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Game of crimes  作者: Riviy
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第8戦:図書室は夕暮れ時


ーガララー


春、零、鈴都の3人は放課後のある教室を訪れた。

鈴都にはさっき練が来たことを話してある。


ゴウユキ!」


零が中に入るなり叫んだ。その教室は閉館後の図書室。夕暮れのオレンジ色の光が窓から入って来ている。


「なんだぁ?図書室ここでは大きな声は出すなぁ…ってなんだ。女王に眠たがり、それに天然まで。どうした?」


図書室のカウンターから顔を出し、3人を見るなり、笑って迎える男性。


「剛、うるさい。なんだって…嗚呼お前らか、何用だ?」


本棚の影からもう一人現れ、3人を見るなり、呆れた様子で腕を組んだ。


「……ゴウ、ユキ。…聞いていい?」


春が2人に聞くと彼らは頷いた。それを確認し、春が鈴都に視線を送る。


「今日、ハルとレイがレンに襲われたん。2人だけがあっちにつかずに中立を保っとる。やっぱり、大罪人パートナーがおらんからか?」


鈴都の問いにユキと呼ばれた、緑色の長くもなく短くもないちょうどいい長さのセミロングで銀縁のメガネをし、深緑のTシャツの上に黄緑のベスト、クリーム色の長ズボンに茶の靴を履いた3人よりも背の高い男性が言った。


大罪人パートナーがいないというのも一理あるが、“暴走”してないんだ」

「“暴走”って…ナニ?」


零が聞かない単語に首を傾げる。

とカウンターにいた男性が雪の隣にやって来た。

ゴウと呼ばれた、薄い赤のショートヘアーで黒いサングラスを服にかけており、服は革ジャンで中は白Yシャツ、長ズボンに靴を履いたここの誰よりも背の高い男性がわからない3人のために説明した。


「“暴走”っつうのは今のあいつらの症状さ。まるで“暴走”してるように見えんだろぉ?だから“暴走”って呼んでんだ」


それに3人はなるほどと思った。

確かに今の彼らは“暴走”してるように見える。自分達を殺そうと。


「“七つの大罪”が中立の立場を警戒している。手伝えるのはここまでだ」


雪が言い、メガネを右の人差し指で上げる。

“暴走”という言葉。それに中立の立場を“七つの大罪”は警戒している。情報にしては質が低いが“七つの大罪”を止めるには必要な情報だ。早速、大罪人パートナー全員を呼んで情報交換と行きたいところだ。


「……ありがとう」

憤怒サタン

暴食ベルゼブブ


上から春、零、鈴都の順に言うと罪である2人はいいえと頷いた。


「そこに大罪人パートナーが2人いるぜ?」

「「「え?」」」


剛の言葉に3人は驚く。剛と雪はもう用は済んだと言わんばかりに図書室を後にしてしまった。



「いるんやったら出て来ぃ」


鈴都が優しく声をかける。大罪人パートナー同士は全員知り合いだが声を聞くまでは誰が誰だがわかったもんじゃない。


「あ〜れ〜?なんでゴウとユキにばれちゃったのかナ〜?どう思う?ヴァーク」

「お前があっちこっち動き回るからだろ?アイ


そんな会話と共に現れたのは一人の少年と一人の青年だ。


アイと呼ばれた少年は空色のショートヘアーで右目下に白い入れ墨をしている。形は小さな丸2つだ。服はTシャツの上にパーカーで黒い長ズボンを履いている。服は少しヘソが出るタイプのようだ。靴はブーツ。

ヴァークと呼ばれた青年は真っ赤な燃えるようなセミロングで前髪にヘアピンをしている。瞳の色が髪の色と同じ、赤で服は学生服。

見る限り哀はこの学園の部外者、ヴァークは生徒に見えるが………。それにヴァークは誰かにそっくりだ。


「………ヴァーク、タク…は?」


春がなぜかヴァークに拓真のことを聞いた。それにヴァークは


「あいつならもう寝てるぜ?」


そう答え、自身の心臓を示した。それに春は安心したように「……そう」と呟いた。


「全く、ヴァークも不便だよネ。二重人格なんてサァ〜」

「本当になー…てか相変わらずアイは気楽だな」

「それがアイのいいとこやからね」

「……ちょっと2人共!」


哀が言ったことをバッサリ無視し、彼の気楽さについてあーだこーだ言い始める零と鈴都。

そう、ヴァークは二重人格だ。もう一つの人格が炎山かざん 拓真タクマであり、七星野学園に学生登録しているのは彼だ。ヴァークは七星野学園所属となっている。(ちなみに哀も七星野学園所属)

ちなみに2人(2人と表していいのか少し疑問だが)はよくいう主人格や副人格の区別をしていない。ので皆、ヴァーク、拓真関係なしに仲良くしてくれている。まぁ何故か記憶が共有されないのが唯一の謎で唯一の難点だが。

大罪人パートナーの中ではたった一人の二重人格者である。



「てか、なんで今こいつの事を?」


ヴァークが聞くと春が深刻そうに呟いた。


「………タクには…この事、秘密に……しときたい………から」


彼なりの友達に対する心配だったのだ。あの仲良しグループで巻き込まれていないのは拓真だけなのだから。


「あ!今そんな話してる場合じゃねぇ!」


零が目的を思い出した。大罪人パートナー全員を集めて情報交換しようとしていたのだ。


「情報交換かァー。僕、ミク呼んで来るネ!」


話を聞いていたのでやろうとしていることがわかった哀が未来を呼びにとっとと行ってしまった。


「おいアイ!俺はサツキ呼んで来る。場所と日時は?!」


ヴァークが何も聞かずに行ってしまった哀を彼が入り口のドアのところまで追いかけた。がすでに廊下を走っているようで3人に顔だけで振り返って指示を仰いだ。


「あ、えええと…ええ」

突然で零が慌てる。それに鈴都が助け船を出した。


「今夜の5時、我の家や。着替え持って来いって伝えてけれ」

「了解」


鈴都の指示を聞いてヴァークは走って行った。

春が鈴都を見て首を傾げる。


「………いいの?…リン」

「おん。今日から親両方とも、旅行に行っとっておらんねん」


「お土産買って来るらしいけど」と鈴都は笑って言った。


「ありがとうな!リン」

「ええんやで。さて、早よ準備しましょか」


そう言って鈴都が先に出て行く。それを「待てよ!」と零が追う。春も後を追おうと歩を進めて気づいた。


「あ…………鍵……ま、いいか……めんどくさいし…」


鍵の存在に気づいたが、めんどくさくて放置。2人の後を追い、出て行った。

お泊まり会だぁぁ!

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