表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/12

第12話 『恋』の終わりと『愛』の始まり

 式典を終えた二人はプライベートルームで夜を過ごしていた。


「旦那様、皆に私の想いは伝わったでしょうか?」


 不安げに呟く彼女の頭に優しく夫の手が触れられた。


「お前は強いな。俺にはもったいない妻だよ」

「そんなっ! とんでもないです!」


 彼女は首を左右に揺るが、途中で動きを止める。

 ふと彼女の頭に夫との出会いの瞬間がよみがえったのだ。


「初めて会った日の旦那様は怖かったです」

「なんだ、いきなり」


 ベッドに並んで座り、二人は話を始める。


「でも、旦那様は私を咎めることなく、傍に置いてくださった。とても感謝しております」


 礼を言ったフェリシアをじっと見たオリヴァーは、突然彼女をベッドに押し倒す。


「旦那様っ!?」

「『恋』をしたい、お前は言った。俺も『恋』をしたくなった。どうだ、『恋』はできたか?」


 顔を赤くして目を丸くしたフェリシアは、か細い声で呟く。


「『恋』しています、旦那様に。今も触れられるとドキドキしてしまいます」

「そうか」

「あの……先に謝っておきます。すみません!」


 そう言うと、フェリシアは体を起こして勢いよく自分の唇をオリヴァーの唇につけた。


「なっ!」


 これにはさすがのオリヴァーも驚いている。


「はあ……はあ……緊張しました。あの、唇を合わせるの……これでうまくできているでしょうか? 私なりに精一杯やってみ……っ!」


 その瞬間、フェリシアの唇はオリヴァーの唇によって塞がれる。

 さっきの優しい触れるだけのものではない、何度も角度を変えて重ねられた。


「んっ……」


 甘く蕩けそうな時間を過ごし、フェリシアはとろんとした顔をする。


「お前が悪い。もう我慢できない。唇を合わせた。それからすることは決まっている。もう逃がしはしない」

「旦那様……」


 オリヴァーは彼女の首筋に唇をつけて、ゆっくりと体を撫でていく。

 そして、じっと彼女の瞳を見つめて言う。


「俺はお前を愛する。異論は認めない」



 机の上には、式典直前に渡されたオリヴァーからフェリシアへの手紙が置かれていた。




『フェリシアへ


 君の傍には俺がいる。

 君は迷わず自分の想いを信じろ。


 来世ではなく、

 今世で俺はお前と共に生きると誓う。


             オリヴァー』


ここまで読んでくださってありがとうございました!

よかったらブクマや評価などをいただけますと、読んでもらった実感が湧いてとても嬉しいです。

もしかしたら後日談はあげるかもしれません。


応援いただきありがとうございました!


<告知>

最新の連載『可愛い子どもの契約母になります!~子育て中の私は、策士な王子様に翻弄されっぱなしです~』も投稿中です!

下部にリンクがありますので、良かったらご覧ください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓ 最新の連載はこちらから ↓
ぷにぷにほっぺの四歳児の契約母になります!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