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魔法使いの妖精さん  作者: 白百合リーフ
20/25

第20話  「海に眠る姫と沈む蒼」

これは3人の妖精達がカラスによって

巨人の世界に連れていかれた後、

若奈たちは何をしていたのか?

妖精と会うまでに何が起こっていたのか、

見てみましょう!


うふふ♪ふふ〜ん(鼻歌)

「さてと、かなり作るのに遅くなっちゃったけど

可愛く作れて良かったわ〜

それに今では3人も居るから作り甲斐があって

凄く楽しい♡」

楽しそうな若奈に水を差すかのように

家の中から「カァカァカァ!」という

カラスの鳴き声が聞こえた。

若奈「えっ、カラス?

でもどうしてカラスがこんな間近で

聴こえるのかしら???」

精霊カードが飛び出してソイルに変わり、

若奈の肩に座ると「静かにして若奈!

上で何かが起きてるみたいだ(汗)」

慌てて言い出した。

……えっ!でも、上にはリーアちゃん達が…

「分かってる。

でも、今鳴いている鳥からただならぬ魔力を

感じ取れるんだ!!

若奈、少しずつ…ゆっくりでも良いから

鳥が居る方に寄って欲しい!」

わ、分かった(汗)どこに居るの?

若奈の娘さんの部屋、つまり窓際に居るよ。

窓際……!?


「じゃあ庭からね」と言って庭の地面に足を

踏み込む瞬間に、ソイルが何かを感じ取った

「あっ!若奈、伏せて!!」…えっ?

若奈の腕を掴んで部屋の中に飛ばした後に

左手の拳を握り、右手では左手首を掴んで

めいっぱい握る拳を締めて手の平を開いた。

手の平には二重三角の紋章が浮き出ており、

その手を突き出した!

すると、庭の土が壁のように迫り上がって

何らかの攻撃を防いだ。

イタタタ(汗)大丈夫かい、若奈???

「う、うん!何が起こったのか分からないけど、

ありがとうソイル♡

その見た目からじゃ想像つかない力を持ってた

お陰で助かったよ♪」

うん(笑)そう言って貰えると嬉しいよ若奈。

優しい微笑みを浮かべながら若奈の手に

触れる。

(小さな手なのに私を起き上がらせてくれる)


石塀に止まったカラスがこちらを見ていた

ソイル「誰だか、知らないけどさ!!

若奈に危害を加える奴なら容赦はしないよ」

若奈(あっ……うふ♪久しぶりだな〜

この感じ。本当に凄いと思うよ!

「私の小さな英雄さん♡」)

カラスから野太い声を出してソイルにこう言った

???「そこの精霊は何を望んで今がある?

契約は遠い昔に剥奪され力も無いのに

何故(なにゆえ)、精霊が人間と(じゃ)れ合っている?

いい加減、目を覚ますのだ!!土の精霊よ」

ソイルの目元が暗くなってから

後ろを振り返って若奈を真っ直ぐ見た。

(あの眼差しは!)

若奈「うふふ♪おいで、ソイル私の所に(笑顔)」

と両手をくっ付ける素振りを見せた事に対して

少し微笑んでから若奈の手の平に座った

ソイル「人間と交わって何が悪い。

世界の均衡を保つ為に繋いだ運命共存体で

人間と(じゃ)れ合いだと?!

僕が選んだ道に口出ししないで頂きたい。

僕は若奈と会って変われた!

それはお互いに想い合って同じ事が言えるだろう。

ルーナ様だって同じ事を言うはずだ!!」

その言葉を聞いた若奈は響いた

「………ソイル(涙)」

若奈の涙が落ちる時、ソイルは力を解放させる。


それは手の平の二重三角形の紋章と目の色、

体から湧き出るオーラが黄色く光る

「決して敵わない相手だとしても

僕はこの身を削ってまで

若奈を守ると誓ったんだ!!」

(体は決して大きくはならないが、

かなりの膨大な魔力で自身を包み込んだ!)

ソイル「何か言い残す事はあるか?」

………敵意むき出しの土の精霊を見て

カラスは若奈の方を見て喋り出した

???「若奈よ、先程巨人の世界に妖精を

送らせて貰った。えっ?

