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プロローグ

初投稿です。

「平和っていいよなぁ・・・・」


俺は窓側の端の席で外を眺めながら優しく照りつける太陽の熱に眠気を覚えながら呟いた。

突然だが俺は平和主義だ。よく言い争いや喧嘩などで暴力に発展した時も俺からは手を出さない。周りからは弱いだの逃げてるだの言われるが俺はそうは思わない。平和主義は素晴らしい。

周りのシャツを出して常時睨み状態のイケメンも少しは俺を見習ってほしいものだと俺は思う。


「何ジジ臭いこといってんのよ。」


ツッコミを入れてきた彼女の名前はマヤ。俺の幼なじみだったりする。マヤはそうだな、あれだ。黒髪セミロングでツヤツヤのストレートだ。わかるだろ?高校生に多いあの髪型だ。

マヤは高校に入ってからはあの髪型だ。俺は狙ったのかと思ったのだが、本人曰く手入れがしやすく楽なんだそうだ。ちなみに容姿は可愛い。うまく言えないが童顔で身長は150くらいだ。オタクにはもってこいの容姿だなんて言わせないからな。

だが俺は幼なじみという立場のせいか異性としては余り意識しないな、家族みたいな感じかな。親も結構仲良かったし。


「ちょっと、聞いてるの?つっこんであげたんだから反応してよ。」


どうやらこの日差しのせいでうとうとしてたみたいだ。


「ああ、ごめんて。今日あったかいから眠くてさ。」


「あんたいつも眠そうにしてるじゃない。」


「うっ・・・・・」


さすがマヤ、速攻のつっこみごちそうさまです。

マヤは突っ込むときだけ口調が変わるんだよな、不思議なやつだ。

・・・なんて考えていると放送が聞こえてきた。


「昼休み終了後、重要な話が有りますので体育館に集合して下さい。繰り返します、昼休み終了後---」


どうやら重要な話があるらしい。

どんな話だろうか。この学校で重要な話なんて廃校の知らせ位だろうか。

なぜならこの高校は結構な田舎にあり、全校生徒、教職員含め40人弱しかいない。よく潰れないものだ。


「どうする?暇だしもう行っちゃおっかー?」


マヤが俺に聞いてきた。することもないしそうだなと答えて体育館へ向かった。


「よぉ、いつもラブラブだな。夫婦円満の秘訣をきかせてくれよソウジ!」


体育館に着いてそうそう奴に出くわすとは俺もついてないものだ。

入ってそうそう絡んでくるのは中学からの付き合いであるシュンだ。そうだ、奴はリア充だ。発言から察せるだろうが、このノリは相変わらずすごいな。

しかしだな、ただしイケメンに限るってやつだろうこのノリは。俺はいつものように煩いと言いながら体育館に並ぼうとする。

隣りに居たマヤはというと顔を真っ赤にして俯いてやがった。照れてるのは可愛いがなマヤさん、そこはなんか返さないとね?ほら、周りがヒューヒュー言ってるよ?俺の精神ライフをどこまで削る気ですかね全く・・・・・


なんて他愛のない話をしていると進行をする先生が話し始めた。


「突然でごめんなさいね。ちゃんと昼食は食べれた?・・・っとこれじゃ小学生相手にしてるみたいよね、ごめんなさい。校長先生からお話があるそうです。」


ここの学校の先生は本当に緩いというかフレンドリーというか。

特にビシッとすることもなく先生が進行し、校長がステージに登壇する。

・・・・あれ?校長って片目赤かったか?なんだろう、オッドアイにでも目覚めようとしてるのだろうか。なわけないよな。


「なぁ?校長カラコンつけてね?」


そう言い出すのはシュンである、さすがリア充。カラコンなんて言葉をすぐにだせるお前はすごいぞー。なんて頭のなかで煽ったりする。


「だよな?片目赤いよな?」


「やっぱりカラコンかな?えー校長でしょ、キモっ・・・・」


俺がシュンに返し、マヤが続く。マヤは若干引いていた。


「き、今日は・・・おっおっおひがらもよ・・・・ぷ、ぷははは」


おいおい校長とうとう狂ったか?いや、マヤの発言を聞いていたのか?

