第3話 初陣
「おう!やってやろうじゃねぇか!」
「うぅ……怖いですね」
「早く終わらせてやろうぞ!」
「はぁ、面倒なことに巻き込まれたわね……早く終わると良いわね」
〈それでは英雄達……世界を救うため命をかけ戦ってください〉
「あ、そうだった、ゲートに入る前にこれどこにつながってるかだけ教えてくれ」
〈あぁ、そうでしたね私としたことが……行き先はアメリカのワシントンです、そこに、ふり降りてきた敵の中で一番弱い者が居ます、最弱だからといって油断しないように〉
少女はそう言いながら微笑みかけた
「油断?んなもん誰がするかよ!安心しとけ!俺たちがぜってぇこの世界を救ってやる!」
〈本当にありがとうございます……ご武運をお祈りします〉
「おう!それじゃ行くとするか!」
そう言うとフィス達は勢いよくゲートの中へと入って行き数分がたった
「本当にアメリカに来たな」
「だが、これは変わりすぎだろ...」
フィス達の目の前に広がっていたのは地獄と化した、自然と夢だと思いたくなるような光景が広がっていた
「こんな...こんな強大な相手に...か...勝てるんですか?」
そう口にしたあと自然と身震いをし今にも崩れ落ちそうなほどの恐怖に襲われた
「大丈夫だ、俺達はあいつに選ばれたんだ!きっと勝てる!!」
「うむ、同感だ!」
「そう、怖気付くな俺等は仲間だろ!そういや、自己紹介がまだだったな、俺は炎・フィスって言うんだ!よろしくな!」
「そうだったな、名を味方に教えるのは基本だというのに俺ということが...俺は炎・ダイスだ、フィスの兄でもあるよろしく頼む」
「へぇ、真逆の性格をしているのね、私はアル・ゴールよ、フランスと日本のハーフよ、よろしくね」
「ぼ...僕は茂野海斗です...よろしくお願いします...」
「そうか!お前らよろしくな!それじゃワープ装置?とやら探しに...」
フィスがなにか言いかけたときズドォンと大きな音が聞こえてきた
「なんの音だ?!」
「あそこ!煙が立っているぞ!」
「もしかしたらあそこに……いや、どうでもいい!人がいる可能性があるんだ!助けに行くぞ!」
「え、ちょ、待ってくださいよ!」
「何あの兄弟?!足早すぎでしょ!」
「とにかく追いつかないとぉ!」
海斗が一歩目を踏み出した途端その場で派手に転がってしまった
「ちょっ!あんた大丈夫?!」
「大丈夫です……ただ、足が前よりも速くなっててそれに体が追いつかなくてこけてしまって……」
「まさか……あの場所にいたから基本ステータスが上がってる……?」
「それなら、追いつけますね...!」
「早く行きましょ!!」
「...は...はい!」
そういうと凄まじいスピードを出し二人は地獄とかした野原を駆け抜けてきた
「やっと追いつけた!!あんた達早すぎよ!!」
「わりぃ、だが今それどころじゃねぇ...」
「え……何よこれ……」
目の前に広がるのはアメリカの精鋭揃いの国家部隊と、何かわからないが、この世の生物とは思えない怪物達が戦っていた
「おい!こいつら直で大砲食らってんのに倒れねぇぞ!!どうなってんだ!」
「こっちは手薄になりつつある!誰か援護を!」
「こっちも今いる奴ら足止めしてるだけで手一杯だ!」
「だ、誰か助けてくれ!こっちは壊滅寸前だ!!」
精鋭部隊でも歯が立たず悲鳴しか上げれていないこの悲惨な状況をフィス達はただ呆然と見ていた
「このまま見てちゃだめだ!戦うぞ!」
「え、でもどうやって……?」
「今わかるのは海斗と、アルは援護系ってことだ、杖の使い方はおそらく魔法系だろうな……杖は戦っている最中で使い方を覚えるしか無い、問題は海斗が持ってる弓だ、弓は扱いづらい、経験者じゃないと厳しいぞ」
「そこは大丈夫で…す……弓道の腕になら定評はありますので……」
「なら背中は任せたぞ!兄貴!」
「あぁ、行くぞ!」
ダイスがそう言うと二人は目にも留まらぬ早さで敵陣へと突っ込んでいった
「(俺の武器は斧……力任せに振り回して敵を制圧すればいいってことだよな……なら敵が密集してるここを叩く!)いくぞ………おりゃぁ!!」
「……?!急に敵の進行が遅れたぞ!今なら押し返せるかもしれん!」
〈黙れ……下等生物共が、躾のなっとらん奴らが我ら上位存在を倒せると思うな!〉
