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魔法使いの妖精さん  作者: 白百合リーフ
16/25

第16話  「偶然からの必然」

ヒューーー!ヒューー!!(風の音)

枯れ果てた土地を誰かが見上げていた。

(身長は130cmで幼稚園の年少さんくらい)

???「ここも駄目でしたか………

前は明るく賑やかだったというのに。

まだ生き残っている森に行って住処を

作らなくては……あの子に会えない!(焦)

私もしばらくエネルギーを吸収できていません。

一刻も早く見つけ出さなくてわ」

土地から飛び立ちながら住宅街を見つめていた。


プルルル…プルルル……ピッ!!

若奈「はい、もしもし?溝田(みぞた)先生ですか?

えっ!えぇ〜はい…はい、分かりました。

では伝えておきますね?

わざわざ、ありがとうございます!

それでは……(プツ)」

豊〜豊!!あれっ?さっき玄関に居たわよね。

(まさか、もう家を出ちゃったのかしら?!

どうしましょう!急いで止めないと(汗)

そう思って若奈は玄関の扉を開けた後に

リビングから顔をひょっこと出して

豊「お母さん、どこに行くの?」と尋ねた。

えっ?慌ててリビングの方へ向かうと

テレビを見る3人の妖精と豊が居た。


「な、なんだ〜こんな所に居たのね(汗)

慌てて損したわ。

で豊、さっき学校から電話が来て

学級閉鎖ですって」

えぇ〜そうなの!?じゃあ着替え直さないと……

急に学校が休みになるだなんて心配よね〜

所で豊とリーアちゃん達は何を見ているの?

「あっ、お母さんこれ見てよ!!」

かなり慌てた様子でテレビを指差した。

んっ?あっ!

(それはここ故郷市「月光の森」の木や花などが

枯れ果てる異常現象が報道されていた。

それも故郷市だけでなく世界各地の山や森、

植物が枯れ、作物が育たなくなり

農家の人達に聞き込みをしている様子だった)


豊「これって……フェアリータウンと

同じ状況になり始めてるって事だよね(汗)」

そうね〜予定より侵食が遅いようだけど、

なぜかしら?

えっ?予定より遅いって何でですか???

「うーん………私の推測が正しければ、

その山に木の精霊さんや土の精霊様のどちらかが

滞在していたのかもしれません」

じゃあ、そのお陰で枯れずに済んだって事?

あくまで可能性としてですがね。

若奈「確かにそう思うのが妥当だわ♪」

えっと〜…じゃあ最近まで居たって事になるよね!

どうしよう、どこ行っちゃったのかな???

うーーーん(全員唸る)

リビングに唸り響く中、1人が喋った

「私は前にこの山でドリちゃん見たよ?」

とさりげなくシエルがカードで喋って伝えた。

一瞬「えっ?」そう目が点になって止まった………


そ、それ早く言いなさいよシエル!!

「だって〜私、ドリちゃんと約束したんだもん。

いざという時は私が手助けしてあげる約束!って

言ってくれたからその時まで言わないつもりだった…

けど、どこの森もこんな状況だと

ドリちゃんが心配だよ(汗)」

どうして心配なの?精霊さんは1人でも強いし、

別に困る事なんてないんじゃ???

カード「・・・」

あれっ?ポンッ!(カードから精霊の姿に)

シエル「ホント、ドリちゃんの事を知らない人間に

何が分かるのよ!?

これだから人間は信用できないんだから!」

突然、怒り出したシエルは涙を流して言った

豊「えっ……私、何かまずい事…言った(汗)」

3人は無言になる中、若奈だけが口を開いた


「キィちゃんはね〜自然のエネルギーを

体に蓄えないと植物みたいに枯れて

痩せ細る事があるのよ。

死には至らないのだけど栄養失調で倒れたり、

精霊の姿のまま気を失ってたりで

凄く危ない状況に一時期なっちゃって

大変だったのよね(汗)

だから、どの地域もどの国もこうして

植物が枯れ果てていると

どうしてもキィちゃんの事しか

考えられなくなってしまうの(瞼が下がる)」

そ……なんだ。ごめんなさい、私知らなくて。


シエル「だから一刻も早く生き残ってる森とか

探し出して強いエネルギーを摂取させてあげたいの!

細くなるドリちゃんは見たくないし、

何より大変な事になっちゃうのには変わらない!!」

そうね〜つい最近まで居たのだから

きっとすぐ近くに居るわよね!

そんな希望を持ちつつ、私達も二手に分かれて

探し出しましょうか♡

イーリス「えっ?何で決めるのよ?」

うふっふ♪最初はグージャンケン!!(マイア)


(結果的に私とイーリスさんと一緒に

き……ドリ…んっ?

とにかく木の精霊さんを探す班になりました!!

リーア、マイアさんそれにお母さんの3人は

生き残ってる森や山などを探す班で

前にお母さんとリーアと一緒に行った事がある

故山へ車で送ってくれた。

途中で創太を拾って木の精霊さん探しを

手伝ってくれました♡

創太「無理矢理来させられたも同然だけどな(汗)

良いの!細い事は気にし・な・い!!

