第23話 「邪見と幹部VS人間(中盤)」
前回のあらすじ・・・
精霊カードを8つ手に入れたリーア達一同は
契約した精霊同士で日々訓練を重ねて
邪見が襲撃して来る事を待っていた。
そして運命の時だ!
運悪く学校に行っている間に襲撃されてしまい
挙げ句の果てには学校ごと結界に閉じ込めらて
しまった。
豊と創太は人間の精霊使いとして
結界の外に出る事に成功した!!
作戦通り邪見はリーア達が、シェアはイーリスが
フィロスと創太達で分かれて戦い始めるのであった
本編・・・
フィロスと創太が睨み合う姿を見たマイアは
少しこの状況に打開できないか考え始めた。
(私はこの戦いでサポートに徹する事しか
出来ないのでしょうか?
今は創太さんと海の精霊様が何とか堪えてますが
…あのフィロスは只者ではない。
何か策を練らなくては押し切られてしまう!
その為にも私が可能な限り出来る事は
サポートだけでなく……うーんと(焦)
す、少し頭を整理しなくては!!
えっと…相手に取って都合が悪くなったのは
「創太さんが海の精霊カードに持ち替えた事。
私がコンジキの力を使えると情報が入っていない
のは騎士として働いていた
前世の記憶が残っている………」
私の事を把握していなかった理由は
「ローズという国」が無い事を
示唆しているからだわ!!
国によって騎士が一般的に習うものは違えど〜
剣術や癖、戦い慣れた2つの国の騎士として
心得があるから!
でも、フィロスにはもう…その心が無い。
私がもっとコンジキの力を発揮させていれば……)
マイア「創太さん、なるべくフィロスから
離れないようにして下さい!!
距離を取られればこちらの状況が不利になります。
私もお役に立てれるようにサポートだけでなく
頑張ります!(汗)」
あっ、フッ(笑)分かりました。
考えがあるかはともかく離れなければ、
良いんですね♪
「でも、無理はなさらずにですよ!!」はい!
さぁ〜フィロス、やり合おうぜ☆
……んっ!
仕方ありませんね。問答無用で攻撃するのみ
「冷たき氷の矢よ、凍り付きなさい!
アイシクル・フィナーレ!!」
青い光を放つ弓と鋭く尖った氷柱の矢が
無数に現れて住宅街の道沿いに沿ったように
放たれた。
えっ!初っ端からやべぇ魔法撃ちやがって!?
「荒波に呑まれし壁よ、覆い尽くせ!
サーフライド!!」
氷の矢が道沿いに落ちる寸前に波が現れて
凍り付かずに済む代わりに創太は避ける事が
出来ず、服が少しボロボロになってしまう
「あっぶねぇ?!
ありがとなセイレーン、お陰で助かったよ!」
(海の精霊が氷の矢の飛んで行く先を
水で狂わせてくれた)
セイレーン「礼を言うでない」
なっ!?
フィロス(あり得ない!
シェアが所持していた時はサポートなんか
一度も………(汗)
人間にだけその対応か、セイレーン!!
蒼海に何の縁があるかは知らんが…
生かしておく訳にはいかない!(怒)
少し暴力的な感じになってしまいますが、
やむを得ませんね。私をみくびった罰よ?)
「氷の雷のように煌めけ、スカイヘイル!」
キラキラと透明に輝く霰がまるでダイヤモンドが
一つ一つ空から落ちるかのように綺麗だったが、
そんな見た目と相反して肌に触れるだけで
激痛が走った
「イタッ!?なっ!んんっ?はぁ…何だコレは?!
触れるだけで痛みが………(汗)」
んっ!霰でしょうか???とりあえず傘を(マイア)
ニヤけた顔を浮かべたフィロスは創太に
容赦なく攻撃を始めた!魔法ではなく武術で。
頭を狙うと簡単に避けられてしまうので
足元から崩し、体勢が空中になった瞬間!
一気に横腹を蹴り飛ばした。
……!?
創太に何発も蹴りを入れていき、徐々に体力を
削っていく!
攻撃に耐えた所で霰の影響で体を
上手く動かせないでいたのだ!!