怪物はそう叫びながら奇声を上げ大きく振りかぶりながら襲ってきた
「なっ!喋っ………ってそんなことよりも防御態勢を………」
「大丈夫か?!何とか間に合ったようだな………」
〈なっ………!お主……我の攻撃を防ぐとは……しかもその武器……まさかあやつの差し金とはな〉
「何いってんだてめぇ?お前は此処でやられとけや!兄貴!頼んだぞ!」
「あぁ!(俺の武器はブーツ一見何かわからんかったがまさか加速するとはな……予想外だった)さぁ!喰らえこの音速を!」
〈?!グハッ!〉
ダイスの攻撃が見事に当たり怪物は徐々に灰になっていき後方にあった石の中に吸い込まれていった
「こいつ、喋るわ他の奴とは違う強さあるわどうなってんだ?」
「うむ、しかもやられたら皆と同じようにあの石に吸い込まれている……妙だな」
「とにかくここら一帯は片付いた一旦海斗達のとこ行くぞ!」
「なぜだ?このまま押し切ったほうが良いのではないか?」
「あいつら後方担当だから負担がでけぇわ、アルに関しては何が出来るかまだ分かってねぇんだ戻ったほうが仲間のためになる!」
「確かにそうか……よし乗れ!」
「いや……乗らなくても走ったらすぐ着く距離だから遠慮しとくわ」
一方その頃ーー
「フィスさん達凄いですね……次々に倒してる……」
「そんなことよりも!あっちの方向押されてるわ!援護を!」
「ち、ちょっと待て下さい!今打ちますから!」
海斗はゆっくり息を吐き呼吸を整え十数メートル離れた場所を狙い定めた
「行きますよ……スキル霙!」
「大分スキルも使い慣れてきたようね!」
「本当に良かったですよ……あの時ちょっとステータスを見ておいて」
「本当よね……」
数分前に遡る
「あ、フィスさん達行っちゃいましたね……」
「そう言えばあの時すごく早く移動できたじゃない?ステータス見ておきましょうよ」
「それもそうですね、えっと、ウィンドウ表示……でしたっけ?」
そう唱えると目の前に大きな透明ウィンドウが現れた
「これが僕のステータスですか……案外低いですね、素早さだけ高いってことは本当に後方担当向きなんですね僕」
茂野海斗様
レベル1
ステータス
攻撃力30
防御力45
素早さ92
頭脳30
魔力50
スキル
霙:本数が一本増える毎に魔力が1ずつ減る
「でも、スキルは強くない?このスキル、魔力は休めば回復するから何分間ごとに撃って休んでって出来るから強くない?」
「それもそうですね...そんなことよりアルさんのステータスはどんな感じなんですか?」
「そうね、私のステータスはと...」
アル・ゴール様
レベル1
ステータス
攻撃力34
防御力67
素早さ29
頭脳65
魔力115
スキル
全天強化:魔力を半分使いすべてのステータスを50〜100まで底上げする
「魔力が多いってことはやっぱり魔法系なのね」
「そうですね、ただ見る限り魔法と言っても攻撃系ではなくサポート系ですね」
「ん〜、サポート系...今海斗君にかけてみるわね」
「え、やり方わかるんですか?!」
「感覚でやらないと今後危ないときに発動できなきゃ駄目だからね!行くわよ...烈火拳!」
海斗の周りから赤色の精霊が回った
「...攻撃力が少し上がったような気がします...」
「効果アリのようね早く反撃するわよ!!」
「はい!!」
「早速、あっち押し込まれて来てるわ!!」
「(早速実践かぁ...不安だなぁ)すぅぅぅ、スキル霙!」
「凄い!!一瞬で蹴散らしてるわ!!」
「これを繰り返していけばなんとかなりますね!!」
現在ーー
「海斗!アル!無事か!」
「あ、フィスさん!こちらは無事ですよ!」
「余裕よ!余裕!あくびが出るほどにね!」
アルがそう言うとフィスは安堵の表情を浮かべた
「そうか、それは良かった...」
「何だ?そんな顔をして、まだ終わってないぞ!」
「そうだったな、俺一人で片つけてくる、お前らはここで待ってろ!」
「え、あ、行っちゃいましたね」
フィスが敵の群れに行き数分後ーーー
「全員方付けてきた」
「案外はやかったな!!」
「あそこに多分だが敵の仮想空間に飛べる石がある早く入ってここを戦地から助けてやろうぜ!」
「うむそうだな!!」