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Game of crimes  作者: Riviy
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プロローグ:“七つの大罪”の始まり


ー昔々、天界にはあらゆるモノを司る『神』がいた。その『神』の下には恋人、相方、片腕、片割れ…様々な肩書きを持つ「天使」と「悪魔」が仕えていた。


天界の下には人間達が住む地上界があり、さらにその下には冥界と呼ばれる摩訶不思議な世界が広がっていた。


さて、話はある双子の『神』から始まる。…いや、“双子”と表すのはあまり適切ではない。何故って、誰も彼らの“本当の姿”を見たことが無いからだ。ただ単に第一人称が「オレ」と「ウチ」だけだったこと。それだけで彼らは彼らを“双子”と称した。可笑しなことだ。


話を戻そう。彼ら…この世界で『神の双子』と呼ばれる彼らは“罪”を司っていた。そこからついた名が『神の双子』、ジェミニ=クライムリスト。

『神の双子』はあるモノを愛していた。それはのちに“七つの大罪”と呼ばれることになるモノだ。

仮にそれを“原核”と呼ぶことにしよう。

“原核”に形は無く、声と意識、そして自らの意志だけだった。“原核”は自分達を愛し、育てた『神の双子』を心から敬愛していた。


ある日、『神の双子』が地上界に“原核”を持って降り立った。あまり地上界に降りたことがなかった『神の双子』は不用心にも“原核”が入った球体を置いて、近くを散策し始めてしまった。これが第一の“神が犯した罪”である。


「?なんだろこの球体」


人間が『神の双子』が置いて行った“原核”を見つけてしまった。

人間は興味深い物は触りたくなるし、持ってみたくなるものだ。

その人間も興味本位で球体を触った。そして…


ーパリンッー


壊してしまったのだ。

球体から放たれた“原核”は『神の双子』に教えてもらった通りに人間に挨拶をしようとした。そう、ただ、「挨拶をしようとした」だけなのだ。なのに…


「う、うわぁぁああ!!??く、来るな!この…“悪意”がっ!」


人間は大変な事を言ってしまったのだ。“原核”に“悪意”と言ってしまったのだ。これが第二の“人間が犯した最大の罪”である。


人間は本当は何を言いたかったか?“原核”に形は無い。きっとただの煙に見えたことであろう。そう、ただの“紫色をした煙”に。

のちに分ったことだが地上界では“紫色をした煙”を“悪の意志を持つ邪悪なモノ”として“悪意”と呼んでいた。だから人間はとっさに“悪意”と呼んだのだ。


“原核”は絶望した。自分達の存在は“悪意”という塊だ、と。さぁ、そこからが大変だ。

『神の双子』と同じように世界に希望や夢を持っていた“原核”はそれらを失ってしまった。そして、新たに生まれたのは“悪”というモノ。


たった一人が発した言葉で世界は大きく歪んでしまったのだ。

“原核”は“悪意”の名の通り、世界に我先にと飛び散った。世界を“悪意”で染めるために。

それが“七つの大罪”である。

もう、誰にも愛されることはない“悪”。


自分達が愛した“原核”…“七つの大罪”を“悪意”に染め上げた人間を『神の双子』は許さなかった。だから、地上界に火を放った。


地上界は全て燃え、新たに始まった物語の中で人間達は思い知る。


「自分達は昔、なんてことを仕出かしたんだろう」


と。

後悔しても遅い。もう、輪廻は止まらない。

世界に広がる“悪意”という名の“七つの大罪”。そして…人間が再び犯した新たな第三の罪。


罪は前世、現世、来世へと繋がっていく。ー


「さあ、今日の物語は何?」



『誰か、誰か。彼らを…彼らを愛してあげて。じゃないと彼らは…****』


『神』の願いも人間の願いも「天使」と「悪魔」の願いも叶えられるのは…“七つの大罪”だけ。

楽しんでくれたら幸いです。

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