フィロス「はあーーーーーぁ!(渾身の一撃)」
くっ!後ろに吹っ飛んだ
マイア「創太さん!?大丈夫ですか(焦)」
あはは……(片目を閉じて)平気平気、俺は。
「あはっはっは(笑)今はまだ強がっていけても
徐々に体力も削られ、先に倒れるのはお前だ蒼海」
(くそ〜(汗)はぁ…はぁ……このままじゃ…駄目だ。
もう少し…後もう少しでセイレーンの力が
引き出せるというのに(焦)
例え足掻いた所で状況は変わらん♪
「………っ!!創太さんは下がっていて下さい!
ここは私がやらなくてはならない事なのです(怒)」
大きな延棒をしまい、懐から小さな茶色の棒(杖)を
取り出して大きな杖へと変化させた。
私を蚊帳の外にさせた事を後悔致しましょう!!
「黒き幻影よ、己の力に溺れたまえ!
ナイトメア」
禍々しい黒い膜がフィロスに纏わり付くが
すぐさま解き放たれてしまう!!
が、これをフェイクであり簡単にかける
分かっていたのかマイアは杖から槍へと瞬時に
変えてフィロスのお腹辺りに振り下ろし、
致命的なダメージを負わせた!
「ぐはっ!……はぁ…はぁ…き、貴様ぁ〜(汗)
ふざけた技を身に付けおって何者だ!!」
はぁ〜呆れましたね。
「この機会に覚えて下さい!
私はマイア・ヴィーナス、
妖精の国の第三国ローズの王女を務めております
まぁ〜紹介した所であなたにとっては、
短い時間かもですがね♪」
何だと!?貴様、私の事をバカにしたか?
「私も昔は妖精だったかもしれないが、
今は立派な邪見様の部下であり魔物でもあります
魔物を甘く見ないで頂きたいですね」
と言った言葉を放つと先程負った傷が
徐々に再生されていき、元通りになった
「はっ!なるほど、この性質が魔物という証だと
すればこの戦えば長期戦になるでしょう(汗)」
ま、マジかよ……まずいな…っ!?
創太が目を逸らし前を向くと足を振り上げて
腕辺りを蹴り飛ばした
一方邪見とリーア・・・
「溢れる滝のように、水の誓い!!」
シャボン玉みたいな丸い水がリーアの周りに
現れて水魔法を操作した。
半分はそのままぶつけて、
もう半分はわざと破裂させ水しぶきの弾丸を
飛ばした!
簡単に手で払われてしまうがその隙を突いて
サラマンダーが瓦を割るような手で遮った。
邪見「おっと!危ない危ない(笑)」
チッ、くっそ〜(怒)抑えて抑えて!!!!!!
わがってるよ!!分かってないよ!?
水「頭でも冷やしてきたらどう,サラマンダー」
はぁ?!
火「お前に言われたくねぇよ!!
大体さっきの事について俺に分かるよう
説明してくれ(汗)」
あら?まだ分かっていなかったの♪
そんな事で苛立っているんだから
まともな戦い方すら頭で考えられなくなって
いたのね。可哀想に〜♡
えっ、ちょっと2人共!?(リーア)
邪見「おやおや…いい気味だね〜」
リーア達から少し離れていた豊が問い掛ける
「あ、あの何してるんですか?!
いま……戦ってるんですよ!
精霊同士で喧嘩なんてしてたら…どうなるか(汗)」
それを聞いたドリアードがこう続けた
「いつもの事よ、豊ちゃん。
だけど、今やらないで頂きたい事には
変わりないわ(汗)
でも豊ちゃんこそ、今は集中だよ!!
私達も戦っているのよ。敵は待ってくれないわ」
だったら……っ!豊ちゃん、前を見て!(木)
あっ!(間に合え、まだこの距離ならいける。
「自然のちか………」ダメ!!)
私が魔法を唱えようとした瞬間、
ソウちゃんに止められたが間に合わなかった。
この後の事は何も覚えていない…
というより私が次に気付いた時には
目を疑う光景だった事を
今の私には知る由もなかった。
バーン!!私は住宅街の石塀に打ち付けられた
リーア「えっ……?ゆた…か???豊!豊〜!!
どうしたのまさか誤爆?!
でも。えっ?ドリアード、あなたも説明しなさい」
(カードの姿から精霊の姿に変えて
少し痩せ細った子供の姿に変わっていた)
ドリ………アード???
