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憧れのラブコメ主人公のハーレム計画に加担していたけど、クズ野郎と分かったので、次こそは阻止して美少女たちを幸せにしようと思います  作者: 砂糖流
後輩

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41話 過去の夢

「陽菜。神宮寺とはどうだった?」


 先に観覧車から下りて待っていた陽菜に尋ねる。


「超気まずかった」


 分かってはいたが、やはり陽菜たちの観覧車内にはずっと沈黙が流れていたようだった。


 もしかしたら、神宮寺が更生して陽菜に謝罪でもしてくれれば、と思ったのだが、そう簡単にはいかないようだ。


 プライドの問題なのか……はたまた盲目になっているのか……。


 そっぽ向いている陽菜に「ごめん」と謝る。


「今度なんか奢るから」


「うーん……別にいらない」


「なら、どうしたら許してくれる?」


「んー。じゃあ――次は二人でここに来よう。誰にも邪魔されずに二人っきりで」


「……分かった」


 落ち着いた面持ちで見つめ合う陽菜に俺はツッコミを入れる。


「でも、目の前にいる後輩を邪魔者扱いするのはさすがに酷いぞ」


「だって実際に…………」


 陽菜は神宮寺と話している立花さんを見ながら、独り言を呟き始める。


 どうやら陽菜は、立花さんのことが苦手らしい。今日の出来事を思い返せば無理もないか。


 考えていると、二人がこちらへ歩いてきて、立花さんがまたしても指揮をとる。


「時間も時間ですし、そろそろお開きにしましょうか」


 全員が賛成して、今回の長きに渡るダブルデートは終わりを告げることになった。



 最寄り駅で、俺は陽菜と、立花さんが神宮寺と――各々道が分かれることになった。


 「じゃあ」と言って、俺と陽菜が二人に背を向けた瞬間、立花さんが俺たちを引き留める。


「ちょっと待ってください! 陽菜先輩!」


 駆け寄ってきた立花さんは、俺にしたように陽菜へスマホの画面を向ける。


「LINE交換しましょ! そういえば交換してなかったので!」


 陽菜が「いいよ」と言って、二人はLINEを交換した。


 そうして、二度目のお別れをして、完全に陽菜と二人っきりになる。


 先程まで騒がしかった空間が一気に静かになる。


 二人で帰路について、しばらく歩いていると、突然スマホが鳴る。


 俺のスマホじゃない。陽菜のスマホだ。


 陽菜はスマホを取り出して、通知を確認する。


「え。なにこれ」


 奇妙なものを見たかのように陽菜が呟く。


「どうしたの?」


「いや。なんか変なLINEが来たから……ほら、これ」


 陽菜がスマホの画面をこちらへ向ける、とそれが立花さんからのLINEだとすぐさま理解する。


 だが、それ以上に内容だった。


『先輩は私のですから』


 スマホにはそんな一文が表示されていた。


「これって……光輝のことだよね?」


 陽菜は首を傾げながらスマホをしまう。


「あぁ……多分……」


「多分?」


 聞き返してくる陽菜を前に俺は考える。


 俺は今日一日、立花さんを観察して、ある結論にたどり着いた――それは、今日彼女はあくまで神宮寺が好きというていで過ごしていた、ということだ。


 何だろう……立花さんが神宮寺に惚れているようには見えなかったのだ。


 言い方を変えるのなら、神宮寺に靡く彼女の姿が思い浮かばなかった。


 だが、それに反して神宮寺を惚れさせようとしている彼女の姿は不思議と想像できた。


 理由は分からない。きっと以前の望月さんのように、何か神宮寺を惚れさせる理由があるに違いない。


「雄也?」


 と、そこで陽菜の声が耳をつんざく。


「ごめん。ちょっと考え事してた」


「そう」


 何事もなかったかのように、陽菜は前を向く。


「それにしても、まさか立花さんは私が光輝を好きだと思ってるのかな」


 陽菜は続けて「そんなわけないのにね」と付け加える。


 もっともだけど、少し辛辣な言葉に俺は黙り込む。


 すると、陽菜がまた最後に付け加える。


「だって今は――」


 と思ったのだが、なぜだか声が途切れた。


「陽菜?」


 隣を見ると、陽菜は顔を背けていて、唯一視認できる耳が真っ赤に染まり上がっていた。


「何もないから。こっち見てないで足を動かして」


 俺は、陽菜は後ろに目でもついているのだろうかと思いながら、言われた通り足を動かすことに専念した。



 途中で陽菜とも別れて、俺はまっすぐ家に帰る。


 お風呂に入り、夜ご飯を食べてから、今日の疲れを取るためすぐさまベッドで横になる。


 今日はかなり疲れた。明日のためにも身体を休めておかないと。


 何せ、明日は立花さんが神宮寺に告白をする日――未だにどうしてそのことを俺に教えたのか理解はできなかった。


 だが、明日でその理由が明らかになる。


 思考を巡らせながらも目をつぶり、しばらくして俺は眠りについた。


 ◇◇◇


『ありがと……〇〇くん』


 見覚えのある場所で、いつものように給食の余りを〇ーちゃんに渡す。


『大丈夫だよ。〇ーちゃん。明日も持ってくるからここで待っててね』


『うん……ありがと。本当に……』


 土管を背もたれにして、地面に座っている〇ーちゃんの隣に僕も座る。


『家には帰らないの?』


『帰っても誰もいないから』


『そうなんだ。なら、〇ーちゃんが帰るまで一緒にいてあげる』


 〇ーちゃんが『うん』と頷いて、体を震わせる。


 僕は〇ーちゃんを温めるために、体を密着させて、〇ーちゃんが帰るまで一緒に時を過ごした。

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