第6話 セクシーな唇
「でも明日あたしと一緒に下校してくれるって言うなら特別に見学させてあげても良いわよっ! 」
「一緒にってまるで彼氏彼女の関係じゃないですか」
僕がそう言うと、さらに顔を真っ赤にして軽く僕の頭を叩いてからこう言う。
「はぁ?あたしがあんたと彼氏彼女の関係に?それはありえないよ。勘違いしないでよねっ! 」
「それならどうして一緒に下校してくれたらって言ったんですか? 」
「もう少しあんたと話がしたいって思ったからだよっ」
「そうなんですね。僕で宜しければ良いですよ」
「それじゃ交渉成立と言うことで。あたしは3年の水樹 結衣」
「僕は、2年の桜井 勇人と言います。水樹先輩、よろしくお願いします」
僕がそう言うと水樹先輩は、急にイラッとしてくる。
「勇人、あたしのパンツを見ててそれは無いだろ? 」
「ですが、水樹さんの方が先輩ですし… 」
「あたし、水樹って言う名字嫌いなの」
「どうして嫌いなんですか? 」
「別に今は、どうでも良いだろ? 」
「ごめんなさい…それじゃどうすれば良いのでしょうか? 」
「勇人ってバカなんだねっ! 」
「僕は、勉強も苦手ですからね。それじゃ結衣先輩で宜しいでしょうか? 」
「ようやく分かったんだね。遅すぎだよっ! 」
すると結衣先輩は、いきなり僕の股間を軽く蹴ってくる。
「ごめんなさい… 」
「部活は明日から始まるから、また明日ねっ」
「はい!よろしくお願いします」
僕が結衣先輩に頭を下げていくと、結衣先輩は顔を真っ赤にしながら教室に戻っていく。
僕はこの時、結衣先輩のパンチラシーンが頭から離れなくなっていた。
そして翌日、学校に登校して教室の席に座ると、その隣には何故か顔を赤くしながら、唇を半分くらい尖らせている女子がいた。
僕は、思わずにその女子の唇を見てしまい、セクシーな唇だなと思っていると気づかれてしまう。
「あっ、今私の方を見てたでしょ? 」
「う、うん… セクシーな唇してるって思いながら見てしまいました」
僕が思った事を正直に伝えると、その女子は急に顔を真っ赤にしながら質問してくる。
「他の人には、私の変なところ見られてなかった? 」
「他の人は、みんな誰かと話してたりしていましたから大丈夫だと思いますけど… 」
「と言うことは、私の変なところをみたのは君だけなんだね」
「だと思いますよ。でもどうして唇を尖らせていたんですか? 」
するとその女子は、一冊のノートを取り出しながら恥ずかしそうに話していく。
「実は、私作家部に昨年から入部してて恋愛小説を書いてるんだけど、良いキスシーンが思い付かなくて困ってたんだよ」
「そうだったんですね。それは大変ですね」
「でも私の変なところを見たからには、あとで実験台にさせてもらうから」