木「ごめんなさい。私の力はもう使えない……わ」
えっ!ど、どうして!?
「あなたも…もう分かっているのでしょう。
自然はあの山にしか残っていない事、
訓練の為に使うエネルギーと邪見と戦う為の
エネルギーを全て使い果たしてしまった事を。
本当にごめんなさい、力不足な私は
戦力外になる事くらい分かっていた事だわ」
ま、待ってよドリアードが抜けたら………!!
木「抜けたら何ですか?私は一時的に
役目を終えた。ただそれだけの事よ?
きっと大丈夫よ、あなた達ならきっとね♪」
ドリアード……(涙)あっ。ふん!
それにエネルギーが無くなった原因は
もう目の前にいるじゃない。
えっ?まさか、邪見…が!!
「クックック。アハッハッハ(笑)
ご名答♪いかにも私がやった事だ!
他の誰でもない、この私がな」
んっ!よくも……豊と…ドリアードを
やってくれたわね!!
「もう、許さない。あなただけは絶対に!」
………(住宅街を眺める水の精霊)うふ♪
「サラマンダー、時間よ。協力して下さるのよね」
はぁ?さっきまで喧嘩した仲で協力して
堪るかよ!!
「協力なんかねぇ〜それはどうかしら♪
あなただってこの状況を何とか打開したいと
思ってるんじゃないの?
なら、先程のドリアードの言った
賭け引きにもちゃ〜んと応えるわよね♪」
賭け引き???何のこと……だ。
(水の精霊は目線で何かに訴え掛けている様子)
んっ?邪見を眺めて…しばらくするとハッ!
と何かに気付いたのだ。
あっ、なるほど………良いな、乗ったぜ(笑)
火「責任を取って貰う為にもこの賭け引きに
参加せざる終えないよう理由が出来た!
良いぜ、ウンディーネ!!」
うふ♪考えれば分かってくれるじゃない。
欲を言えば、もう少し早く気付いて欲しかったわ
がみがみうるせぇな!気付いたから良いだろ!?
「ほんじゃ〜リーア悪いけど、一度だけ指示は
無視させて貰う…文句は言うなよ☆
……えっ、何するつもりなの?!
「精霊の底力っていうものを見せる時だな!
良いよな、ウンディーネ?」
聞かずともあなたは分かっていたでしょう(笑)
まぁ〜な☆(青年の笑み)
水「胸の鼓動に高鳴る心音よ、共鳴なさい!
泡沫パヒューム!!」
火「混沌に絡み付く丹青の炎よ、解き放て!
フレイムクロス!!」
(水色のオーラを放つ)
ウンディーネの魔法は住宅街丸ごと
飲み込みそうな大きな泡が現れて
とてつもない速さで水のドームの周りに
エフェクトが掛かり突進した!
(赤色のオーラを放つ
サラマンダーの魔法は赤い炎と青い炎を
2つに分離させて交差するように
ウンディーネの魔法と合わさった。
邪見もコレに対応しようと地の魔法を使った
「黒き英雄よ、地の果てからその姿を現せ!
ダークゴーレム!!」
中位のゴーレムが邪見の前に立ちはだかり
重たい手を前に突き出して2体の精霊の魔法を
受け止める………事が出来なかった。
ハッ!チュイーン…バーーーーーン!!!!!!
そして邪見が居たであろう場所に火柱が立つ
(黒い煙が消えて空き地には大きな穴が
空いて周辺にあったはずの住宅街は
全てが「がれき」だけになり落ちる)
ガシャン。
「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……」
2体の精霊は酷く疲れ果てていた!
溢れる汗を腕で拭くサラマンダーと
両膝を曲げ座るだけがやっとのウンディーネ。
リーア(普段から精霊同士が協力を
結ぶ事なんてペアのみなのに。
そのペアと力を合わせるのが普通だけど……
あの2人は正反対であり、ほとんど口を聞かない。
精霊との相性が合わなくては協力する意味が…
それなのにあの2人はぶっつけ本番で協力なんて
リスクが大き過ぎるのに(汗)
ただでさえ、均衡が崩れれば豊みたいに
誤爆してしまうというのになんて無茶を!)
「これで終わったの…かな?」ガガガッ!!
………えっ?う、嘘……でしょ?だって!