巨人の世界に行かせた理由は2つある。

一つは精霊カードに頼り過ぎた妖精と

自分勝手な妖精と自信と勇気の足りない妖精を

成長させる為だ。

そしてもう1つは

巨人の世界の出口は人間界の那皿の新海という

名前の所へ妖精は向かうだろう。

そこで、海の精霊を獲得せよ!!」

と言ってバサバサ羽根を鳴らして飛び去った

あっ!?待ってリーアちゃん達は無事なの!

………あら?もう、居ない(汗)

「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…」

フラフラになっている土の精霊を見た

若奈「ソイル、大丈夫!?

こんな場所で力を解放させては駄目よ!!

待ってていま、鉢植え持って来るから。

はい、しばらく休みなよソイル(汗)」

……駄目だ。

ソイル「例え、はぁ…ドリアードが蘇らせた大地

でもその根元から離れては土もいずれかは

朽ちて枯れてしまう!」

そんな事、言ってないで入ってよお願い(涙)


遠くの方から鳴っていた音が段々と近付いて来る

スピーン!ブン!!カチッ!ブォン!!

んっ?何の音???(枝と何かが擦れる音)

すると、若奈の目と鼻の先にカードが

寸止めされてポンッ!!と小さな音を立てた。

そのカードは木の精霊だ

「キィちゃん!?どうしてここに?(涙)」

若奈、ソーちゃん…どうしたの(汗)

……うーん。なんて言ったら良いのかな〜

「カラスが突然、喋り始めてソイルも

本気で戦うつもりでいたみたいだったけど(汗)

海の精霊の居場所を教えてくれたのカラスが!」

んっ?セイレーンの居場所を教えたなの???

あと、キィちゃん!!リーアちゃん達が………

「なるほど。

その精霊が誰なのか分かってはいたけれど、

ソーちゃんはかなり重傷ね(汗)」

どうしたら助かるの!?キィちゃん!!

私、どうしたら良いか分からなくなってしまったわ

ソイルは助かるわよね?!ねぇ!

落ち着いてわか……

落ち着いてなんかいられないわ!!

(んっ!………力が!?)

あっ、キィちゃん…邪魔しちゃってごめ(我に返る)

……んっ?どうしたの???

木「ごめんなさい。若奈、どうやらあなたに

信用されていないみたい」

えっ?それって……治療が出来ないわ(汗)

そんな(涙)

ドリアード(私には人間に信用されなくては

力が消えてしまう。

独自で回復させようとしたけど、無理だわ!

豊が帰って来ない限り…治せない。

信頼を回復させる事はできる………けど、

今の若奈ちゃんではその方法を使ったとしても

ほぼ不可能。

諦めたくないはないけど、諦めるしか…)


そう一同が諦めかけた瞬間、駆けつけた

「ソウちゃん!!」えっ!?豊…ちゃん!

どうして。学校は(汗)学校は大丈夫なの?」

ううん!

そんな事、気にしてる場合じゃないんでしょ。

やろうよソウちゃん!!

んっ!……うん(黄緑色のオーラが蘇る)

「ちなみにだけどハナってやる感じ?(小声)

うん!やるよ♪えっ!?で、でも…創太が〜(焦)

うふふ♡冗談だよ、豊ちゃん唱えて!!

もう、騙さないでよ〜緊急事態なんだから(汗)

気を取り直して呪文を唱えた

「傷付いた体を癒せ☆ヒーリングチャーム!」

発動させるとドリアードが大人の姿に変化して

「はあ〜〜〜〜〜ぁぁぁ(ハイトーン)」

と声が響き渡った。

テーブルの真ん中に置いたソイルの下から

黄緑色の魔法陣が現れて傷や解放させた魔力を

再び吸収させて体へと取り込んだ!

綺麗な声は次第に小さくなり、治療を終える。


これで、もう大丈夫よ若奈ちゃん♪

良かった〜!!(ホッとして胸に手をやる)

んんっ……?僕は一体???

(肘をついて起き上がる)

「ソイル(涙)本当に良かった、おかえり♡」

…んっ?辺りを見渡してドリアードに気付いた

「そうか、君がやってくれたんだね

ありがとうドリアード♪」

私からもありがとう♡キィちゃん!!

