第17話 出ちゃった
「ありがとう!いきなり他の男子が、隣の和式トイレに入ってきて驚いたんだよ」
「それは確かに驚くよね」
僕がそう言うと彩奈は、苦笑いしながら話していく。
「おまけに男子が個室のトイレに入るって事は、基本的におしっこじゃない方だよね? 」
「そうだね。そう言う時は大きい方だからね」
「私がここにいる事を知られたくなかったのは、もちろんだけど、臭ってくるのにも我慢できそうになったから… 」
「それは男の僕でもきついからね。彩奈のならぜんぜん良いけど… 」
僕が顔を真っ赤にしながらそう言うと、彩奈が再び恥ずかしそうにして抱きつきながら言ってくる。
「な、何言ってるんだよ。私のはすごく臭いよ」
「彩奈のなら僕、大丈夫だと思ってるよ」
「たぶん私のを臭ったら萎えると思うけど」
「僕は、萎えないと思う」
「それじゃ今度、私がおしっこがじゃない時に呼んであげる」
「彩奈、何を言い出してるんだよ! 」
僕が顔を真っ赤にしながらそう言うと彩奈が、泣きそうになりながら言ってくる。
「勇人先輩の反応が見たくなちゃったから…あっ、聞かないでっ! 」
「えっ、どうしたの? 」
すると彩奈のおしりから大きなおならが聞こえてくる。
(ぶっ、ぷぅーっ! )
「あっ、出ちゃった。しかも大きな音で… 」
「すごく可愛かったよ」
「先輩、こんな時に何言ってるのよ!嫌でしょ?こんな私… 」
「嫌なら既に離れると思うよ」
僕がそう言うと彩奈が顔を真っ赤にしながら、すごく恥ずかしそうにする。
「すごく恥ずかしいよ。どうして先輩、ここから離れないの? 」
「それは彩奈の事が好きだし、本当に嫌だと思ってないから」
「バカっ!そんなこと言われたら私、もっと先輩の事好きになっちゃうじゃない。勇人先輩、トイレから出る前に長めのキスしてくれない? 」
「僕から彩奈にキスして良いの? 」
「好きなだけして良いよ」
「分かった。それじゃ彩奈、ちょっとだけするね」
そう言ってから僕は、彩奈の柔らかな唇に優しく長めのキスをしていく。
すると彩奈は、すごく嬉しそうにしながら僕をぎゅっと抱き締めてくる。
僕は、彩奈を完全に一人の女として意識しながら、3分くらいキスを続けた。
彩奈の鼻息は、すごく荒くなりながらも幸せそうだった。
「先輩、すごく気持ち良かった!ねぇ、これからも私の事を彩奈って呼んでくれない? 」
「もちろん良いよ!僕のことも勇人で良いよ。彩奈」
「ありがとう、勇人先輩! それじゃまたトイレで、二人だけで時間を楽しもうね」
「別にトイレじゃなくても良いと思うけど… 」
「ううん。私と先輩が初めて、愛を深めた場所がトイレなんだから、トイレが良いの! 」
「もう彩奈ったら… 」
「えへへっ! 」
彩奈が笑った笑顔は、ものすごく可愛かった。




