マヤの提案が採用され、自分の契約している罪を言うことになった。
「……怠惰…と契約してる……」
「オレは傲慢だ!」
春がめんどくさそうに、零が自慢するように言う。
怠惰→美晴 春
傲慢→音時 零
「我は色欲や」
「俺は嫉妬」
鈴都と勇馬が淡々と言う。
色欲→地灰 鈴都
嫉妬→白刃 勇馬
「私は強欲だよ!」
マヤがはーいと手を挙げて言った。
強欲→マヤ・久理乃・ローテル
「僕は憂鬱〜♪」
「そしてあたしはその罪〜♪」
哀と未来が片手を繋いで笑顔で言う。
憂鬱、それは第三の“人間が犯した罪”である。憂鬱は“七つの大罪”のこぼれ者。彼らが放たれた後に生まれ落ちた。その存在を世界は…人間は忘れてしまっていた。人間達から存在を消されたこぼれ者は“七つの大罪”のように“悪意”として人々を震え上がらせた。そのことによってこぼれ者、憂鬱は“八つ目”と称されるようになった。
「「愛憎」」
ヴァークとサツキが声を合わせて言う。
愛憎、これはヴァークとサツキの前世に関係がある。2人には前世の記憶がある。前世の時もほとんど姿形は同じで名前も同じだったという。そしてそこで2人は“バケモノ”として周りから虐待を受けた。瞳が赤いだけで“バケモノ”呼ばわり。その時代の人達の理解に困る。“バケモノ”だったから2人は両親に捨てられ、ちょうど知り合ったその日から一緒に暮らし始めた。そしてある日、サツキがヴァークがいなくなるという夢を見る。もう相手しかいない2人にとって相手(イメージ的には片割れといった方が分かりやすいと思われる)がいなくなるのは死よりも辛い。それほど相手に依存していた。その後交わした約束から愛憎……九つ目は生まれ落ちた。
愛憎の罪は大罪人になった2人を生まれ落ちたその時からずっと支え続け、2人が死した時は自らの力を使い、生まれ変わらせた。
愛憎は世界にも、『神』にも知られずに生まれたため、“幻の九つ目”と称される。
「よし!全員いるな」
勇馬が言うとそれに未来が反論した。
「待って、プラ兄は?」
プラ兄とは愛憎の罪のことだ。
未来という憂鬱の罪もいるのだから来て欲しいものだが。ちなみに大罪人達は憂鬱と愛憎は“暴走”していないと分かっている。
憂鬱の罪、未来と大罪人、哀は味方。愛憎の大罪人、ヴァークとサツキも味方だが愛憎の罪は憤怒や暴食のようにどちらにもつかずに中立を保とうとしている。が、こちらに大罪人がいるため、よく情報をくれる。
「あいつは今日、用事あるってさ」
サツキが言った。それに未来は納得したようだったが寂しそうに頬を膨らませた。彼女にとって“七つの大罪”も“幻の九つ目”も兄弟のようなもの。一人だけ大罪人の中にいるのが少し寂しいのだろう。
「ミク〜!」
「!アイちゃーん!!」
寂しそうにしていた未来を哀が抱きしめる。それに未来もありがとうの意を込めて抱きしめ返す。
これでこの2人、付き合ってないんだから爆発しろっていう感じ。
「んじゃ、情報交換と行きますか!」
零の言葉で皆は情報交換を始めた。
“暴走”のことや中立を“七つの大罪”が警戒していること、戦ったこと。
いろいろ情報を交換していたら7時を回っていた。ので鈴都とサツキで夕食を作ることになり、その間に他の皆はお風呂に入ることになった。
ヴァークとサツキは相手が片割れ状態で相手がいなくなるとダメ的な、精神的に弱ってた時に出会って傷を舐め合った(癒し合った)感じなんで友情プラス依存系の大罪人。
いやこれ一応、健全(とは完璧にいいけれない。流血あるし)だから!違うからね!←何の話だ。
こういう設定で気分悪くなったらごめんなさいぃぃぃいいいいい!!!この2人は友情コンボの依存コンボだからぁああ!!←言い訳長い。
………………………はい、すいませんでした。(土下座)