第22話 憂鬱な話
しかし実際は、僕と杏先輩はキスをしたり抱き合ったりしてしまっているため彩奈が、思ってることは決して間違っていない。
そして僕も物語を頭の中で、まとめてから小説の執筆を始めていくのであった。
それから1週間が経過していき、まもなく新年度が始まって2週間が経過しようとしていた。
この日は、学校で全校生徒の身体測定があり、僕たちは全員参加して測定を行う。
それから放課後、作家部の部室に行くと彩奈がいきなり身体測定についてみんなに向かって話し出す。
「そう言えば今日私、身体測定だったけど、みんなはどうだった? 」
すると結衣先輩が真っ先に反応して、ため息をつきながらも彩奈に返事をしていく。
「身体測定あたしは、憂鬱だった」
「どうして憂鬱だったんですか? 」
「体重が前より1キロ増えてたんだよ」
「1キロならそこまで落ち込むことではないと思いますが… 」
彩奈が苦笑いしながら結衣先輩にそう言うと、結衣先輩はさらに落ち込みながらつぶやく。
「あたしからしたら1キロ増えてるのは、大きな問題なんだよ。戸松はどうだった? 」
「私は、0、1キロだけ増えてました」
心美が悲しそうにしながらそう言うと結衣先輩は、羨ましそうに話していく。
「0、1キロってあたしの10分の1じゃない。戸松が羨ましいよ」
すると杏先輩が結衣先輩にこう言い出す。
「別に気にしなくて良いと思いますよ。私なんか4キロも増えてるんですから」
「小倉も大変なんだな」
「大変ですよ!ちなみに勇人はどうだったの? 」
いきなり杏先輩から話をふってこられたため僕は、困っていた。
「いきなり話をふってこられても…僕は、2キロ増えてました」
「私には、体重増えたように見えないけどね。そうだ!今からみんなで、もう1度体重測定だけしませんか? 」
杏先輩がみんなに明るく提案すると、結衣先輩が真っ先に断る。
「いくら部室にも体重あるからって嫌だよっ」
「でも勇人は、女の子の体重知りたいと思いますよ。勇人、みんなの体重知りたくない? 」
「いきなりそんなこと言われても困るよ。そりゃに僕は、昔太っていたから女の子から体重を聞かれて答えたことは、あったよ」
「それでどうだったの? 」
僕は、自分の辛い過去について話していく。
「でもその女の子たちは、僕の体重を聞いても、こっちからその女の子たちに体重を聞いて、教えてくれないだけならまだ良いけど、色んな人に僕の体重を言いふらされた事があったね」
「それって、勇人の体重を聞いた女の子たちが、他の人にも喋っていったって事かな? 」
「そう言うことになるね」
「うわぁ、それだと勇人からしたら身体測定は、すごく嫌だよね? 」
「どちらかと言えば身体測定は、好きではないかな」
僕がやんわりとそう答えると、杏先輩がいきなりとんでもないことを言い出す。