うんうん!ソーちゃんも戻った事だし、

セイレーンが居る海に早速!向かおう♪

おぉ〜!!えっ、えっ?行くってどこに(汗)

5人で車に乗りしばらくして高速道路に出た

土の精霊を鉢植えの土に浸かりながら

ドリアードがお膝の上に置いていた。


「はぁ〜……やっぱり車の乗り心地は最悪だ」

あはは(汗)それは言わないお約束だよ。

ほんの少しの辛抱だから我慢してソイル♪

…分かったよ。

ソイルの話が終わった事を確認して

豊が気になっていた事をドリアードに聞いた

「ねぇ〜ソウちゃん。

土の精霊と地の精霊って何が違うの???

どっちも同じような系統な気がするけど………」

あぁ〜豊ちゃんには言ってなかったっけ?

「えっとね、簡単に説明すると

ノームは大地を司る地の精霊として

逆にソーちゃんの場合は土地を司る

土の精霊としての認識で大体、平気だよ♪」

へぇ〜…それってそんなに違うものなの?

全然、別物だよ!!

あと……天の精霊さんは創太が精霊の中でも

危険って言われたけど、

今向かっている海の精霊さんはどうなの???

「私が思うにセイレーンもその中の1人だよ♪

元々、昔から危険な精霊として扱われてきた

精霊は地、天、土、海のこの4人だから!

私はまだまだ自覚がないんだけど、

コンジキが私も含まれるって言われてるなの。

何でなんだろうね〜

私は別に人間に敵意なんて向けてないし…」


そこんとこ、どうなんだコンジキ?(創太)

「うむ。確かに敵意は無いだろう。

無関心のない人間に対してはな?」

無関心な……人間???

「ドリアードよ、君は幼い子供に対しては

優しいし忘れる事など出来ないであろう?

だが、それがスクスクと育っていき

大きくなるに連れ記憶も次第に薄れていく段階を

理解してしまった。

その時点で、信頼は欠落して

力もほとんど発揮できなかった時期に遭っていた

そんな中…若奈殿や小娘は違った!

大人になった今でも覚えており、

信頼を勝ち取ったからこそ小娘も覚えていた。

変わらなかった未来をドリアードが変えたお陰で

今があるでないか?」

……っ!!

「うふ♪そっか〜ありがとう豊ちゃん!

信じて覚えてくれて(涙)」

鉢植えを創太に預けて豊に甘え始めた。

ウリウリ(髪を擦り付ける)

あっ、あはは(笑)く、くすぐったいよ!

やめてよ♪

そんな2人を微笑ましく見守っていた

「誰か〜…あはは(笑)止めてよ〜ね!!」


那皿の新海に到着して

まもなく遠くの方から声が聞こえてきた

「豊〜それに皆んな!」

飛び出した時は早かったがいざ、ドリアードを

豊が抱えていると頭の上に避難した。

「ムッ!!

なんで、ドリアードがそこに?!

取らないでよ(汗)」

うふふ♡今日は、私が取る番なの〜

「リーア。また再会できたのは嬉しいよ♪

でも今は海の精霊を見つけ出す方が先!

一緒に探そう」

…はあ♪うん、私やるよ☆(ちょろ)


んっ!!何ですって〜サラマンダー(怒る)

「海に落ちなさい!」何でだよ!?

マイアがサラッとサラマンダーの背中を押し、

海のど真ん中まで持って行った

「あぁ〜こら!マイア、テメェ許さな……」

と言い切る前にコンジキが延棒で

背中をどついた。バシャーーー!

それから海坊主のように水が上へ上がり

ずぶ濡れになったサラマンダーが

2人に牙を向けた!!

「お前ぇぇぇら、絶対に許さないからな!」

追いかけ回される2人を

パラソルの下で見ている若奈が「平和ね〜♪」

と言いながら鉢植えに入っているソイルが

「いや…若奈、全然平和じゃないけど(汗)」

呆れた感じに言った。


それじゃあ豊達は水着に着替えて探そっか♡

おぉ〜!って水着!?みつきって何?