だったらすまん。俺も一緒に謝る、だから正気に戻ってくれ。


周りがざわざわし始める、すると少年だが女っぽい感じの高い声で校長がしゃべりだした。


「いやぁ、校長のまね事なんて初めてでさ。やっぱ俺にはあわねぇわ。ぷぷ、んでさ本題なんだけど、君ら今日で人生終了ね。」


・・・・・はい?何をいきなりラノベ展開のようなセリフを。異世界転移とかの類ですかね?よくラノベの「そういうとこで俺だったら」なんて思って批判してるけどいきなり言われると実感わかないもんだね。からかっているようにしか聞こえない。


「ねぇ、ソウジ・・・・別の意味で怖いんだけど。」


マヤが袖を掴んできた。なにこの展開。胸が熱くなるよ?俺はマヤにフラグ立てた覚えは無いんだが・・・・

いやそういうことじゃない。確かに校長を見れば誰だって恐怖を感じるさ。

いきなりあんな事言い出すんだからな。

何かのレクリエーションだろうか?


「もう、みんな煩いよ?俺は後40人魂を刈り取れば晴れて天界の使者さ。君らには分からないだろうけどね、天使になれば幸福な生活が手に入るのさ。」


校長はまた訳のわからないことを口ずさんだ。

いや、待ってください。痛い子にしか見えませんよ校長・・・・・


「てか校長ー、魂を狩るって言ってもさ、普通は魂の救済でしょ?なんで生きてる人から無理やり取ろうとしてるのさ、ぷぷっ、違反じゃんか。」


誰かが言った、あれは確かタクミくんだったかな。いや、でもあんなテンション高い子じゃなかったような・・・・

そういやオタクで有名だったよな。話が合いそうだったんだけどなかなか話す機会なくて未だに話したことがない。


すると校長が笑い、喋り始めた。


「君以外と鋭いとこ突くね。でもね魂になっちゃえば誰も喋れないんだ。俺がこの魂を救済しましたって言って輪廻転生の輪に流しちゃえばそれでオ・ワ・リ。どうだい?俺の完全犯罪成立さ!」


いや、完全犯罪って言っちゃってるよこの子。てかどうしようか、帰るわけにも行かないしな。はやくこの場から逃げたい。てか先生達止めないの?

俺が先生たちの方を見ると先生はぽかんと口を開けていた。

どうやら先生たちにも分からないらしい。


「まぁいいさ。そろそろ俺に刈り取られてもらうよ。ばいばーい!」


そのセリフの後校長の手から死神の鎌のようなサイスが出てきた。

ざわつきは一瞬にして止まる、そして一振りしたかと思った瞬間俺の意識はなくなっていた。




「・・・きる・・の・・だ・・・・起きるのだ、人間たちよ。」


どれくらい意識を失っていただろうか、気が付くと何もない白い空間に俺たち火鷹高校の生徒、そして白い民族衣装のような物を身につけて俺達の目の前に立っている・・・・じじぃ。


「じじぃとは失礼だな、儂はなんというかな・・・・そう、神様だ。」


勝手に心読むなよと内心ツッコミを入れた。そもそも神様と言われて信じる人間がどこにいるというのだろうか。まぁ状況から考えて受け入れなきゃいけないような気もするが。いや、信じてもいいがどうせチート付けられて異世界に言って死に目に合うような人生を送る事になるようなのは勘弁して欲しい。


俺は神(仮)の事よりみんなの安否が気になり周りを見た。俺の後ろには未だに裾を掴むマヤと大の字に倒れているシュン、他もいろんな体勢で倒れていたが、教員はいないようだ。

とりあえず起きろと大声を出す。こんなことしたくは無かったが一人じゃ不安なのでみんなを起こそうとした。

声を出すと次々と起き始める、そしてみんなパニックになる。そりゃそうだ、目覚めたとこが真っ白の空間でいるのが生徒とじじぃだぞ。そりゃパニックになるさ。


「さっきから好き放題言いおって。まったく、儂はお主らを救ってやったのだぞ、少しは感謝せんか。」


「あ、いや、普通今の状況でも素直に飲み込んで感謝できるかって言ったらみんな無理って答えますよ絶対。」


俺は答えた。マヤとかシュンが俺に話しかけてくるがとりあえず状況把握をしたかった。というかラノベ読んでてよかったわ、案外ああいうので予習しとけば落ち着けるもんなんだな。実際に起こるとは思わなかったが。

・・・それとマヤさん袖をそろそろ離していただきたい。袖が伸びますよ?