創太は精霊カードを持ってるんだから

いざという時には戦って欲しいし♪

あのねぇ〜………」という会話を挟みながら

故山に到着して私達はお母さんを見送った。


山道を歩きながら約1名は飛びながらいると

「もう、なんで(わたくし)がリーアと離れないと

いけないのです!!

まぁ〜木の精霊様には日頃からお世話になって

いますから、別に良いですけど!」

どっちだよ!?(風船を持ちながら)

豊「そんなに2人と離れるのが嫌でしたか?」

いえ、そういう訳ではありません。

私はマイアにリーアを任せる事が

気にくわないだけですわ!!

(豊は疑問に思った事を聞いてみた)

それってリーアの事が好きなんですか???

イーリス「(わたくし)は好きというよりだいす………

いい…言わせないで下さい!(照)」

(若干、2人はニヤける)

「なっ!何ですか2人してその顔は!?」

いや〜仲良しそうで良かったです♪……っ!!

プィッ!と顔を(そむ)ける。

またしばらくして話し始めた(単なる息切れ)

創太「それにしても、ニュースでやってたのと違って

ここはまだ綺麗だな(汗が流れる)」

だねぇ〜どうしてだろう?

ここに滞在した可能性があるからじゃないかしら。

そうなの???

イーリス「木の精霊様が足を踏み込んだ場所は

どんなに水分を含んでいない地面でも

植物などが枯れ果てていても一瞬にして草木が伸び、

綺麗な花を咲かせる程の影響があります♪

そのお陰でデザーシャの街並みが整ったと言っても

過言じゃないわ!!」

へぇ〜そんなに凄いんだね木の精霊さん♡

でもそんな力を持ってしてでもに

植物とかが枯れちゃうんだね(汗)


(シエルが被せてまで木の精霊の話をする)

「まぁ、ドリちゃんは意外と自由奔放だから住処を

作ってもすぐ離れちゃうんだよね♡」

なるほど〜離れたら効力が切れちゃうんだね。

そういう事ですわ!

「ただ、かなり効力は持続するはずなのですが…

長くても10年くらいは持ちますし、

枯れる前に木の精霊様が訪れればリセット。

その繰り返しなのですが、今の状況から想定するなら

エネルギーが不足しているように思えますわ。

そのような場所にいる時は体にエネルギーを

蓄える為に自然との永久機関が働きます!!

枯れてる土地ではそれが出来なくなりますからね」

えっと〜それってつまり………

(頭を整理させようと豊が考えていると創太が言った)

創太「要は、自然のエネルギーと木の精霊の体に

蓄えてるエネルギーを入れ戻したり

出来るって事だろう?」

おぉ〜創太が妙に冴えてる(汗)悪い物でも食べた?

「食べてねぇよ!!

俺だってたまに冴えるぐらいあるわ」

騒がしい人ね〜ホントだよねイーちゃん!

お前は同情すんなっ!?

あはは………(汗)ガサガサガサッ!んっ?


???「待っていましたよ!!

故園 豊と蒼海 創太。

そしてあのお姫様が居ないのは少し残念ですが…

会えて嬉しいわ。人間の精霊使いさん♡」

えっ!?

(そこには桃色髪のロングポニーテの保健室の先生

と工場の時に来た老人が豊達を待ち受けていた)

豊「な、何でカレン先生がここに(汗)

それにあなたは確か……」

フホッホッホ(笑)あの時、以来ですねお嬢さん。

(創太は豊を後ろに下げてからポケットから

カードを取り出そうと構えるが………)

「氷雪に連なりし無数の矢よ、アイスアロー!」

カレンが先に仕掛けて氷の矢を3人の方へ放った

(取り出す隙を与えず、創太とイーリスは避けて

豊は木の後ろに隠れる。

横へ転がる創太だったが、シェアに集中狙いされて

カードが抜けない)

氷の矢は木や地面などをバリバリ凍り付かせた!!

創太(くそ〜さっきから俺に攻撃しかしないな。

まぁ、相手が俺らの精霊カードを持っている事が

全部筒抜けだったらそうりゃ〜そうだけどよ!)


シェア、あなたはあちらのお姫様を

お相手しなさい。小娘はその後よ!!

「かりこまりました…では」

と言って手に持っていた杖の持ち手を引き抜くと

刀が出てイーリスに襲い掛かった

(※ちなみに妖精と人間サイズの老人が戦う図)

カキン!カキッン!……ガジン!!(剣同士の音)

創太「カレン先生が何で邪見の幹部なんかに

妖精の国にでも嫉妬でもしてんのかよ!(汗)」

んっ?話してる暇があるなら攻撃するのね♪

「硬き氷の(つるぎ)よ、1つの(けん)に重なりなさい

アイスソード!!」

氷の太刀を創太に振り落とす。

ふっ!(一回転しながら木にもたれ掛かる)

カレン「どうしました、いずれ攻撃しなければ

いつ当たってもおかしくないですよ♡

さっさとあなたが持っている精霊カードで

反撃する事をお(おすす)め致します♪」

チッ、よく言うぜ!!