水着よ♡プールとか海に入る時に身に付けるもの。

ちゃんと持ってきてるし、

リーアちゃん達の分もあるから〜♪

えぇ……お母さん、本当に何者(汗)うふふ。

(リーアは上と下(少しだけ)フリルの水着で

イーリスはワンピース風の水着、

マイアがクロスホルターの水着になった。

豊は上が結んであり、下はフリルの水着だが

恥ずかしさのあまりラッシュガードを着た)

ちゃっかりドリアードも植物で作った水着を着て

浮き輪に浮かんでいた。

「ソウちゃん!!

遊んでないで精霊さんを探して(汗)

その為の水着なんだから〜」


あのペアは大丈夫かしら?

逆にあれを見てどこが大丈夫なの?!

まぁ〜楽しそうなら何よりだわ♪若奈(汗)

ねぇ、この砂の中でソイルは寝れるの?

「いや…見れば分かると思うけど、

土と砂じゃ粒子が違うから無理だよ。

埋まるくらいなら多分、平気なはずだよ?」

じゃあ埋まってみよう♡

もう準備満タンだから!!

(と言ってシートをあらかじめ切り取って

おいた所に穴が掘られていた)

そういう時だけ行動が早いのは変わらないね(汗)

鉢植えから外に出てくぼんだ穴に横たわる。

若奈「はいっ!これで大丈夫だよ♪」

へぇ〜流石に日陰でも砂だから暖かいね。

(あくまで土の精霊の感想です)

すると、真面目な顔付きに変わってこう言った

ソイル「いい?普通に寝るだけだからね僕は。

くれぐれも起こさないでね?(圧)」

分かったわ♪おやすみなさい!うん。

若奈(普通に寝るのと土で仮眠を取るのとで

何が違うのか未だに謎なんだよね〜

ただ、普通に寝る時に起こすのは禁止!!)

2人を追うのと水に濡れた事で疲れ切った

サラマンダーがパラソルに帰ってきた。


火の精霊「はぁ〜……酷い目に遭ったぜ(汗)」

うふふ♪大変だったわね〜

そうだ!巨人の世界に行った後、

何かあったりした!?怪我したりとか!

「大丈夫でしたよ(笑)

なんか俺達の知らない間にあの妖精たちも

着々と成長していますからご心配なく」

そうなの♪良かったわ〜!!

サラマンダー「・・・(マイアを見る)」


ペアを組んで豊達は必死に探していた。

イーリスとマイアは上から海全体に

魔法を掛けるも効果はなし。

海に潜る為にリーアが魔法を使った

「バブルスプラッシュ!」

小さなシャボン玉を合体させて2つ作り、

創太とリーアは中へ入る

「これで海の中に入っても呼吸は出来るよ!

ただし、魔法だから時間は限られてるし

10分探したら浮上してきてね!!

じゃないと破れて海に沈むかもしれないよ」

お、おぉ…分かった(汗)

コンジキ、居るか?「居るぞ」オッケー♪

(ちなみに創太だけ私服)

創太の泡は海へと潜り、リーアは海の上を

ハムスターのランナーボールのように

走りながら探した。

ドリアードは流れるのが楽しくなったのか

滑り台を何回も滑る無邪気な子供のように

遊んでいた。

豊は「はぁ〜………」という深い溜息を出す。


そして何回か泡に入った2人が浮上しては

戻って来るを繰り返すも全く成果が出なかった

「はぁ…はぁ……泳いだりしてないのに

喉がめっちゃ渇くんだけど(汗)」

では、少しだけ余っているヤシの実とか

飲んでみますか坊や?

あぁ〜助かるよ…じゃなくて坊やはやめろ!!

何でそんなの持っているのよ!?

驚きを隠せない若奈が言った

「ずっと前から人間界に来ていたのだけど〜

私の不注意で別の場所にゲートを

繋いでしまった時に「沖縄」という所に

着いたのです!

そこで大きな実が木に生えていたのが

気になって研究していたの。

調べた結果、水分とミネラルが補給できる

優れた実だと分かりましたわ♪」

へぇ〜マイアさん…やっぱり真面目ですね。

なっ、なぁ〜説明はいいから飲ませてくれよ

緩くなっちまうだろ?!(汗)

「平気ですよ〜先程、スイカのように

水で浸したヤシの実があるので

緩くはなりませんわ♡」

そうなのか!?

