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憧れのラブコメ主人公のハーレム計画に加担していたけど、クズ野郎と分かったので、次こそは阻止して美少女たちを幸せにしようと思います  作者: 砂糖流
転校生

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27話 二度目の告白劇

 さすがに学校が近づいてきたので、俺たちはイヤホンを外した。


 いつもの校門をくぐって、いつもより騒がしい廊下を歩き、いつもとは違う空気が流れている教室の扉を開ける。瑞希と共に。


 いつも俺のことを見て見ぬふりしているクラスメイトたちが今日は、関心そうにこちらを注目していた。


 否。俺にではなく、俺の隣にいる彼女に視線が集まっていた。


「え? なんで泥棒と一緒に入ってきたの?」


 教室に入った瞬間、そんな声が耳に届く。


「たまたま教室に入る時間帯が被っただけだろ」


 次、耳に入ってきたのはクラスメイトたちの瑞希を心配する声だった。


「七瀬さん大丈夫?」「配信見たよ」


 横にいた俺をまるでいない人のように邪険に扱って。


 そんな時、クラスで唯一俺のことを見ていた女の子からLINEが飛んでくる。


『説明できる?』


 結月からだった。


 説明できることと言えば、精々、


『仲良くなった』


 これくらいだ。


 でも、このくらいじゃ説明不足なのは至極当然のこと。その結果、結月はこちらを訝しそうに見つめてくる。


 俺はその視線から逃げるように、首を横に向けて廊下の方を見やる。


 その瞬間、鬼の形相でこちらに近づいてきていた【彼】と目が合う。


 その彼は俺の肩を強引に掴んで、瑞希と俺へ問いかけるように言う。


「おい。お前たちなんで一緒に学校来てんだよ」


 これはまずいことになった。


 神宮寺の一言で、先程まで目立っていなかった俺へ視線が集中する。廊下で駄弁っていた他クラスの生徒でさえ、こちらを注目していた。


 さっき学校に来たばかりだというのに、俺たちが一緒に登校してきたことは既に周知の事実となっていた。


 隣の瑞希が、不安や葛藤、狼狽と言った様々な感情を顔に出す中、神宮寺はそれに反して怒りの感情だけを顔に宿らせて、俺の顔をジッと睨んでいた。


「ちょっと話があるからついてこい」


 神宮寺は、『これじゃ埒が明かない』と考えたのか、俺と瑞希の手を強引に引っ張った。



 人気が全くない校舎裏へ到着するとようやく手を離される。


 その瞬間、とうとう怒りが抑えきれなくなった神宮寺は、まるで俺が見えていないかのように瑞希に問いかける。


「もう一度聞く。なんでこの男と一緒に登校してきた?」


 その質問に瑞希は堂々と返答する。


「一緒に登校したかったから」


「なんでよりにもよってこいつなんだよ……」


「『こいつ』って雄也くんのこと?」


「雄也、くん……?」


 復唱すると同時に、神宮寺はこちらを鋭い視線で睨む。


 まるで『俺の所有物に手を出すな』と言われているような殺意に満ちた眼差しだった。


「なんで――」


「え?」


 そして次の瞬間、


「なんでこいつなんだよっ!」


 とうとう神宮寺の怒りが爆発した。


「助けてやった恩は忘れたのかよ! 俺が散々困ってるお前を助けてやっただろうが! ストーカーから助けてくれたのは誰だ? なあ! 答えろよ! なんで俺がこんな冴えない男なんざに負けねーといけねぇんだよ!」


 三人以外誰一人いない校舎裏で、神宮寺の聞き捨てならない言葉が響いて、脳を刺激する。


 これ以上は危険だ。神宮寺がいつ手を出すか分かったもんじゃない。


 そう思い、会話を止めようとしたのだが、瑞希が弱々しく反発するように言葉を紡ぐ。


「確かに私は神宮寺くんから助けてもらった……だけど、今の私を作り出してくたのは、紛れもない彼」


 瑞希は一度こちらへ視線を向けて、また視線を神宮寺の方に戻す。


「あの孤独で真っ暗だった部屋に、もし彼が来ていなかったらきっと私はここにいない。学校は愚か、この世すら旅立っていた可能性する有り得る。そんなこと考えるだけでも恐ろしい。でもそうならなかったのは紛れもない彼のおかげ――だから私は、」


 瑞希は再度、神宮寺から俺へ視線を変えた後、


「杉田雄也くん。貴方が好きです」


 妙に艶かしい彼女の視線に、俺は思わず目を逸らしてしまう。


「ぜってぇー後悔するからな」


 神宮寺はそんな状況に耐えかねたのか、捨て台詞と共に「チッ」と舌打ちをして、重い足取りでその場から離れていった。


「…………」


 二人っきりの空間で見つめ合っていると、瑞希から「私たちも戻ろっか」と言われる。


 俺はゆっくり歩き始める瑞希の隣を歩く。


「っていうか雄也くんって私のこと好きだよね?」


 すると、追い討ちをかけるように言われる。


「だって、そうじゃないと炎上した時にいちいち私の家に来ないと思うんだけど? 普通なら『自分も炎上に巻き込まれるかも』とか考えて、私に関わりたくないって思うはずだから」


 確かに、と不意にも納得する。


 俺が何も答えられないでいると、察した瑞希が俺の少し前を歩いて、


「別にいいよ。答えなんて求めてないから」


 最後にこちらを振り返り「今はまだ、ね」と付け足した。

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