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  大好き。



 

「川岸って秀のこと好きなんだろ?」

  

「え?何で先輩がそのこと…。」

何で先輩がそんなことを知っているの?


「もし、本当に秀のことがすきなら、

あきらめたほうがいい…。」


「な…何で先輩がそんなこと言うんですか?

今のは、ひどいです!別に私が誰を好きだっていいじゃないですか!」


ついカッとなる私。

「じゃあ、川岸にだけおしえてやるよ。

秀が好きなのは…安斉なんだ。」

「え…」


チクリ。

胸に何かが刺さったみたいに痛い…。


「先輩…それって本当なんですか?」

恐る恐る先輩に聞いてみる。


「ああ、本当だよ。まあそういうことだから。」


先輩はそういうと、

かたずけを終わらせ、

私にバイバイって言うと帰って行っちゃった…。

 

その場に固まる私…。



 信じられない。

 昨日、秀君が私を振ったのは

 由香が好きだったからなんだ…。


 





  -次の日ー

 昨日の先輩の言ったことが本当なら…

 私は秀君を諦めたほうがいい。


 そして、由香と秀君の恋を応援しなくちゃいけない。

 胸が痛い…。

 まさか、秀君の好きな人が…私の心友だなんて…。


 今日は由香に

 「おなか痛いから先に部活行っててもらってもいい?」

 なんて、 嘘ついちゃった。


 由香と一緒にいるとなんだか負ける気がした…。


 結局、部活自体には行ったけどまだ由香とは

一言もしゃべってない…。

このまま部活が終わればいいのに…


 「はい!今日もお疲れ様でした。

 もうすぐ、大会も近いのでメンバーを発表したいと思います。

 えー個人の部から、

 男子の部…………………そして富田、前河。以上

 女子の部…………………そして安斉、川岸。このメンバーで

 今回の大会に出てもらう。

 3年は引退まで1ヶ月をきったので

 しっかりがんばるように!」

  


  私、初めて選ばれちゃった!がんばらないと。

「まり!おなか大丈夫?私たち選手に選ばれたね!

お互いがんばろう。」

 

 「あ…。由香、朝はごめんね。もう大丈夫だから…じゃあバイバイ」

「え?由香…。どうかしたの?」


私はその場から逃げるように

 走り出した。


 私…最悪だよね。

由香は何も悪くないのに…。

 こんなの由香に奴当たりしてるだけじゃん・・・


すばやく着替えると私は由香を

待たずに剣道場を出た。


 仲良くしゃべってる秀君と由香を見るのが

 つらくて胸が苦しかった…。


 私、もう由香と心友じゃいられないのかな?


 だめだよね…。こんなに無視してるんだもん。

 由香のこと好きだけど、

 一緒にいると胸が痛い…。


 ごめんね由香…。


 私…秀君のことも

 諦めるから…。


 「おーい!川岸。」

あれ?向こうでさけんでるのって煉先輩?


 なにかな?

もしかして、昨日の話の続き?

いやだな…。


とりあえず先輩のいる所まで走った。

「なんですか?」


「どう?秀のことあきらめた?」


「何で先輩はそんなに

私の恋の邪魔をするんですか?

そんなに人が失恋するのがおもしろいんですか?」


 あ…私、先輩にまで奴当たりしちゃった。

「ごめん…

俺、川岸がそんな風に思ってるんなんて知らなかった」


「私こそすいません。」


「俺…お前が入部してきた頃から気になってたんだ。

でも、お前がいつも秀のことばかり見てるから…

秀が安斉を好きなのは本当だけど、

別に秀じゃなくても…その…



 俺じゃだめ?…かな?」


「え…?先輩。」


 それって…。


「返事はいつでもいい…。

でも、ゆっくりでいいから、秀じゃなくて

俺を見てほしい……」


その話はそれで終わった。

家に帰っても胸がドキドキしてる…。


秀君が好きな気持ちと

先輩からもらった気持ち…。


もやもやする。


ベッドにダイブして気持ちを晴らそうと思ったけど、だめだ…。


頭がごちゃごちゃしてて、大会どころじゃないよ。


……でも、私が秀君のことを諦めれば。





  -次の日ー

「まり、おはよう!

昨日はどうしたの?げんきなかったね。」


「うん…。それより由香…

私、秀君のこと諦めることにしたんだ」


「あ…まり、そのことなんだけど

私ね。昨日秀君に告白されたの。」


 あ…やっぱり秀君は由香のことが好きなんだ。

諦めて良かった…。


「そっか…おめでとう!由香。

私のことは気にせずに今日から一緒に帰ったら?」


「え…?まり、私と秀君が付き合っていいの?

だって、まりは…」


「いいの!私も新しい恋見つけたから。」


由香は優しい…。

その後、私が誰を好きになったかは聞かなかった。

「まりがすきな時に言って。」って

言ってくれた。


後は私が先輩に言うだけ…。



「はい!今日の部活はここまで。

おつかれさま。

水分補給を忘れずに!!」


今しかチャンスはない。


「先輩!お疲れ様でした。

あの…この後少し、いいですか?」



「おつかれ!うん。全然いいよ。」



また、2人きりの剣道場。


「あの、先輩…


   私も『すき』です!

  よろしくお願いします。」




  秀君…。私に恋を教えてくれてありがとう。


  先輩…。もうすぐで引退だけど、これからも好きです。



  川岸 まり。

夏休みの間に2つの甘く切ない恋を経験しました。



そして少し、大人になりました。




  -3年生の最後の部活ー



「……ということで、今日で俺たち3年は引退します。

最後に、男子キャプテンと女子キャプテンを発表します。


男子は、富田 秀。

女子は、川岸 まり。


しっかり剣道部を引っ張ってくれ!」


私は3年生の引退試合で、個人の部・3位という成績を残した。


それで、女子キャプテンに選ばれた。


先輩がいないと不安だけど

秀君や由香と一緒にがんばっていく!



それに、私が不安になったときや

分からないことがあったら


 大好きな先輩が

すぐに飛んでくるから…。



「今日の天気は快晴!太陽が1日中出るでしょう。」

3ヶ月前まで私の心と正反対だった 『快晴』という言葉…。


でも、今は私にぴったりの言葉。


  それも全部大好きな仲間がくれた宝物…。


「みんな。」


「ん?まりどうしたの?」



「大好き!」



 由香と秀君と煉先輩。

私の気持ちを変えてくれた大切な人…。





   何度言っても飽きない言葉。






   大好き!













  こんにちは!愛夢☆です。

とうとう、完結しました。だいぶ強引にですが…(汗;


 やっぱり最後はハッピーエンドですね♪

まりと煉。由香と秀。

これはこの話で終わりですが

また、違う話を書きたいな★なんて思っています。

これからも愛夢☆の作品を見つけたら

読んでください。


 でわでわ、また違う作品で会いましょう!

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