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外れ伯爵家の三女、領地で無双する  作者: 森のカフェしっぽっぽ


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第69話 最深部手前とクレクレ冒険者

 宝石ダンジョンの宝箱階層、最深部へと続く通路の手前。光る壁面の結晶がまばゆい輝きを放ち、足元には砕けた宝石の粒が散らばる。アイリスたちは慎重に歩を進めていた。


「……いよいよ最深部ね」


 アイリスが低く呟く。銃を腰に構え、仲間たちの配置を確認する。ガルドは剣を肩に担ぎ、リーナは盾を前に構えて周囲を警戒する。アリエルは魔法の光を増幅させ、レオは結界魔法で罠や潜むモンスターを感知する。


 その時、廊下の奥から小さな足音と声が聞こえた。


「ねえねえ!ご飯ちょうだい!ドロップも寄越せ!」


 振り向くと、いつものクレクレ冒険者たちが現れた。前回同様、手を差し伸べてこちらを見つめ、食事と戦利品を要求している。男性、女性、少年――全員が期待に満ちた目でこちらを覗き込む。


 アイリスは眉をひそめ、銃を構えたまま仲間を見渡す。ガルドとリーナも剣と盾で姿勢を固め、レオとアリエルは魔法を準備する。


「……また来たわね」


 アイリスが低く呟く。


「ご飯は……見ての通り、これ見よがしに食べてたでしょ?あげるわけない」


 ガルドが隣で口を挟む。リーナも盾を軽く叩きながら頷く。


「それに、ドロップも全部私たちで根こそぎ倒したモンスターの成果よ。寄越せなんて筋違いもいいところね」


 アリエルが呆れた声で言う。レオも杖を握り、結界魔法で仲間を守る態勢を取る。


 クレクレ冒険者は目を丸くする。男性冒険者が口を開く。


「いや……でも、ほんの少しだけ……」


 アイリスは顔を上げ、銃口を向けて低く言った。


「……甘い顔はしない。あんたたちの要求は一切無理」


 ガルドとリーナも一歩前に出て、侵入者に圧をかける。アリエルは魔法で光の結界を広げ、レオは全員に付与魔法を展開して戦闘力を強化する。


 クレクレ冒険者たちはしぶしぶ後ずさる。何度見ても、アイリスたちの態度は一切揺るがない。食事は目の前で食べ、ドロップは全て回収済み――理由は明確であり、塩対応以外にない。


「……仕方ない、退くしかないか」


 女性冒険者が肩をすくめ、少年冒険者も目を逸らす。クレクレたちは深呼吸一つで後ろに下がり、宝箱階層の端で待機することにした。


 アイリスは小さく笑みを浮かべ、仲間たちに目配せする。


「じゃあ、最深部に進むわよ」


 ガルドが剣を構え直し、リーナは盾を前に構える。アリエルは魔法の光を強め、レオは付与魔法で全員の戦闘力を最高潮にする。


 通路を進むたび、壁面の宝石が眩い光を放ち、床の結晶が微かに振動する。最深部の空気は重く、まるで宝石そのものが呼吸しているかのようだった。


「ここまで来ると、魔法アイテムや希少宝石も期待できる」


 アイリスが銃を腰に下ろし、周囲を確認する。


 宝箱の奥に巨大な宝箱が見えた。結界が張られ、開封には慎重な解除が必要だ。仲間たちは息を整え、作業を始める。


 レオが結界魔法で保護し、アリエルは振動を抑える補助魔法を展開する。ガルドとリーナは周囲を警戒し、アイリスは銃で遠距離の安全確認をする。


 宝箱を慎重に開けると、中には希少宝石の山、魔力を宿した魔法アイテム、攻撃力増幅の巻物、強化弾薬がぎっしり詰まっていた。


「……すごい……」


 アリエルが息を呑む。ガルドとリーナは笑みを浮かべ、レオも結界魔法で慎重に回収を支援する。


 その瞬間、深部に潜む強敵――宝石ゴーレムとスライム群が再び出現した。全身が輝く結晶で覆われ、圧倒的な存在感で迫る。


「準備はいい?一気に片付けるわよ」


 アイリスが仲間に指示を出す。銃で弱点を狙い、ガルドとリーナが前後を固め、アリエルが光魔法で小型スライムを排除、レオが付与魔法で全員の攻撃力と防御力を強化。


 連携は完璧だった。ゴーレムの腕をガルドが押さえ、リーナが背後からの攻撃を防ぐ。アリエルの光魔法がゴーレムの結晶を溶かすように攻撃し、アイリスの銃が弱点を正確に撃ち抜く。レオの魔力付与で攻撃の効果は倍増した。


 ついにゴーレムは崩れ、光の粒子となって消滅。スライム群もアイリスとアリエルの連携で全滅した。


「ふぅ……全員無事ね」


 アイリスが息をつく。仲間たちは笑みを浮かべ、宝石や魔法アイテムの回収を再開する。クレクレ冒険者は遠くから見ているだけで、今回も塩対応。士気はさらに上がった。


 アイリスは宝箱の奥を指差す。


「最深部はこれから……もっと希少な宝石と魔法アイテムが待ってるはずよ」


 仲間たちは頷き、慎重に最深部への探索を開始する。宝石の光と仲間の士気、塩対応の余裕が混ざり合い、宝箱階層深部の冒険は、さらなる高みへと進むのだった。



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