創太と豊、若奈にヤシの実を素手で渡した。

(えっ?ヤシの実って妖精さんからしたら

重いんじゃ……なのに、こんな軽々と(汗)

ふぅ〜生き返るぜ♪美味しいよマイアさん!!

良かったです♡

チュルチュルと慎重に飲む若奈は

残りの量をソイルにあげた。

鉢植えと同じ高さに調整させてストローから飲む

豊「ハチドリか何か〜???」

少しずつ飲むソイルを後にして創太はひと足先に

海へと潜っていた。


潜ってすぐに金の精霊に問い掛けた

創太「なぁ〜コンジキ、悪いんだけど

俺に何かあったら皆んなに知らせてくれ……頼む」

んっ?

(この時のコンジキは許可を出していなかった。

どんな運命であろうとも時期こうになる事を

分かっていたのかもしれない。

そんな素振りを見せながらじっと創太を見つめる)

伝え終わるとさっきよりも深く潜って行った!


数分後・・・

リーア「マイア!イーリスちゃん、

海の精霊は見つかった?」

いいえ、まだよ。

本当に居るかも分からないしね〜

イーリス「木の精霊様曰く、絶対だそうだけど

信じてないとは言わないわ。

けど〜どこを探しても海に変わった反応が

無いのよ」

リーア(確かにこんなに探しても反応しないんじゃ

ドリアードと同じようにもうここには

居ないのかもしれない。

でも、ドリアードが正しくて……えっと〜(汗)

唸っていると周りを見てマイアは気付いた

「あら?リーアちゃん、あの坊やは

まだ戻って来ていないの?」

えっ?…あっ!もう破れてる時間じゃん!!

それは大変ね!?イーリス、陸へ戻るわよ。

えっ、えっ?ちょっと待ちなさい(汗)


浜辺へ戻るとソイルが作ったであろう

砂のお城の所で感動している若奈と

呆れたサラマンダーが見守っていた

リーア「ねぇ〜若奈、あの人はどこに居るの!!」

あの人?あぁ……創太くんの事ね。

何でか分からないけど、コンジキだけ

帰って来たのよね〜不思議」

えっ!?でも、いないじゃない!

あそこに居るだろう。

サラマンダーが指を差す方向に目線を向けると

海をじっと見つめながら浮遊するコンジキが

立ち尽くしていた

「どうしてあなたがここに?坊やは……?」

心配そうなマイアの顔をチラッと見てから

無言のまま、海を見つめ続ける。


創太は一方・・・

深海までは行かないが相当深い所まで潜って

ありながらシャボン玉は既に破れたが、

息は続いていた。

創太(海の上からあの2人の魔法でも反応しない、

いくら潜っても精霊の姿さえも確認されない。

……て事は、海以外の所から見ても

何も変化が無いのは中で色々動きがあるはず!

俺の息も残りわずかだ!!

「もう少し…もう少し耐えてくれ…頼む!」)

すると海底には、古びた建造物を見つけた。

創太(んっ!こんな所に………建造物?

この海に何かが沈んだ記録なんて残っていない

はず…でも、探す価値はありそうだな!!

プクプク……プハン!やべぇ、息が持たな…)

息が持たず気を失った。

すると、創太の胸ポケット辺りから

水色の球が輝きを放っていた。

その奥から黒い影が創太を支えてくれた

???「(わらわ)はソナタとまた会えて嬉しいぞ♪

あの時も…そうじゃったな」


フラッシュバック・・・(7年前)

それは創太がまだ豊と出会う前の事。

この日は豪華客船の旅行として

宗一と良太と共に船を満喫していた。

が、予定通りに進んでもう数日で着くある日、

エンジントラブルにより、船が停まってしまった。

宗一と良太は話し合ってどちらとも岸までなら

泳ぎ切れると踏んだ矢先、創太が居なかった

良太「待て!兄さん、創太は!?」

えっ、いやアイツならここ………にぃって

どこに行ったんだよアイツは!!


一方幼い創太は人混みに呑まれて

とりあえず自分の部屋に戻って待っていた

創太「父さんに……お兄さん、

どこ行っちゃったんだろう(涙)

まさか、このまま会えなく…なっちゃう?

