俺の青春ラブコメには幼馴染ヒロインしかいないのかよ
どうも本町かまくらです。
この作品完全に深夜テンションのノリで書きました。
好評だったら連載します。もっとちゃんと書きます。
勢いで生きているかまくらより。
「遅いぞヒロー!!!! 私たちもうゲーム始めちゃってるからね!」
「ヒロ……もう入れない」
「先輩残念ながらこのゲーム四人プレイなんです。あとで私が変わりますから」
「ヒロ君帰ってくるの遅すぎー。まさかどこぞの知らぬ女とデートとか?」
「………………」
家に帰ると、俺の家のリビングで勝手にくつろいでスカブラをやっている美少女が四人。
残念なことに俺の目はこの状況に十年くらいかけて無理やり慣れさせられてしまい、今は驚きもしない。
だがしかし。なぜだろうか。
十年くらいこの光景を見てきたというのに、どうにもイラつくという感情だけは忘れないでいたらしい。
俺、怒り症なのかな?
「お前ら人の家で勝手にスカブラやってんじゃねぇ!」
「もーいつものことだしいいじゃーん。もっと柔軟な発想を持っていこうぜ少年?」
「お前は柔軟過ぎて色々と飛び出しすぎなんだよ。飛び出すのはどう森だけにしとけ」
赤い髪をした、いかにもお調子者って感じがするこいつは春坂愛理。俺の家の右隣に住む幼馴染。とにかくハイテンションで運動神経抜群。しかし何かに属すのが嫌いらしく、放課後は俺の家でいつもゴロゴロしている。そろそろ入場料取ろうかな。
そして常識がない。ほんと、常識がない。でも愛理は引き締まった体と豊満な胸を持っており、さらに美少女なので俺の学校では大人気。学園美少女四天王の一人だ。
ほんと、こいつと幼馴染やってみろこいつにメロメロな男子諸君よ。
毎日ランニング十キロした後みたいな疲労感あるからな?
「ヒロ、静かにして。今私は殺し合ってるの」
「いやお前らがリビング散らかしてるからだろうがぁぁぁ!!! 好き勝手しすぎなんだよ!!」
「あ、あぁ……ヒロが怒鳴るから私死んじゃった……うぅ」
この若干泣き目になっている、青髪のこいつは冬本弓月。俺の家の左隣に住む幼馴染。定期テストでは毎回学年一位を取る秀才。
人と話すことが苦手で友達は少なく、ほとんど俺たちと一緒にいる。しかしこうして口を開けばわがままなことばかり。そしてたまーに無邪気に甘えてくる少し面倒な奴だ。
弓月も清楚系な美少女の代表格として人気がある、学園美少女四天王の一人だ。
しかし、なんだか最近は成長しない胸をとても気にしているようで、こないだなんか俺の家のパソコンで、「胸 大きくする方法 早く」と調べていた。こいつプライバシーとか恥ずかしさとかないのか?
「先輩、まぁまぁ落ち着いてくださいよ。あとで片しておきますから」
「そう言って片付けたことがあるかぁ!!!!!」
「まぁまぁそう怒らず……ね? ここは穏便に、ですよ?」
俺の怒りを鎮めようとする、茶髪のこいつは夏木七海。俺の一個下の高校一年生で斜め右前に住む幼馴染。この四人の中では一番常識があるしっかり者。でもたまにあざとく俺にちょっかいを出してくる。
運動勉強ともに人並み以上にできる才色兼備な乙女。同級生からも好かれているが、特に上級生から好かれている、こちらも学園美少女四天王の一人。
ほんと、七海がいなければこの個性が強すぎる幼馴染たちを制御することはできなかっただろう。
たまに共犯者になるけどな。うんしばいたろか?
「もうヒロったら怒ってばっか。そして叫んでばっか。だから彼女もできないんじゃないの?」
「いや君たち変人集団のせいで俺も一緒で変人ーみたいな扱いされてるからだろ!」
「よかったね私たちと一緒で」
「よかねぇよ!!」
この意外と辛辣なことを言う、なぜかスカートをはかずに白シャツだけ着ているこいつは秋葉佐奈。俺の一個上の三年生で斜め左前に住む幼馴染。この中で一番年上でありながら自由気ままな人。
自由すぎて明らかに着ている服の枚数がおかしい。無防備すぎませんか?
しかし愛理よりもスタイルがよく、何カップあんだよと思わず興味を引いてしまうくらいに胸が大きい。
そして三年生の首席。大人な魅力があり、特に下級生から人気。
こいつも又、学園美少女四天王の一人。
つまり、俺の幼馴染四人全員がもれなく美少女であり、学園美少女四天王。
こんな偶然普通あります?
