第6話 本戦
「そう焦るな、2対1でやるんだ、準備位はさせてくれ」
〈頭でも打ったか?どう見ても1対1だろう?〉
「ダイスさん無事ですか!」
「何この状況!本当に大丈夫なの?!」
「大丈夫だ!お前たちが来てくれたからな!アル!お前はフィスのサポートに行ってくれ!海斗は俺と2人でこいつを倒すぞ!」
「……分かりました!」
「分かったわ!行ってくる!」
〈ほう……後方支援が一人増えただけで何が出来るというのだ?ただの足手まといになるだけではないのか?〉
「ごちゃごちゃうるさいぞ、前を見ろ!」
〈やはりよわ……?!グッ……!〉
カブの目に矢が刺さった
〈(そういうことか、あの弓使い、目がいいのか、仲間を撃たずに的だけを射抜く能力、スピード能力と合わさることで厄介になるな)長期戦は不利と見た〉
「(頭がいいのか……長期戦不利と素早く判断……それが分かった途端海斗の方へ走り出した!)海斗!スキルを使え!!」
「分かりました!!霙!」
〈ほう、1本の弓に魔力を込めることで分散させるスキルか、だが、今のお前は、魔力1につき1本と言ったところ……やはり弱いな〉
「俺を忘れるな!瞬雷5連撃」
〈5連撃か……これは避けれぬな……天晴れだ!〉
「やっと、終わったのだな………」
「そうですけど、だ、大丈夫なんですかその傷!」
「あぁ、無事だ、早くフィスのところへ………」
「安静にしてて下さい!」
〈そいつは……死にか……けか?俺が………打った1撃でそうなるとは……思えん…………そいつは……疲れているだけだ……寝かせてやれ……グッ!〉
苦し紛れに言葉を紡ぐ
「敵なのにそういうこと言っちゃうんですね、本当は戦う気なんてないんじゃないですか?」
〈………そうだ……強制的に………戦わされて………いるだけで本当は………人類を………滅ぼすなんて………気持ちは………無かったんだ………タイル…だってそうだ………だから手を抜いていた…………お前達……気を付けろよ………ゼドや……我らの王………種族は違うが……別のチームには……少なからずだが………そいつらは………命令に背かず………本能で…いや本心で………お前らを殺しに来るぞ…………〉
「じゃあ、貴方達は殺戮には興味なかったと言うことですか……強制でも街をあんな有様にしたのは許せません、幾ら興味がなかったとはいえ、許せはしない………すみませんが此処で儚く散って下さい…………」
静かに弓を引く
〈罪は償う………許されぬとは思うがな…………また会おう〉
最後にカブは笑った顔を見せた
「海斗?!大丈夫か?!」
「無事ですよ、そんなことより早く行きましょう、僕は強制的にコイツラを送り込んだヤツらが許せないんです……」
海斗は俯きながら憎悪を燃やしていた
「そ、そうか、無事ならいいんだ、早くフィスのところへ行こう!」
「そうですね、それでは先に行きますね、ゆっくり来てくれて構いませんから」
「何故だ?」
「まだ傷が癒えてないでしょう!安静にしてて下さい!」
「お、おぉ?(なんだか雰囲気が変わったな)」
「(早く...早くいかないと!!)はぁはぁ....フィスさん!!」
「海斗?!離れろ!!!」
〈んぁ?新手かぁ?楽しませろやぁ!!〉
「え?!」
「(まずい...とどかねぇ!)海斗!!」
「やれやれ、手こずり過ぎじゃないか?君達」