俺の平穏は行方不明……
「では、今日は優貴くんと共に帰るのだな」
勝手にカットするなよ。話し進んでねぇよ。
「う、うん。そうだね」
余りにも唐突過ぎて優貴がオドオドしている。
それもそうだろう。俺だってこいつの自由奔放すぎる話し方には付いていきようが無い。ついていくきもないが、話す気があるのか疑問を覚えてくるほど勝手に話を進めてしまう。
「では、せめて昼休みの間くらい、心羅くんと二人だけで話す時間を与えてくれないか?帰りは優貴くんと二人だけの時間を約束しよう。二人でイチャコラするのは自由だからな」
「「なっ!?」」
二人して反応。やっぱこいつは話しがかみ合わない。というより、イチャコラ?するわけねぇだろ。
「な、な、そ、そんなことするわけないじゃない!!」
「ふむ。そうなのか?てっきり優貴くんは心羅くんが好きなのだと思ったが?」
「にゃ!?」
顔真っ赤にするなよ。てか、にゃってなんだよ。というか、その会話を俺の前で堂々と、今までの会話と同じ声の大きさで話してんじゃねぇよ。
クラス中からロックオンされてしまった。特に男子の視線が俺に突き刺さる。分かっている。何でお前なんだと、そういう意味合いだろう。会話中もずっと突き刺さっていた視線の数が倍近くなったが、男子の視線はすでに俺を貫いている。だったら参加して来ればいいだろう。俺は話す気なんてないのだから。
「だから、ぼくと会話している心羅くんを怒ってつい言ってしまった、というところなんだろう?」
「き、聞いてたの!?」
「聞こえないわけ無いだろう。勇気くんは基本の声が大きいのだからな。それにぼくは耳がいい」
「え、ちょ、でも、今言うことじゃないでしょ!」
「今言わずしていつ言うのだ」
「ほ、他の誰もいないようなときに……」
「修羅場か?」
「違う!!」
「お前らさっきからうるせぇよ……二人で話すならどっか行ってくれ」
いい加減耳が痛くなってきたので、いつもどおり外を向きながら、視線なんて合わせることもせず、心をおるつもりで言ってやった。
優貴のほうは、小さな声でごめん、といっていたが、雪下のほうは……
「ふむ、そうか。では行こう」
俺の腕を掴んで立ち上がった、見やれば、弁当はすでに二つとも空。俺は話なんて無視していたから当然食い終わっているのだが、なぜこいつは食い終えているのだろう。喋りっぱなしだったよな。口に者入れていることを説明する文章なんて無かったよな。
「ん?ぼくは相当早食いだと自負しているよ」
うん。つっこむのはやめておこう。傷が深くなるだけだ。




