朝の音
早々に
目覚めた
さてと
何をしようか
20年前の
CDラジカセの
電源ボタンを
押した
おもむろに
過去のCDを
聴き始めた
以前は
音楽が
聴けない心だったのに
何かが
吹っ切れて
聴くことが
心より
許可されたみたいだ
やはり
女性ボーカリストの
歌声は
心に優しい
大いなる
自然の響きさえ
感じ取れる
心は
満足しているだろうか
ほら
歌声だよと
自分の心に
つぶやいてみた
なんだか
心が
うんうんと
うなづいているような
また今日も
もう一人の自分と
会話を
している自分
声は
聴けないが
調子悪いよとか
調子良いよとか
話してくれるから
ありがたい
この心との
対話だけが
自分を
支える
誰かに
話してみても
知らぬ顔だから
会話は
しない
否定と言う答えしか
反響して来ないからだ
だんだんと
孤独に
なるかもしれない
それでも
心が
痛むよりは
一人の心で
完結したほうが
自分も
うれしいし
心も
うれしいと
言ってくれているようだ
人間とは
摩訶不思議なもの
思考回路のない
私には
到底理解できないもの
理解できないものに
無理に
理解しようなど
疲れきってしまうだけ
自分は
ひとつしかない
クローンでも
いれば
スペアがあるから
多少の無理は
できる
しかし
ひとりなんだから
大切に
自分を
使ってあげないと
すぐに
消えてしまいそうに
なってしまう
だから
心には
無理を
押し付けない
受け入れられる分だけ
受け入れる
オーバーしそうなら
最初から
出来事に
対して
関わらないようにする
ひとつの防御でもある
自分を
守るための
自分を
自分で
守ってこそ
自分の存在が
続いて行く