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No.2の居る学校生活  作者: ジョンセンフン
2/7

No.2 新学期は...

 昨日までの連続での依頼が効いたのか、大事な新学期だと言うのに身体が重い。ベッドから身体を起こすだけでも一苦労だ。

 こういう時に起きるのを手伝ってくれる家族が来てくれると嬉しいのだが......もちろん俺にそんな家族はいない。ただその代わりに......。


「レン! もうみんな先に食べてるからレンも早く降りてきてね」


 同じ寮に住む幼馴染みの玲奈だ。春休みの間は全く会う機会も無かったせいか懐かしく感じる。

 両親のいない俺は住む家も無いので、特別に学校の寮に住む事を許されている。ただ......一つこの寮には問題がある。

 それはこの寮がただの寮では無く女子寮だと言う事だ。俺の通う高校には男子寮が無いので迷惑をかけないという条件で住まわせてもらっている。

 

「お前、部屋に入る時にノックぐらいしらいしろよ。俺がお前らの部屋にノックせず入ったらあんなに大事にするくせに自分達はokかよ」


「そりゃあんたは男子なんだから別に見られて困る物なんて無いでしょ?」


 まるで男子にはナニも付いていないかのような言い分だ。きっとあいつは男子の持つナニを知らないのだろう。

 

 玲奈が部屋から出るのを確認してすぐに俺は制服に着替えた。3週間も着ずに放置していたはずの制服は何故か新品の様に綺麗だった。おそらく誰かが勝手に俺の部屋に侵入してクリーニングにでも出したのだろう。

 それに心なしか何度も掃除したかの様に部屋がピカピカに見える。もうプライバシーなんてあったもんじゃ無い。金庫の中身を見られて無ければ良いのだが......。

 

 ”ガチャッ”


 今度こそ鍵をかけた事を確認し、下のリビングへと向かう。原則鍵をかける事は禁止されているが侵入者がいるんだ仕方ない。もしこれで、また不法侵入されたらドアの鍵ごと付け替えてやる。

 

 俺は下の階に行くために、階段へ向かおうと廊下を歩いていると朝から風呂でも入っていたのかバスタオルを巻いた女子生徒とすれ違った。

 本当この寮の奴らは......俺がいるのを忘れているのか? 取り敢えず見なかったことにしようと思い俺が横を通り過ぎると......。


「”キャーー” 先輩!不審者、不審者です!」


 もう一年も一緒に一つ屋根の下で暮らしていると言うのに久しぶりに会っただけでいきなり不審者扱いとは酷い。

 まぁ誤解を招いたのは俺だ。取り敢えず誤解を解く為、一度謝ろうと相手の顔を見て俺は言った。

 




「玲奈ーー! 知らない女が俺達の寮にいるぞ!」


 全く知らない女が寮内にいた事に驚き反射的に大声を出してしまった。相手の女も状況が分からないのかダンゴムシの様に縮こまってしまった。


「あの......誰ですか? 何で女子寮に男の人がいるんですか?」


「俺はここに住んでるんだよ。それよりお前、誰だよ何でここにいんだよ」


 女は俺の質問に答える事も無く、その場に泣き崩れてしまった。自分から侵入しておいて泣き崩れるとは良い度胸だ。



「ちょっとレン何があったの? いきなり叫んだりして......」


 同じ寮に住む飛鳥が騒ぎを聞きつけやって来た。 

 飛鳥はこの寮の班長なのできっとどうにかしてくれるだろう。だが何故か飛鳥の表情は段々と失望したかの様な物へと変わっていた。

 

「ねぇレン、その子に何したの?」


「何もしてねぇよ。コイツが勝手に俺達の寮に侵入したから俺は......」


「バカ! この子は今年からこの寮で暮らすことになった梨沙ちゃんよ。あんた春休み前にも言ったでしょ、春休み中に新入生が寮に来るから驚かないでねって」


 そう言えば、言っていたような言ってなかったような......。いやそもそも最初に驚いたのはコイツだし俺は悪く無いだろ。


「さっさと学校に行って、あんたがこの寮にいると梨沙ちゃんが落ち着けないから」


「いや、俺まだ飯も食って......」


「早く!」


 班長飛鳥は鷹のような鋭い目で俺を睨みつけてくる。まぁ班長に逆らう訳にもいかない。仕方ないここは我慢するか。

 俺は二人をあとにし下の階へ向かうとリビングの飯には手をつけずに玄関をでた。

 本当これだから新学期は......





 

 

 

 

 

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