偽物バームクーヘンエンド
上記で要素あると書きましたが、基本はNLなのでご了承いただいた上でご覧ください!
「千里くん、ずっとあなたのことが好きでした! 付き合ってください!」
そう俺中津千里に告白したのは、幼馴染の新岡ことりだった。俺は首を縦に振れなかった。彼女には、学校一イケメンの百舌川雲雀と噂があったからだ。
「…ことり、お前無理しなくていいんだぜ?」
「え、何言ってるの?」
「だって俺知ってるんだよ。お前百舌川と付き合ってるんだろ?」
自分で何て突き放した言い方をしているのだろう。俺だって本当はことりのことが好きなのに。でも、仕方ないんだ。彼女が本当に好きなのはきっと百舌川なんだから。しかし、ことりは反論するようにしてこう答えた。
「違うの、千里くん! 私が本当に好きなのはあなただけ!」
「嘘つけ、お前ら下の名前で呼び合ってるじゃんか! 百舌川なんてお前に『ちゃん』付けしてるしさ…」
「彼とは本当にただの友達よ。彼には相談に乗ってるだけで私も彼に聞きたいことがあってよく話をしてるだけ。それに私と雲雀くんが付き合ってるなんてのは、絶対ありえない。だって、彼は…」
「ちょっと! 抜けがけなんてひどいじゃない!」
ことりが何か言おうとしたとき、彼女の言葉を遮るようにして突然見知らぬ金髪美人が現れた。そのとき、ことりは驚くようにして彼女の顔を見る。
「雲雀くん!」
「え!? あれ、百舌川!?」
俺はなぜ彼が女生徒の制服を着て女装しているのか状況を説明してくれとことりに目で追う。すると、ことりは冷や汗をかきながら目をそらす。
「隠しててごめんなさい。雲雀くんね、実はオネェなの…ついでに言うと所謂そっちの人。」
「!? え、じゃあなんでお前知って…」
「一ヶ月前の放課後、日直の当番で帰りが遅くて身支度をしようと教室に戻った時、偶然女装しようとしてる雲雀くんを見てしまったの。それで内緒にしておくのと引き換えにコスメとかファッションに詳しかった彼に教えてもらったり恋愛相談とか乗ったり聞いたりしてたら仲良くなって…だから、私と雲雀くんの関係は、ただの『女』友達ってだけ。」
衝撃の事実だ。でもはたから見たら恋人同士に見えるからそんな噂になってたのか。
「友達だったら何でこんなことしたのよ! ことりちゃんの裏切者!」
「だって雲雀くんの好きな相手が千里くんだって知ったらどうしても我慢できなかったの! 千里くんのDTとVGは私が守るんだから!」
俺が放心している横でことりと百舌川が言い争いをし出した。
えっと…これひょっとして、ハーレムエンド?
というわけで実はハーレムエンドなお話でした。読んでいただきありがとうございます!ちなみに続きは書きません(笑)。
良ければ、こちらのお話もどうぞ〜。
『伝説の大魔王ハデスは、実は森の乙女だったお話』
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