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十五話. 喉が痛い。目が開けられない。だけど、、、

死にそうだ。



「どぐガスだ‼ き゛い゛ろ゛い゛ぞ! さ゛わ゛る゛な゛‼」



ゴホゴホ。


どうして僕がこんな目に遭わないといけないんだ。

僕はただ、普通の生活がしたいだけなのに。


ああ、そうだ。毒ガスということがわかるのは良いことだけど、さらなる絶望を与えてしまう

だから、同時に伝えるんだ!希望を!



「ぞどー! ぞどー!」



僕は死ぬだろう。目から涙は止まらず、喉もいたくて、ガスが触れた箇所すべてが痛む。まともに息を吸うこともできない。だけど、中に残る方が確実に救いはない。そう、確実に死んでしまう。あの死ななそうなババアも今回ばかりは死ぬだろう。



「あ゛あ゛、だずがっだー! たあずがっだ!」



ここでこの非常事態により働き出した僕の脳はあることに気づく。僕は助かったと連呼したほうが良いと。まだ中に残っている人は迷ってるのだ。外に行けば助かるかもしれない、だけどそのために毒ガスを通らなくちゃならない。しかも、外に出たからといって助かる見込みもない。そういった意味のない考えを巡らせているのだ。だから、外にいる僕達。その人が言わなくちゃいけないのだ。「助かった」と。外に行けば助かる。外に出れば助かるのだ。だから、逃げてきてくれ!そのドアを開けてくれ!どうか、生き残ろうとしてくれ!



本当に馬鹿な人生だった。こんな状況でも他人の心配ばかりしている。もう、自分は助からないと諦めてしまっている。ここで一番みんなにとって良い行動をとろうとしている。


いや、僕をこんな目に遭わせた犯人に嫌がらせをしていると考えればいいか。みんなのためだとか、そんなのではなくて、僕の個人的な恨みで行動してると考えよう。そうすれば、少しは人間らしい。



人間は社会より個人を優先するものなのだ。全体の利益なんて考えず、個人の、自分の利益を追求するものなんだ。僕は自分の身を犠牲にしてでも外に出てみんなに外が安全とデマを流し、あいつに嫌がらせしてるだけだ。もし、また生まれ変わるときがあったら、、、



「その願い聴いてあげてもいいですよ。そっちのほうが面白いですからね」



















「逃げろー!外に出るんだ!助かるらしいぞ」



はー。まじで最悪だ。必死に追い詰めて逃げられないように準備したのにこれか。


突っ立っていた校長は今が好機と思うとこちらに突っ込んでくる。刀だ。なぜか武装している。俺が見たときには何も持ってなかったけどな。というか、隠せるものでもないし持ち歩くものでもない。



「シッ」



と言うと手に持っていた刀で切ってきた。俺めがけて。いや、なんで俺なんだよ。隣のやつでいいじゃん。そっちのほうが近いじゃん。



左腕を上げて骨で止める。痛覚は機能してる。結構痛い。

てか、おいお前。何、笑ってるんだよ。速すぎて、驚いて、反応できなかったとかそんなわけじゃないからな。ただ、生徒を殺すよりかいいものが得られそうだと思っただけで。



校長は刀が抜けないとわかると手を離し、距離をとる



「あれ、攻めてこないのか?というかこれいらないの?」


「太郎。力を貸せ!」



校長がそう呼ぶと、校長のポケットから緑色の怪物が出てきた。頭に皿。指と指の間には膜があり、甲羅を背負っている。河童だ。



「おいらは何もしたくないけどなぁ。約束だもんなぁ」



河童は口を細めると水を吐き出した。いや、まあ、俺に向かって吐き出されたんですけども。別に水くらい浴びたっていいよ。別に



「毒は効かないか、傷口から入ってるはずだがな。化け物め」



というか、なんか俺の思考が早くなった気がする。曲がりなりにも戦闘中なのにいろいろ考えてるし



「太郎!お前は前衛をしてろ!」


「あいよ」



刀で傷を与え、水に毒を入れてかける。それが効かなかったら、水で濡れた地面の中で有利に戦闘を進める。結構、考えられてるなぁ。神経毒の類も入ってるのだろうか?『個人的な娯楽』に時間を使うよりもこっちのほうが断然良かったな。さて、次は何かな?



校長は手にいくつもの札をもつ。それぞれ違う文字が書かれていることはわかったが、なんて買いてあるかはわからなかった。










場は混沌としていた。生徒たちは皮膚が爛れるのをいとわず外へと逃げ、外では壊れたように音をだす死にかけが落ちていて、近所の人が必死に警察や救急車を呼んでいる。そして、体育館のなかでは未だに校長とそれをサーカスの劇とでも思いながら見ている元生徒。そして、皆が冷静な判断ができないなか、状況を喜ぶモノ。


救急が、警察が、国が事態を知ろうとしていた。

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