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第31話 残業?

「一緒に頑張っていきましょう! 」



 それから僕は、段落が必要と思うところを丁寧に消しゴムで一文字ずつ消していき、結衣先輩は一文字ずらしてコピーした文章を確認しながら書き直していく。


 ちなみに部活が終わったのが17時つまり夕方の5時で、気づかないうちに時間は流れていき、外の周りが全体的に暗くなってきた頃に終了した。



 すると結衣先輩が、軽くため息をついてからこう言った。



「やっと終わった! 」



「結衣先輩お疲れ様です! 」



「勇人もお疲れ様! 」



 そして時計を見てみると時計盤19時30分つまり、夜の7時30分になっていたのだ。


 ちなみに段落の訂正の作業が必要だった箇所は、105ページの中で、100ヶ所くらいあった。



「ありがとう、結衣先輩」



「勇人、今何時? 」



「19時30分ですけど… 」


僕がそう言うと結衣先輩が慌て出す。



「あっ、ヤバイじゃん! 」



「どうしてヤバイんですか? 」



「学校の門が閉まるのが、19時なんだよ! 」



「門が閉まっても警備員の人が校内を巡回すると思いますが… 」



 すると結衣先輩が、イラッとしながらこう言う。



「警備員が巡回してくれるなら、あたしここまで慌てないよ! 」



「もしかして警備員の人いないんですか? 」



「全くいないわけじゃないけど、19時過ぎたら職員室回りを軽く巡回したら、そのまま校舎の鍵ごと閉められてしまうんだよ」



「と言うことは、今現在部室内から、出ることが出来たとしても校舎の出入口が閉まってる状態なんですか? 」



「簡単に言えばそうなるね。今まで個人的に遅くなる事は、何度かあったが18時30分くらいには遅くても下校してたからな」



 僕は、その話を聞いてから素早く結衣先輩に謝る。


「結衣先輩、そんな規定があるなんて知らなかったので、僕のせいでごめんなさい」



 しかし何故か結衣先輩は、さらにイライラしてしまう。


「勇人、なんで謝るんだよ!あたしをイライラさせないで! 」



「それは僕が、定期的に時計を見ていたら、こんなことにはなりませんでしたから」



「どんだけバカなのっ!時間なんて気にしてたら、段落の作業が今日中に終わることなんてなかった上に、あたし寝不足の状態で明日を迎えなければいけなかったんだよ! 」



「結衣先輩… 」



「それに勇人は、あたしの勝手な事情のためだけに妹がいるにも関わらず最後まで一緒に手伝ってくれたじゃない! 」



「それは結衣先輩の力になりたかったので、途中で帰ったりする予定はありませんでしたから」



 すると結衣先輩は、スマートフォンの画面をみながらこう言い出す。



「明日からゴールデンウィークなんだな」



「と言うことはゴールデンウィーク期間中、ずっとここに閉じ込められるんですか? 」



「それは大丈夫!作家部は休みでも野球部やサッカー部は活動する関係上、校舎は明日の朝になれば通常通り開くから」

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