そんなの僕は…嫌だよ!!」

とベッドの上で縮こまっていた創太は

抱えていたクッションを投げて

部屋を飛び出してしまった。

その後、2人は部屋に来たがタッチの差で

既にもの毛の殻だった!

宗一「くそっ!どこに居るんだ創太!!」

良太(………万が一の時は)

とポケットに入れてあった何かを取り出して

部屋の窓から海へと投げた。


「おい、早く行くぞ良太!」あぁ、頼んだよ(小声)

(はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……

どこ!どこに居るの父さん、お兄さん!!

会いたい!会いたいのに……)

と噛み締めた瞬間、ほんの少しの波が

船を大きく揺らして同時に人にぶつかった!

その反動で海へと放り出されてしまった。

ザパーーーン!!「うわっ!?誰か…助けてぇ…」


ブクブクを泡を立てて海の中に沈んでいく

(あれっ?僕……もうダメかな?

父さんにも、お兄さんには…もう会えない。

でもまた会える事なら会いた………かったな〜)

プハン!

???「おや?ソナタが良太の……子か?

まぁ〜こんな所で死人を出させる訳には

いかないからな。

感謝するがいい、(わらわ)の宝を投げた報いは

きっちり晴らさせてやるぞ良太!

誓おう、この子は妾の新しい契約者として

受け入れてやろうぞ♪」

と言って人魚のような尾びれを

ヒラヒラさせながら上へとゆっくり上昇した。


(その時だ。うっすら意識を取り戻した

創太の目には太陽の光を受け黒い姿としか

見えなかったが、

女性のような容姿と半魚人のような耳を

しているのを見て再び気を失った)

気が付くと良太の背中の上だった

創太「んんっ?ここ…は、どこ?」

その声に気付いた宗一が「ったく〜よ」

と呆れた声を漏らして続けて良太が言った

「本当に無事で良かったよ創太くん。

運良く石の上で打ち上げられていたからさ」

最初は鯨かイルカの間違いじゃねぇって

言ったけど、本当に打ち上げられてたんだよ(笑)

笑い事じゃないんだぞ、兄さん(汗)

はっはっは(笑)悪い悪い♪

岸まで泳ぎ切った2人は救助を待つ事にした

創太の中でモヤモヤしていた事を

2人に打ち明けた

「父さん、お兄さん、僕…海の中で

誰かに助けて貰った気がするんだ!!

……でも、誰かまでは覚えてなくて〜………」

あぁ?冗談言ってると本当に怒るぞ?!

イテテ!ごめんなさい、父さん(焦)

良太(汗)はぁ〜……まぁいっか♪


救助が来て良太が最後に登る番になる前に

誰も居ない所に手を振った

(セイレーン、また創太くんを頼んだよ。

今度こそ…君の運命を大きく作用するはずさ!)

ヘリに乗って創太に話しかけた

良太「創太くん、コレお守りとして

持っていると良いよ♪

海でまた溺れてしまった時はきっとね?

だけど、兄さんには内緒であげるから。

ちゃんと肌身離さず持っておくんだぞ♪(ビー玉)」


フラッシュバック終了・・・

うふふ。懐かしいな〜

アレから7年も経ったのじゃったか。

昔も今も、溺れ足りないのか?ふふ♡

そんな事はないか……()いじゃろう!

名は…えっと〜創太だったのう。

私は良太と約束を交わしたのじゃ♪

(わらわ)の運命を大きく作用するとな〜」

この言葉を信じてジジィと一時組んだのじゃ、

創太とまた出会う為にも目星をな。

ただ、居なかった。

(わらわ)は諦めてこの海で眠りに付く事に決めた♪

そういう事じゃ、じゃからのう創太。

少しの時間だけ……一緒に居てやろうぞ♡」

と言って海がゴゴゴォォォと大きな揺れと共に

波が地上にいた若奈たちに襲い掛かる!!


あっ!(まずいわ、ソイルの力を借りたくても

土では歯が立たない。

サラマンダーも無理だわ!

コンジキの力ならいけるかもだけど、

あいにく…もう使えないのよね(汗)

どうしましょう)

土の精霊と火の精霊は構えるも金の精霊は

動かないままで居た

コンジキ(この時が来る事を待ち望んでいた

我が望むのは………創太ではない。

姫様が望む未来の為、我はその為に待っていた(笑)

金の精霊は波が来てるのにも関わらず、

瞑想を始めて海へと仁王立ちをする!

