はじめまして
_ここはどこだろう...いたっ!?
急に頭が痛くなってきた。
頭痛と共に何か、情報が頭に流れ込んでくるのを感じた。
せいれい...?
今、僕の頭に流れ込んできた情報は"精霊"についての情報らしい。
ようやく頭痛も治まってそっと目を開けると、目の前には6人の人がいた。
この人達からは何か、言葉では言い表せないような、人でないような何かを感じる。
「ようこそ。精霊界へ風の精霊王アネモス。」
中央にいた金髪の優しそうな男の人が口を開いた。
「風の精霊王、アネモス、ですか?僕が?」
思わず疑問を口にすると、金髪の人が
「ええ、そうです。風の精霊王は長らく不在だったのですが、ようやく風の精霊王があらわれたのです。先程何か頭に流れ込んできませんでしたか?」
「あっ...さっきのって、そういう...?」
そっか。僕の名前はアネモスで、女の子。風の精霊王なんだ...
僕は前世、地球で人間として生きていた。その記憶も薄すぎてあまり思い出せない。
「そうです。」
肯定の言葉が返ってくると、ああ、そうなのか。と何故か納得できた。
少し落ち着いてきたからだろうか。
「ところで貴方がたは...?」
ずっと気になっていたことを聞いた。
「すみません。申し遅れました。私は光の精霊王のルミナスです。ルミとお呼びください。私の横にいるのが...」
「闇の精霊王のコアトスだ。コアトスで構わない。」
「水の精霊王のアクアよぉアクって呼んで頂戴〜ネモちゃん、よろしくねぇ〜」
「火の精霊王のイグニスだ。イグでいいいぞ!よろしくな、アネモス!」
「私は土の精霊王のソル。ソルって呼んでね。これからよろしくね、ネモちゃん。」
すごい...全員精霊王なんだ、と思ったのと同時に、いつの間にかネモちゃん呼びされている...と思った。
でも、愛称でよばれるのは嬉しい。
「あ、僕からも改めて。はじめまして、アネモスです。よろしくお願いします。」
「アネモスちゃん、敬語なんていらないわよぉ」
いいのだろうか、少しためらったが皆さんがうんうん、とうなづいていたからそうさてもらうことにした。
「じゃあ、よろしくね、みんな!」
さっき頭に流れ込んできた情報は足りないものもあるとのこと。
特に精霊界については先程のものでは全然足りないらしい。
それからはコアトスとソルは用事があるから、とそれぞれのエリアに帰り、僕はルミとイグ、アクに連れられて精霊界を歩き回った。
思った以上に精霊界は広かった。
精霊界には光のエリアと闇のエリア、水のエリア、火のエリア、土のエリア、風のエリアがあり一つのエリアでも一つの国ぐらいの大きさがあった。エリアごとにそのエリアの属性が表に出ていてそこもとても面白かった。
光のエリアは明るく癒やされるような空間で、闇のエリアは月が綺麗な夜の世界のような空間、水のエリアは水中だけど息ができてとても驚いた。土のエリアは自然で溢れていてすごく落ち着いた空間だった。
エリアにはそれぞれの属性の精霊王だけでなくその眷属の精霊も住んでいる。
みんな仲良く暮らしていて楽しそうだった。
最後に僕のエリアの風エリアへ行くと、たくさんの風の精霊にお出迎えしてもらった。
「おかえりなさいませ、主様。長らくお待ちしておりました。」
「御主人様!はじめまして!おかえりなさいませ〜!!」
「ようやく、主様にお目にかかることができました...!」
本当にたくさんの精霊にお出迎えしてもらった。
みんな僕を、新しい風の精霊王をずっと待っていたようだった。
「はじめまして!これからよろしくね!」