第5話 ゼド
「(片手で止められた?!次の攻撃が……!)まずい!!」
〈これでくたばるんじゃないぞ!〉
「ガハッ!横腹にもろに喰らったか………ぐ……」
〈もう終わりか?弱いな〉
敵が右手を振り上げトドメを刺す素振りをする
「兄貴?!大丈夫か?!」
〈お前は、シャイが相手をしていた奴じゃないのか?!〉
「あいつシャイってんだ、強かったけどよ、俺のほうが上だったみたいだわ」
フィスは笑いながら言う
〈シャイが弱かっただと……?ありえん……ありえんぞ!〉
「やべ、怒らせすぎた!」
〈小僧お前は此処で死ね………!〉
「へっ!やなこった!」
〈(攻撃が当たらん、仕方ない奥の手を使うか……)召喚……〉
「あぁ!もうなんなんだよ!シャイとかいうやつもそれ言って光出しやがって!」
〈そうか、シャイもそれを使ったのか、それで負けた……ますます殺したくなってきた……〉
不気味な笑みを浮かべフィスを狙う
「キモ〜……」
〈後悔しても遅いぞ!〉
「(こいつの手に槍が握られてる?!全員同じじゃねぇのかよ……)はぁ……たくバリエーション豊富だこと!」
カブとフィスがぶつかり合うと火花が散った
〈中々やりおるな、流石はシャイを倒した人間だ、あそこに転がってるやつとは違う!〉
「あ……?黙っとけや、兄貴!しゃがんでろ!スキル刹那連牙斬!」
「(なんだ、フィスがスキルを使った途端フィスを中心に見えない斬撃が)くっ…!弟がこんなに成長してるんだ、俺も負けてられんな!フィス!お前もしゃがんでいろ!スキル瞬雷!」
〈ほう……こっちの人間もやりおるな、だが、あの小僧より力もスピードも劣っている、此処で死ねばいい〉
「作ったぞ隙を!」
「サンキュー兄貴!」
〈くっ……!しくじった!(俺がこいつに気を取られている間に背後に回られたか……しかも、トドメを刺そうとした瞬間にだ!攻撃が防げん……負け……る)〉
〈おいカブ〜俺が来るまでは全員始末しとけつったよな〜?〉
目の前にはまた新たな個体が槍と斧を持って立っていた
〈何だ〜この有り様は〜?シャイとタイルはやられるわ、お前は死にかけで、部下も俺の精鋭10体だけ……アクィラ様にどんな面下げるつもりだぁ?〉
〈すまん……ゼド油断しすぎていた、これからはちゃんと戦り合うだから落ち着け、頼む!〉
〈俺は端から落ち着いている………ただ、幹部がやられるほどの実力者が目の前にいんだ!楽しみで仕方ねぇだろがぁ!!行くぞぉ!!〉
「早っ!」
〈ほぉ……やるなてめぇ……頭狙ったの解ってて避けたのか!バトルIQがたけぇやつは嫌いじゃねぇぜ!〉
「そりゃどうも!!」
「すごい風圧………こんな横で俺たちが戦り合うとは、気が滅入るな」
〈うるさい、来い!〉
「そう焦るな、2対1でやるんだ、準備位はさせてくれ」
〈頭でも打ったか?どう見ても1対1だろう?〉
「ダイスさん無事ですか!」
「何この状況!本当に大丈夫なの?!」