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"青春を突っ走ろう!"と思ったことが書き始めました。
自分の夢を親に言い出せない子が、自分で夢を掴んで行く過程を丁寧に表現したいです。
暖かな日差しが窓から射し込む。近づいてカラカラと開けると桜の花びらが入り込んだ。今まで桜の花びらが入ってきたことがなかった。珍しい。入ってきた桜の花びらを机の上に置き、真子はリビングに降りた。
1年4組。それが真子のクラスだった。黒板に席順が貼っており、真子は真ん中の列の1番後ろだった。机の上の教科書などを倒さないよう、ゆっくりと座る。
「初めまして!」
突然、声をかけられ心臓が飛び出そうになった。顔を上げると目を丸くした女の子が真子の顔をのぞきこんでいた。
「そ、そんなにビックリした?ごめんね。私は七海!」
ニッコリ笑った七海は手をだした。
「えっ…」
「握手だよ!」
「あっ…」
七海の手は小さく、しかし暖かかった。