豊が眠っているドリアードを抱えながら

唖然として周りを見渡して若奈に聞いた

「お母さん、創太は!?創太はどこに居るの!」

…そ、それが海から戻って来ていないのよ(汗)

そんな………ドリアードをシートに置いて

海へと向かうがソイルに止められた

豊「離してよ!!創太が……創太〜〜〜!(涙)」


叫ぶ豊に反応したのか海から少しずつ

上がって来る半魚人の女性が尾びれのまま

立ち泳ぎで精霊が向かって来た!

そこには創太を抱えて砂浜に辿り着く。

ソイルの手から離れた豊は精霊に駆け寄った

豊「あ、あのあなた…が海の精霊……さん?」

はい。いかにも(わらわ)がセイレーンじゃ♪うふふ

スゥ〜…スゥ〜……んにゃ?(起きた)

んんっ?あっ、セイレーン久しぶりなの♪

「ほぉ?(わらわ)と会うのが久しぶりなのに

昼寝とはいい度胸をしておるな〜ドリアード(圧)」

うふ。良い夢だったなの♪

セイレーン「・・・」

仲良く話し合っていると創太が息を吹き返した

ぐはっ!ゲホッゲホッゲホッ!!

「創太!?良かった〜無事で(涙)」

ゲホッ。んっ?

なんだ、俺いつの間に帰って来たのか?

違うよ!海の精霊さんが助けてくれたの♪

えっ?

海の精霊「良かったのう。(わらわ)の宝を創太が

持っていなければ、海に沈んでおった。

礼を言うぞ♪」

お礼を言うのは俺の方じゃ………???

良いのじゃ、ソナタとまた会える時があるなら

(わらわ)は喜んで契約を果たすと

決めておったからのう♡

お、俺と契約?!でも、俺にはコンジキが……


セイレーン「ほぉ?

貴殿が契約をな。なんじゃ、話しておらぬのか?

貴殿こそ、本当の契約者は他にも居るでないか♪」

あぁ、そうだセイレーンの言う通りだ。

えっ!コンジキ!?

我と創太を契約したのはある人を見つけてからで

良かろうと思ってな(笑)

やはり既にセイレーンと契約の約束を

果たしておったのなら我は快く(うけたまわ)ろう!!

そして我自身で、すがろうとしていたのは

「あなた様だ。マイア」

…えっ?私、が???

(今まで静かに聞いていた妖精たちは

コンジキに名前を言われた時は驚いた)

そうだ、姫様♪あっ……本当に私で良いのですか?

「姫様が相応しいと我は思いますぞ!

これから立派な女王になるのなら

我も協力するのみだ。

さぁ、どうする我の契約者として

力を求めてはくれぬか?」

………コンジキがそのような事を言うのは

とても珍しい事ですね。分かりました!!

私を契約者として認めて下さい♡ふむ、()かろう


契約・・・

マイア「コンジキよ、妾に力を授けなさい!」

赤黄色がかった色から金色に輝いた。

我主(わがあるじ)として姫と契約を果たす時、

己の力を全て姫に委ねお貸し申す!!

我に歯向かう者など万死に値するわ!」

契約終了・・・


金色の光が蛍の光のように舞っていた

マイア「はあ♪やりましたわ、母様!!

ようやく母様と共に仕事が出来ます♡

ありがとうコンジキ。私を選んでくれて!」

かなり上機嫌になったマイアは

再びリーアに…でキスをする。

んっ?(本人分からず)

なっ!!だ、だから(わたくし)の目前で

見せ付けないで下さいましーーー!

ムキィィィ〜!!

あはっはっは(笑)うふふ♪

……ていうか今、秋だよなコレ大丈夫か?!

翌朝・・・

若奈以外は風邪を引いた。

(妖精は無害で

サラマンダーは一時的に弱体化した(1日だけ)


リーア(これで、海の精霊カードを手に入れた。

あと………地と氷と月、太陽カードだけ!

あまり手掛かりはないけれど、

私達の世界を大きく変える未来を目指して

絶対に探し出さなければならない!!)

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