第7話 新手
「海斗?!離れろ!!!」
〈んぁ?新手かぁ?楽しませろやぁ!!〉
「え?!」
「(まずい...とどかねぇ!)海斗!!」
「やれやれ、手こずり過ぎじゃないか?君達」
空から黒に包まれた男が現れた
〈(俺の攻撃を片手で防いだ...)おもしれぇ〉
「お前...誰だ?」
「僕の名前はアプリスティア・マモンだよ」
「どうしてここに...?来れるやつはいねぇはずだが」
「やだなぁ、僕も君達と同じ、英雄っていうのにさぁ」
「俺等4人以外にもいたってことか、俺はフィスだ、二人でやるぞ!」
「いいよ、乗ってあげる」
「本当にやるのね?」
怯えながら聞く
「あぁ、仲間なんだ力合わせてもいいだろ」
「それもそうね、バフかけるわよ!烈火拳」
「サンキュー、行くぞ!」
「そうだねぇ、本気で相手しようか」
〈舐めやがって...皆殺しだぁ!〉
「(すごい迫力...)僕はこんな相手に勝てるとなんで...夢見がちすぎでしょ...」
「海斗?!大丈夫?!一旦ここから離れるわよ!」
「(アルと海斗は離れたか、これで心置きなくやれる)すぅぅぅぅ、やってやる!」
〈黙れやぁ!!〉
「その闘争心見習いたいよ」
マモンがまたもや片手で防ぐ
〈うざってぇ………八つ裂きだぁ!スキル爪痕!〉
「ふ〜ん3本の爪を透明にして攻撃するスキルか、弱いね、僕が使ったほうがよさそうだ、スキル複写」
「は?!コピー??チートだろそれ!」
〈俺が使った時より錬成されているだと?!〉
ゼドは咄嗟に傷口を抑えた
〈(まずいまずいまずい………!このままじゃ負けちまう………こうなりゃ、奥の手を使うしか………ない!)召喚!俺のは他の幹部とは違うぞ...!」
「へぇそうなんだぁ、楽しみだな〜」
「おい!油断すんな来るぞ!!」
「いいんだよ、反転」
〈は?〉
「え?」
一瞬の出来事だった、マモンが反転と言い放った途端、ゼドがマモンに当てた攻撃が跳ね返った
「これで終わったね、なんでこんなのに手こずるかなぁ」
「いや...お前が強すぎんだよ...」
「それもそうかもね、君達が手こずってる間に10個の石は破壊したからね〜」
「...まじかよ......信じられねぇ」
「本当だよ、あ、あとボスを倒したらカードが手に入ってね、現実世界ならいつでも何体でも出せるし、敵が使ってたスキルも使えるようになるらしいんだけど、僕には複写があるから君たちに上げるよ」
そう言うとマモンはフィスに色鮮やかなカードを手渡した
カードにはそれぞれ【レティキュラム】【フォーナックス】【ヴェーラ】【ピクシス】【カリーナ】【サジッタ】【パピス】【テレスコーピウム】【アンチラ】【ホロロジウム】と書いてあった
「いいのか?こんなもんもらっちまっって」
「いいんだよ、スキルは全部貰ったし、僕は少人数で行動したい派なんだよね」
「そうなんだな、じゃあありがたくもらうぜ」
フィスが微笑んだのもつかの間システムが突然動き出した
〈王を除きすべての兵士を排除したことを感知しました、今から王の間へ転送いたします〉
「ここは転送するタイプか、うんいいね」
「どうなってんだよこれ!」
「む?フィスじゃないか!!なぜ空を飛んでいるんだ?」
「それは兄貴も同じだよ!!」
「ちょっと?!離れてみてたらなんか急に動き出したんだけど?!」
「ち..ちょっと!!僕高いとこ無理なんですけど〜〜〜〜〜!!」
「賑やかだね、はは」
「笑ってる場合か!!このままでいいのかよ!」
「うんいいんだよ?このまま行けば王の部屋に行けて、そいつを倒したら現世に帰れるんだよわかる?」
「わかったが、あと何分掛かるかくらいは教えろよ」
「もう着くよ、ほら見て?」
眼の前には白か青かわからないが、薄く混ざっているようで、だがはっきりと色がわかるような不思議な部屋が現れだした
「あそこにいるのか?信じ難いな」
「僕もだよ、あんな場所にいるのは退屈じゃないのかなって思うしね」
「何談笑してるんですか?!怖くないいですか?!」
「俺は怖いぞ!!」
「全然怖そうには見えませんけど??」
「俺は楽しくなってきたぜ!!」
「戦闘狂ですか?!」
「僕は眠たいな〜、刺激が欲しいよ...」
「いくら強いからって油断はダメですよ!!」
「海斗落ち着いて!!私がいるじゃない!」
「アルさん...あなた足震えすぎですよ、あと、泣きそうな顔してるし」
「言わないでよーーー!!」
「騒がしいな」
「だね、もうついたのに」
〈ふむ、騒がしな、まぁ良い、よくここまで来た、ここでお前達は死ぬのだ、消えてもらうぞ〉
「あんたのほうがうるさいよ?複写」
〈それは、我が幹部のうち一人ゼドの技?!なぜお前がそれを使える!!〉
「うるさい、今度は外さないよ」
冷静に淡々と攻撃を繰り出すマモンの姿を見て、フィスたちは息を呑んだ
〈はっ!何度か打ち合ってわかったぞ!お前まさかとは思ったがやはり、あいつの子供だな!道理で我らの命が凝縮されたカードがなくてもそれを使えるわけだ!!〉
「それがわかったとて、どう対処するのかな?」
〈殺す以外の方法はないだろうが!〉
「強引だな、早く死んでよ、言霊」
〈そうか、それも使えるのか、なら我に勝ち目は端からなかったな、ははは!おもしろい!冥界で挨拶でもして来てやろうか?!ご...〉
何かまだ喋っている間にマモンの攻撃で頭が潰れた
「まだ僕はこいつらと仲間になれてないんだ、正体をバラすのはどうかと思うよ、アクィラ」