そしてどいつも曲者ぞろい。学園美少女四天王とか言われているが、陰では変人集団と言われている。
納得ですが。
「あぁもういいよ好きにやっててくれ。俺は夕食を作る」
「カレーを希望いたします!! 隊長! 私は今カレーでパワーを充電したい所存であります!」
「却下、今日はシチューだ」
「いやカレーの義理の弟来たァァァァ!!!」
「黙れぇ!!!!」
そしてこの幼馴染ヒロインしかいない狂った青春ラブコメの主人公である俺、戸塚ヒロ。
正直書くことが思い当たらないほどに平凡なスペック。ただ、両親が海外で仕事をしているため一人暮らしみたいなもんってところだけはバグっておらずラブコメらしい。
ただ、こんな四人と日々格闘していた結果……『変人王』だなんてあだ名で呼ばれるようになってしまった。おかげであまり友達ができません。
なんて残酷な現実なんだ……。
趣味、家事全般。以上俺の紹介。
「先輩ー。今ゲーム終わったんですが入りますか?」
「いや俺シチュー作らないといけないから」
「あっじゃあ私がやっておきますからゲーム参加してきてください」
「で、でも――」
「私もう疲れたんで、どうぞ。あと、これで好感度稼ぎしたいので」
慣れたウィンクを俺にかます七海。
前世はたぶんメイド。
「また俺をからかって。わかったよ。行ってくる」
「はい。シチューは任せてくださーい」
シチューは七海に任せて、俺も戦場へとはせ参じる。
「俺もスカブラやるからいれてくれー」
「おぉついにやる気になったかね! 私と剣を交えるかね!!」
「秒殺してやるから覚悟しとけよ?」
「ヒロ、コントローラー」
弓月からコントローラーを受け取る。
秒殺すると宣言したからには本気でいこうと思い、最近練習したキャラを選択。
いつも俺が負けているが今回は本気だ。俺の本気というものを見せてやろう。
「レディー……ファイトッ!!」
試合が始まる。
すると、俺以外のキャラ三対が一斉に俺に殴りかかってきた。
「ちょっおいおい! なんで俺が集団リンチにあってんだよ?! これチーム戦じゃないぞ!」
「みんな、ヒロ、倒したい。ヒロのとどめを刺した人、ヒロを今日もらうって、さっき決めた」
「俺聞いてないんだけど???」
「そういうわけだよヒロ。今夜は寝かせないよ?」
「そういうのはふざけて言うもんじゃないでしょ!!」
「ヒロは私のもんだー!!!」
美少女三人が俺を奪い合う現状。
傍から見たらご褒美かよって思うが全然そんなことはない。だって俺は本気で勝ちに来ていて、さらにさっき「秒殺してやるから覚悟しとけよ?」って自信に満ち溢れた顔で言ったからなお負けられない。
でも、なんかもう死にそうなんですけど。
幼馴染三人の顔がマジなんですけど。
「とどめだ!!!」
「死ねぇぇぇ!!」
「ばいばい」
「おいこらー!!!」
三人の攻撃が同時に俺に命中し、三機あったのが一瞬にしてゼロ機になった。
秒殺されたのは俺だった。
集団リンチするとかあまりにもひどすぎるだろ。もうトラウマになっちゃうよこれ。
「三人同時だったので今回はヒロの体を三等分にするしかないわね」
「それ残酷過ぎません? というか俺の体なんですけどー。分かってますー?」
「七海、今すぐ包丁」
「君ら物騒過ぎませんか? 女の子らしくパンケーキとか言おうな?」
「パンケーキじゃ三等分できないよーヒロー!」
「あくまでも俺の体を三等分することに変わりはないんですね皆さん」
この恐ろしすぎる幼馴染たちに死を感じた俺は三人から距離を取った。
すると後ろから七海が包丁を持って迫っていた。
「ではそろそろいきましょうか。先輩、来世は優しい女の子に出会えるといいですね」
「急にヤンデレ属性覚醒してる?!」
やばいもうこの幼馴染四人はダメだ。
俺は身の危険を感じ、四人の包囲網を潜り抜けて逃げだす。
しかしハンター愛理からは逃れられず、飛びつかれて固め技をされる。
「ヒローもうそろそろ諦めなってー。私たちからはもう逃げられないんだよ??」
「もう少し幼馴染の俺を労わろうぜ? な?」
「……ヒロ。もう、諦める」
「なんでだよぉ?! まだ死にたくないよ?!」
まだ一度も彼女ができたことないのに。
もし死ぬならばちゃんとした彼女と付き合いたい。ほんと、ちゃんとした。
しかし、俺のそんな夢は、恐ろしい幼馴染が近づくごとに遠ざかっていき、幼馴染が集結してしまった。
「さぁ。これから解体ショーの時間だぁ!!!」
「「「にひひひひ」」」
「いやー!! もうほんとにやめてー!!!!」
俺の青春ラブコメ、なんでこんな幼馴染ヒロインしかいないの?
どうやらこの青春ラブコメの世界、バグっているみたいだ。
少しでも面白いなと思っていただけたらブックマーク、評価、感想お願いします
この物語カオスですよね。うん。僕は嫌いじゃないですので連載はしやすそうです。なにせノンストレスでかける日常系なので。涼風さんは結構ストレス抱えながら悩んで書くんですけど、こういうのって正直何も考えてませんね。なるようになれです。