懐かしに注意?
ハンディモップをタコミにいれ掛け声をかける一点。タコミから取り出したハンディモップは黒いハタキに変わる。
一点「タコミちゃん、形状変化ーーハタキ」
タコミ『いいワヨ、 一点』
イカスに掛け声をかける一画。イカ型雑巾がイカスから吐き出される。
一画「イカスくん、サンゴウくん召還」
イカス『イエス、一画。カモン! サンゴウ!』
サンゴウ『馳せ参じまシタ』
羽子板の元へ飛び出す一点。その回りをサンゴウが飛び交い、羽攻撃を防ぐ。一点が黒いハタキを振るたびに羽子板が黒いキラキラした粉を出しながら小さくなっていく。
一点「よし! だいぶ小さくなったな、あともういっちょ!」
一画「油断するな! …… っ一点!」
一点「っ!?」
大きく振りかぶろうとした一点に、突然凝縮された羽が打たれる。タコミが墨幕を張ろうとするが間に合わず、サンゴウも間に合わない。一点に当たりそうになった瞬間、光るものが一点に飛んでいくのを見る佳苗。
佳苗「!?」
一点に当たるギリギリで突然消える羽。一点の前には赤い貝殻が浮かんでいる。
一点「!? ……カイア?」
一画「カイアだと?! 澄香! いるのか!」
カイア『……』
無言で空に飛んでいくカイア。そのさきには上空に浮かぶ澄香。
一点、一画「澄香!」
表情の無い澄香に驚く佳苗。
佳苗「澄、ちゃん?」
誰の呼び掛けにも応えず戻ってきたカイアに目を向ける澄香。羽子板を指差すとカイアが羽子板の中心を突っ切っていく。崩れ出す羽子板。驚く一点、一画。
一点、一画「!?」
カイアが澄香の元に戻ると、澄香の手に小さな黒い玉を落とす。
一画「あれは……」
イカス『墨核デスネ。カイアが的確に取り出したのデショウ』
墨核を握りしめ、後ろを向く澄香。背後には切れ込みが。
一点「待て! 澄香! どこに……!」
一画「あの男の元に行くのか!?」
澄香「……」
二人を見返ることもなく切れ込みの中へ入っていこうとする澄香。思わず声を上げる佳苗。
佳苗「澄ちゃん!」
足を止める澄香だが、振り返らない。その時、佳苗のブレスレットの青い貝殻が小さく声を上げる。
カイシ『す、みか……カイ、ア……』
佳苗「!?」
カイア『!?』
カイアが佳苗の元へ飛んでくるが、ニゴウ阻まれる。小さく声を上げるカイア。
ニゴウ『ダメ!』
カイア『……オニイチャン』
カイシ『…………』
澄香の元へ戻っていくカイア。澄香はちらりと佳苗を見るが、そのまま切れ込みの中へ消えていく。
佳苗「澄ちゃん……」
佳苗(澄ちゃん、どうして、あんな顔……)
澄香が消えた所を見つめる佳苗。一点と一画が近づいてくる。
一点「君、澄香の知り合いだったんだね」
一画「カイシを持ってるし、話、聞かせてくれるよな?」
佳苗「えと、話って言われても……」
タコミ『一点、とりあえずここを出てからお話を聞いタラ?』
イカス『そうデース』
一点「……そうだな。長い話になるだろうし、」
一画「カイシについても聞かなきゃいけないからな」
佳苗を置いて話を進める二人。あることに気づき青くなる佳苗。
佳苗(ん? 今……何時?)
電光掲示盤にある時計は授業開始十分前。叫ぶ佳苗に二人がやっと佳苗を見る。
佳苗「遅刻っ!!?」
一点「ん?」
一画「うるさっ!」
青くなる佳苗にさわやかに笑う一点に、無愛想に言い捨てる一画。
一点「あぁ、学校! 遠い昔だと忘れちゃうねー」
一画「諦めろ」
佳苗「えぇ!?」
二人に腕を捕まれる佳苗。
タコミ『見た目人さらいネ』
イカス『イエス。むしろ人さらいそのものダネ』
いつの間に戻ってきたイチゴウとニゴウ、サンゴウが空間を掃除すると切れ込みが入る。その中へ連れられる佳苗。
佳苗「いや、ちょ、ウソー!?」
全員が切れ込みに消えていく。