あんな魔法を食らってもあの振る舞いなの?
目を疑うような光景に3人は固まった。
なぜならボロボロな姿で尚、
膝すらも付いておらずただ前を向いて
仁王立ちをしていた!
邪見「貴様ら、私に一体何をした?
まさかこのくらい傷を付けただけで
私を倒したと思ったのかい?(笑)
フッフッフ……アハッハッハ。
はぁ〜思い上がるなよ精霊も妖精もな!!」
邪見は地の精霊の力を使わずに
自らの力を使った
「この世界のありとあらゆる万物を私に、
破壊の力を………クロノス!!」
巨大な赤黒いブラックホールが
皆んなへ学校の方へと放たれようとしていた。
あっ!
一方忘れ去られている若奈とソイル・・・
2人は家ではなくどこかの裏庭のような場所に
何か作業をしていたようだ
(ソイルの体からは橙色のオーラを放ち、消えた所)
若奈「これで私達の仕事はもう終わったね!
さてと、早く戻りましょうソイル♪
入れ違いになってはいけないわ」
そうだね、若奈。んっ?
ブーーーン(車の音がした)
んっ?この音は………まさか♡
見慣れた青い車が若奈達の前に止まると
車の窓が開く(顔は見えない)
若奈「はあ〜久しぶり、元気にしてた♪うふふ」
???「うん。若奈こそ最近、良い事でも
あったんじゃない?
あの時の君より今は何倍も嬉しいそうだね」
だってあなたに会えたんだもの。
嬉しい以外の感情がどこにあると思ってるの♡
目を細めるソイルは車を睨む
「話ならこの戦いが終わってからにして
……じゃないと最悪な事が起きても知らないから」
???(汗)
「なんで、君だけにそんな事を
言われなきゃいけないのかな???
まぁ、長話をするよりはマシか〜
あの人は今どこに居るんだ?」
マイアちゃんの方よ、学校の先生に
扮した魔物と戦っているわ。
創太くんも一緒だから早めに行った方が
いいかもしれない!
行くなら気を付けてあと、私の許可なく
車を使わないでっていつも言ってるでしょ!!
「今は仕方ない。緊急事態なんだからさ(汗)
とりあえず僕は向かうよ!若奈は豊の所に。
僕もあの人と合流できたらすぐ駆け付けるから」
うん、分かった♪
「あなたも気を付けなさいよ!!」
若奈に手を軽く上げて窓を閉め、マイアの所へ
じーーー。
若奈が土の精霊の顔を覗き込む
「んっ?どうしたのソイル、
もしかして,また嫉妬でもしちゃった♪」
プィッと顔を背けてから少し沈黙した
「………早く向かおう、僕達も間に合わなくなる」
若奈(あら?拗ねちゃったかしら♪)
一方シェアとイーリス・・・
聖剣を拾い上げてシェアに剣の先を突き立て
攻撃を始めた!!
カキン!カギン!カチン!!………カキン!
連続で肩見掛けては交差し、距離を取る
という動きを見せて戦った!
ハイレベルな戦いに早くも2人は
「はぁ…はぁ……」息切れをしながらも
イーリスと真正面から剣で打ち合う中、
フィロスと同じ黒紫色の薔薇の棘と
つるが絡み合ったカードを使った
「水を纏い、切り刻むのです!水刃!!」
シェアの剣には水を纏い、先程の剣の速さが
倍以上に変わった!
それでも尚、速さは違えどイーリスは
喰らい付いて行った
「風を纏い、吹き飛びなさい!風刃!!」
緑色の風が剣に纏わり付いて剣同士が
ぶつかるごとに相手をノックバックさせる。
両者共に剣にだけ魔法を付けるだけで
他は何もしなかった。
ただ、自分の剣術が上だ上だと意地の見せ合いを
しながらも距離を取り続けた!
はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……
(別の空き地では2人の息切れする音だけ)
バーーーン!!んっ!何かしら?!
「フホッホッホ。
今の音は邪見様のお力でしょうね〜
君のお仲間には悪いですが、
我らがこの世界を支配する計画には
一歩前進のようです!!(2体の精霊の力)」
ふん!あなた何かにその計画に携われる程の
実力を持っているのなら
私をとっくに倒しているはずよ!!
