赤西アイフォン
「中学生の赤西雄也は、周りがアイフォンを使っている中、自分だけアンドロイドを使っているのを恥ずかしがっている」
「赤西、まだアンドロイドなんか?」
そうからかったのは、同級生の鈴屋だった。
「うん」
私はうつむいて答える。
「はよアイフォンにかえや、周りと違うの、なんか変やぞ」
やはり、俺はみんなと違うらしい。
小さい頃からそうだった。俺は昔から、みんなと違う遊びをし、みんなと違う服装を好む。そのせいで、いじめられることも多かったし、嫌われることも多かった。
そんなことを考えていると、先輩の秋月が声をかけてくれた。
「なんや赤西、悩み事か?」
「はい...」
俺は下を向きながら答えた。秋月先輩もアイフォンで、性格は俺とは対照的にみんなの模範のような先輩だ。
「みんな、俺がアイフォンなのをからかってきて、俺、辛いです。」
「なんで辛いんや」
「俺、小さい頃から人と違って、嫌われやすかったんです。そんな過去を、自分がアンドロイドで、周りと違うことで思い出してしまって...」
雄也がそう言った後に、秋月がかばんの中から何かを取り出し、雄也にそれを渡した。
「この詩、知ってるか」
「なんですか?これ」
「金子みすずさんの、私と小鳥と鈴と、っていう作品が書かれた詩集や、家帰ったら読んでみい」
私は秋月から渡された詩集を、学生カバンに入れて、帰宅した。
(どうせ読んだって、俺の心には響かないし...)
家に帰って、俺は大好きなゲームをし、夕飯を食べ、風呂に入った後、明日の準備をしようと学生カバンの中身を確認しようとした時、秋月からもらった詩集を見つけた。詩集の存在を完全に忘れていた。
(まぁ読んでみるか...)
俺は詩集を読んだ、
―みんなちがって、みんないい―
この言葉を見た瞬間、自分の心が晴れたような気持ちになった。
翌日、俺は秋月に詩集を返した。
「本を貸してくれてありがとう、色々なことに気づかされたよ。」
と、雄也は言った。
その日の放課後、家に帰る準備をしていると、
「赤西アイフォン?」
鈴屋が、からかうように話しかけた。
「いや、違います。自分アンドロイドです。」
俺は自信を持って言うことができた。
―みんなちがって、みんないい―