なんて考えていると慌てている生徒たちがおとなしくなった。


「悪いが精神状態を強制的に安定させた。大丈夫だ、悪影響はない。それとお主らには言葉がちゃんと脳に入るようにもしておいた。これで大体は今から話すことで理解出来るはずだ。それでは一方的に話すぞ?質問に答えていては時間がないからな。」


ソウジを含めた生徒たちは頷く。


「簡単に言うとだな、お主らは魂を狩られた。狩られた内容は知っての通りだ。儂は仮にも神ゆえ、すぐに気づいた。しかし奴も手慣れでな、気づいた時には魂だけだった。お主らはまだ若く未来があった。事故や病気で死ぬならまだしも、儂ら天界の者のミスで罪のない魂を失ってなるものかと儂は全力で魂をこっちに引っ張った。悪いが年老いた教師らは悪いが救えなかった。儂も万能というわけでもないからな。ふむ、なぜこっちに引っ張ったかと聞きたいようだな。お主らには天界のミスにより魂となってしまったお詫びとして第二の人生を今の記憶を持ったままで送る権利をやることにした。本当は魂を元の肉体に戻そうと思ったのだが死者蘇生は神でも禁忌とされておる。すまぬが諦めてくれ。それで聞くところによるとお主らの世界は剣や魔法、架空の生物が住む世界に憧れを抱いてるそうじゃないか。そういうわけでお主らをその世界に転移させてやろうというわけだ。大丈夫だ、儂がさっき作った力作の世界だ、大きい争い事など起きん。儂がずっと監視していて、今はその世界は儂のせがれに任せてある。信用できるやつだ。まぁ、色々と訳があって世界を作ったのだがその説明をすると長くなるのでな。いずれ話す時が来るかもしれん。とにかく行きたくない者もいるかとは思うが、死ぬよりはましだろう?強制しているみたいですまんが準備は--」


話が長すぎるぜじいさん・・・・。しかし頭のなかには綺麗に入ってきていた。

神の力というやつだろう、ソウジの中に理解できるように入ってくる。


「すげぇな。こんな状況なのに落ち着いてるし頭に入ってくる・・・」


ソウジは周りを見渡すがみんな神の話に聞き入っている。やはりソウジと同様に理解できているのだろう。

ソウジは周りを確認するとまた神の話に耳を傾ける。


「では儂の世界に入るために準備をする。まぁ準備とは言うが向こうの世界での職業を決めるだけだ。向こうの世界にそってステータスは儂が設定してやる。向こうで暴れられても困るからな。職業は大きく分けて2つ、細かく分けると5つになる。大きく分けると戦闘系、生産系だ。戦闘系は、戦士、魔導師、治癒術士の3つ。生産系は、薬師、鍛冶師の2つだ。職業と言っても特化というだけで魔導師以外では魔法は使えないという事は無い。なりたい職業だけ願ったのなら後は自動で儂の作った世界の村に転移する。村にはその世界の事や沢山の知識の書いてある本と食料を用意しておいた。結界も張ってあるので魔物は来ない。食料はしばらくはもつだろう。そこで農業をして暮らしてもよい、街に出て旅をするのもよい、冒険者ギルドに入るのも手だな。まぁ自由にするが良い。とにかく何度も言うようだがなりたい職業を念じれば自動で転移する。そろそろ時間だ、達者でな。」


そう長々と喋っていった神は消えていった。

死ぬよりはマシだがと悩むソウジだったが、他の生徒は割り切ったのか次々と転移を始めていく。


転移が起こる中でソウジ、マヤ、シュンはどうするか話していた。


「俺は戦士になって彼女と暮らすことにするわ。ギルドってとこで金稼いでな!」


そう言ったシュンはなんというか肝が座っている、素直に感心した。この状況でよくもまぁ・・・・。俺にそんな覚悟なんて無いしな、すごいよ。

俺はシュンに頑張れよと声をかけるとシュンはまた会おうとかスカして消えていった。シュンが消えた後マヤは


「ひ、一人じゃ心細いから私ソウジについて・・・だめ・・かな・・?」


は・・・反則だよマヤさん・・・・そんなうるうるした目で上目遣いは・・・


「も、もちろんだひょっ・・・・」


俺は噛んだ、噛んでしまった。それ程に破壊力があったのだ。

マヤは俺が噛んだことに微笑むとじゃあ治癒術師になるねと言うと消えていった。

考えた結果俺もシュンに乗っかって戦士でもと思ったが鍛冶師で槌を振り回すのにも夢があったし、特化であって他が出来ないわけじゃないという神の説明から、どうにかなるだろと思い俺は鍛冶師になると念じた。



こうして俺の異世界生活が始まった。この時俺はほのぼのとした平和な生活を望んでいたがまさかあんなことになるなんて{この時}の俺は思いもしなかった・・・・


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