「それでも私はあなたに負ける訳にも
後悔するよりも…シェアを助けます!」
(剣の取手を握り締める)
そうですね〜確かに私はお姫様を簡単に
倒せられる程の技術は魔法と剣術だけです。
私はもう歳ですからね
「んっ!それでも私はあなたを助けたい!!
助け出すんだ。昔の仲間を………」
黙りなさい、それ以上私の昔話はよしなさい
と言ってシェアはイーリスからかなり離れた
「波立つ水の流れよ、氾濫を起こすのです!
ジャッジメント!!(力強い声)」
剣を一振りした後から波がイーリスを襲った
「風に誓いし栄光よ、神から授かり力で打ち勝て
エアロサイクロン!!」
旋回しながら細剣を回し剣先を波に放つと
遠心力の勢いで空き地を覆い尽くす波が
一瞬にして消えた(飛び散った水が綺麗だ)
欠かさずイーリスは消し飛ばした波と同時に
走り出し、シェアの元へ喰らい付いた!
ガジン!!
2人「私は邪見様の為に負ける訳には
いかないのです!
私だってこの戦いに勝ってシェアを
取り戻して世界…救うんだから!!」
お互いに距離を取るという選択をせずに
剣だけで押し切ろうとしていた。
またもや意地の見せ合いかと思われた戦いに
蹴りを付けようとシェアが動いた
剣を片手で食い止めながら服の裏ポケットに
手をやり、カチッ!と音を鳴らして取り出した
「んっ?………これは?!」と気付いた時には
交差した剣とシェアに腕を掴まれて
身動きが取れずに居ると時間が来てしまった
「爆ぜろ、圧縮ボム!!」
ピカーーーン…ドドドーーーン!!!!!!
ほぼほぼ捨て身の覚悟でシェアは
自爆のような選択を選んだ
(片手は吹っ飛んだが、ギリギリで避けていた)
規模は小さいが爆発の威力だけは空き地に
底が見えない程だった!
空中で飛ばされながら目をうっすら開けた
「……ぁっ。私、負けてしまった…のね………
最後まで助け…たかったのに」
バーーーン!!(石塀にめり込む)
シェ……ア(涙)フラッシュバック・・・
(150年前の事。
今のイーリスはツインテールでクールな子だが、
昔は短いストレートでいつも花の冠を付けており
その容姿からは国一番の美少女として有名だった)
お城に画面がいってある所に行こうと歩いている
イーリスが居た。
途中で深黄緑色のポニーテールで朱色の瞳をした
メイドさんと合流して一緒に向かった
幼いイーリス「エリーちゃん、私今日はね〜
早起きしたんだ!だから母上とお話して来よう
と思って今から行く所なの♪」
左様でございましたかお嬢様。
丁度、クッキーが焼けた所だったので
お嬢様もご一緒に食べますか?
うん☆食べる!やった〜早く行こう♪
慌てなくても女王様はいらっしゃいますよ!
は〜い♡
そうでしたお嬢様、シェアから聞きましたよ
「魔法の勉強はまだまだですが、
剣術に関しては騎士団にも匹敵する実力だと
褒めていらっしゃいましたよ♪」
えぇ〜じぃじが!?それホント???
勿論ですよ。こんな所でお嬢様に
嘘付く意味などありませんもの♡
「じぃじがそんな事を……そっか〜
お城の中、歩いてるとよくじぃじと遭遇するから
その度に剣術のお勉強をしてるんだよ♪
魔法もいいけど、剣術だけは物凄い好き♡
じぃじに後でお礼言わないと!!」
何と素晴らしい!流石、お嬢様です。
なんだかんだメイドさんと
微笑ましい話をしながら王室に着いた
「コンコン、失礼いたします女王様!」
扉を開けるとエリーより先に部屋の中へ入った
母上〜おはようございます♪良い朝だね♡
アイリス「あら、おはようイーリス。
今日は早いのね♡良い事でもあった?」
うーん、強いて言うなら剣術が楽しい事かな!
あら?うふふ♪そう、それは良かったわ。
女王様、お嬢様、紅茶お淹れ致しますね!!
やった〜母上も一緒に食べよう♡
そうね……少しは休息も必要よね(汗)んっ?
じゃあお願いするわ、エリー♪はいっ!
しばらく娘といつも通りの話をしながら
楽しいひと時を過ぎていくと
シェアとの剣術の時間になってしまった。
「それじゃあ母上、私剣術の授業受けて来る!」
えぇ〜楽しみながら励んで来なさい♪は〜い♡
ガチャン・・・
イーリスが去ってすぐエリーはアイリスの下はへ
「女王様、先程から体調が優れないようです。
またお仕事でご無理をなさったのですか?」
い、いえ…仕事は順調に進んでいるわ。
休む頻度も均等に変えてみましたですが……
今日は朝から体調が優れないだけだから(汗)
「女王様、メイドの私が言うのも何ですが…
休むだけでなく心配のせいで体に負荷が掛かって
いませんか?」
……っ!!やはり、そうでしたか。
もう、エリーには隠し通せませんね(汗)
「えぇ〜私はイーリスが強がって剣術を
楽しいと言ってるとずっと思っていまして。
私は逆に剣術とは縁のないものでしたから…
見に行きたくてもその事実が正しかったと
したら……どうしようかと思って
ずっと悩んでいました(汗)」
そう言う事でしたか………
「では、今から見に行きますか?えっ!
私はお嬢様の気持ちを知っていますし、
丁度私もお嬢様の剣術姿を見てみたかったのです。
どうしますか女王…いえ、アイリス様♪」
……分かったわ、行きましょうエリー!!
はいっ!
シェアと訓練・・・
「では、どれほど前回の記録を超えられるか
実力テストを行いましょうお姫様」
うん☆よろしくお願いします!!
(木刀を片手に持ち、集中する2人。
再びを目を開けば目付きが変わっている)
「行きます!」というイーリスの一言で始まった
やぁーーー!!(叫ぶ)
イーリスは横から斜め左から木刀を振るうも
シェアには効かなかった。
軽く最初の攻撃を弾き、
2回目では思いっきり弾き返されてイーリスは
均衡が崩れて迫り来る!
「わっ!?…あわわわ(汗)」
尻もちを付く所、右足に力を加えて畳み
シェアの攻撃には当たらずに済んだ。
足を前に出して後ろに下りシェアから距離を取る
(ここでアイリスが観に来る)
「はぁ……スゥ〜」息を整えて木刀を傾ける。
青色のオーラが木刀から放たれてから
シェアも同様に緑色のオーラを放っていた!
2人「水刃!!風刃!!」
斬撃が放たれて2つの魔法が衝突した………
が、威力と強さが違い過ぎて衝突した反動で
イーリスの攻撃は消え風刃を喰らった!!
……んっ!んんっ?(重い瞼を上げる)
シェアのシールドで守られていた。
あっ!
「いや、お見事でしたよお姫様(笑)
前回と引き続きいい立ち振る舞いでしたぞ」
えへへ♪少しだけだけど進展はあった!!
やった〜♡ありがとうございます、じぃじ☆
いえいえ、これくらいお姫様の為ですから
パチパチパチパチ(2人の拍手)
「えぇ〜良かったわイーリス。
成長してて私も嬉しいですよ!」
母上!?それにエリーちゃん♪(カクン)
まぁ〜な、何でもない…です。あはは………
「私は前の成果がどれくらいかは分からない
けれど、魔法の方は努力次第って所よね」
はい。その通りでございますアイリス様♪
「ちょ…ちょっとじぃじ、それは言わない約束」
あぁ、失礼致しました(焦)もう〜(プク)
フホッホッホ(笑)うふふ♪母上まで!?
あら、ごめんなさいね。うふふ(笑)
「ムッ!!(恥)良いもん!
今は笑われてもいつか絶対勝つんだからね!!
じぃじが騎士団を引退する前には☆」
いやはや、それはどうですかね〜(苦笑い)
何でよ〜!
フラッシュバック・・・
(これは引退なんかじゃない!!
目を覚ましてよ……お願い(汗)
迫り来るシェアはイーリスの元へ歩いて行く
一方マイア達は・・・
霰によって動きを制限された創太は
フィロスの攻撃を受け続けていた。
あはっはっは(笑)
笑い狂うフィロスの隙を見つけて魔法を使う
十字星を描くように手を縦に引いて横へ
創太「水斬の剣」
水の形をした原型のない剣を槍のように
一回転させてから水しぶき纏いながら
フィロスに振り下ろす!
あっ!簡単に避けられてしまうが電灯の上に
逃げて、汗を掻いていた
「チッ、まだ戦える体力があるとはな………
私の攻撃をずっと受けたのは私の体力を
消耗させる狙いか?」
そう聞くと創太は「えっ?」と声を漏らす。
んっ?違うのか?(そんな空気が一気に薄れる)
創太「えっ…あぁ〜そ、そうだよ!
俺はその為に攻撃を受けてたんだよ。
あはっ……あははは!!
(ただ単に俺が鈍いだけでこっちは大ダメージだよ
でも、本当に疲れてるみたいだな。
それなら結果オーライってか?)」
創太は水の剣を弓に変え、
電灯の上にいるフィロスを狙った
簡単にシールドを貼られて攻撃が出来なかった
フィロス「仕方あるまい、次は魔力が尽きるまで。
と言っておくが私は邪見様によって
魔力量が強化されておるからな〜
魔力だけは無限大かもしれないわね(笑)」
へっ?!
「煌びやかに降り注気ぎ、動きを止めよ!
アイスフォー………す?」
んっ?……なっ、何なのコレは!?
魔法の詠唱を終える直後に使用できなくなっていた
「なっ、何でよ!!私の力が…?!」
フィロスの言葉に反応した???がこう言う
「貴様は一体誰だ。余の力を欲する者よ?」
……っ!なぜ、お前が起きているんだ!?
?「なぜって♡うふふ。
余が起きてさぞかし困惑しておりますね♪
あなたのお陰ですぞ女よ。
余を眠らせてる間に私の力を使って
この世界を支配する目的すら知っていました(笑)
はぁ?!
でも残念ながら余を眠らせた事により
余の力が元通りに回復までさせてくれた事を
心より感謝しましょう。
ですが……あなたはもう、用済みです♪
消えなさい(笑)」
ひぃっ!カチカチバリバリバリ(氷の音)
ハッ!?こ、これ………って!!
(手からジリジリと白く凍り付いていく)
???「あなたが余の力を欲した罰ですよ。
凍り付くだけありがたいと思いますがね(笑)」
やめて…それだけはやめて下さい!!
どうか命だけは(汗)
うーん、そうですね〜分かりました
「では!こうしましょう♪
・このまま凍り付きながら命乞いをして
切り刻まれるか〜
・余の名を答えて契約をするか選べば良い」
えっ………(涙)んっ?どうしましたか(笑)
「余の名前を言うだけではないか?
ほらほら〜早くしないと全身氷付けになりますよ」
……っ!!
(この時、フィロスは絶望した。
得体の知らない化け物に命という天秤へと
掛けられ圧倒的不利な傾きに)
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………
「あらあら体調が優れないようですね?
でも、もう少しで楽にいけますから平気ですよ。
心配ありませんから♪」
何とかしてフィロスはこの恐怖から
逃れようと自分を傷付けでも脱出しようと
無理に凍り付いた手を動かしナイフを取った
あっ(この時、思ったより手を思い通りに動かせ
ナイフを取って安心したのが束の間だった)
???「あらあら〜こんな危ない物、
隠し持っちゃ駄目ですよ(手を叩いた)
余の力を無断で使った罰を忘れないで
欲しいですね〜(笑)」
あっ……あぁ…ぁぁ………(絶望)
「さぁ〜もう少しですよ。頑張りましょう♡」
(上半身まで凍り付いてきた)
ああぁぁぁ〜〜〜!!
その様子を間近で見ている2人。
手で覆いたくなるような光景が
もうすぐ訪れると誰もが思ったその時だった!
???「セルシウス!!」
……んっ!あら♪(目が和らいでいた)
創太達から見て左の石塀と石塀の間から人が
出て来たのです。
それを見て創太ば「えっ!?いや、でも何で!!」
あの方を知っているのですか創太くん?(マイア)
えっ、いや…知ってるも何も……あの人は。
???「やぁ、久しぶりだねセルシウス。
また君に会えて僕も嬉しいよ♪」
セルシウス「まさか貴殿にまた会えるとは
余も思わんかった。
改めて会えて嬉しいですよ………良太♪」
ふん。そうだね(笑)