本当は使わせないように連続で攻撃しに来てるって

いうのによ(汗)

それに……お前も精霊カードを持ってんだろ!

ふふふ。あはっはっは(笑)

カレン「えぇ〜あなた達が探し求めている、

喉から手が出る程欲しい代物をね♪」

と言って白衣のポケットから金色のチェーンで

繋いだ「氷の精霊カード」を見せつけた。

……っ!そ、それ。まさか!!一体、どこで!?

「知りたいかしら〜?うふふ♡

じゃあ、あなたを倒してから教えてあげますわ♪」

ふん!それはごめんだぜ。


創太(とは、言ったもののどうする(汗)

先生が持っている精霊カードは偽物じゃない!!

妖精は2つのカードを所持してる事は知っている。

一つは属性カード!もう一つはまぁ〜………

アイツらが例外な妖精だからだが、

精霊カードを持ってる。

属性と言っても「火、水、風、光、闇」

この5つの属性しかない!!

先生が使ってるのは紛れもなく氷だ(汗)

こんなの妖精たちの常識を知っていれば、

当然の事。

なぜだか、知らないけど今この場から逃げられるのは

豊しか居ない!

この状況で打開できるなんて思うな(焦)

俺だってここからひと1人遠ざける事だって出来る筈。

カレン先生から攻撃を受けない事を願うしか…

だが!!

もしも、逃げてる途中に先生の攻撃を受けるなら

…「俺は大切な人を失うよりかはこっちがマシだ!」

(ポケットの上に手をやって何か策を思い付く)


スゥ〜……口を大きく開く。んっ?何を…(汗)

創太「豊、走れぇぇぇ!!!!!!」えっ?

(突然の大きな声を出した創太に驚いて戸惑う。

豊は走るどころかその場に立ち尽くしてしまった)

カレンが豊の方へいち早く向き、

普通のアイスピックを勢いよく投げた!

手から離れた瞬間、何かの物体がカレンの視界の横を

通り過ぎて的になった!!それは創太のスマホだ!

はっ!このガキィィィ〜!?(荒ぶった声)

創太「いいから豊はここから離れろ!!」

(少しだけ躊躇したが、今は創太の言う事を聞いた)

「………わ、分かった(汗)

創太もイーリスさんも絶対無事で居てよ!」

カキン!(シェアから少し距離を取る)

「あなたに言われなくてもやってやるわよ」

あぁ♪頼む、豊!!…う、うん(汗)


創太達と邪見の幹部を置いて豊は走り続けた

(逃げなきゃ、今はとにかく逃げないと!!

創太が私を逃がしてくれたように

小さな妖精さんでも戦って貰ってるのに、

私は何も出来ないままで居る自分が情けない(汗)

早く……早くリーアに伝えなくちゃ!)

ポケットからスマホを出して耳に当てるも

「届かなかった」えっ?

スマホの上の方をしっかり見ると圏外だった。

豊(…あ、あぁ。どうしよう(涙)

私に出来る事って……さっきの所に戻る事???

ううん、駄目駄目!!

戻った所で私は足手纏いなだけ役に立てない。

どうしようリーア!私、どうすればいい(汗)


一方創太たち・・・

「で、小娘を逃した所で何が変わったって言うの?

それにここは山の中……圏外よ。

連絡なんて到底出来ない、諦めなさい♡」

ふん!そのくらい想定内さ!!

でもな〜こういう時の豊は諦めないんだよ。

そうかしら?今頃、役に立てない自分の愚かさに

絶望してるんじゃない♪

俺はただ、豊を危険な目に遭わせたくないだけだ。

期待なんてしてないね!

「あら〜仲間割れ?うふふ♪可哀想な小娘。

信頼されていない仲なんて所詮、ゴミじゃない!

人間って愚かよね〜これから危険な目に遭うって

いうのに他の人の心配をするなんて(笑)」

……っ!!あぁ〜そうだな人間は(ニヤリ)

んっ!何がおかしい!?スゥ〜………はぁ。

深く深呼吸をすると創太の目の前には

銀の弾丸が現れて拳銃のような発泡音と共に放たれた

(※金の精霊カードでは頭の中で思い浮かべた

通りの事が実際に起こせる魔法も使える!)


突然現れた事でカレンは呪文を言えずに

その場から避けるとその後ろに居たシェアが

持っていた杖に被弾した!!

幹部2人(はっ!何だと!?)

カサッ!よくやったわ♪はぁーーーあ!!

(バランスを崩したシェアに向かって

剣で致命傷を負わせようと突き刺そうとするも

念力で動きを封じられた)

イーリス!?ちょっと離しなさいよ!

「デザーシャのお姫様はここで見ていなさい。

あの少年を先に生け取りにし、

邪見様に差し出せば良いのです♪」

それに私の杖を飛ばしたから何が変わるんです?

武器は普通、何本も所持する物ですぞ(笑)

……ただ〜先程の少年の使い方はお見事でした♪

ですが、少々カレン様の(かん)に障る罪の方が

よっぽど恐ろしいと思いますがね?

「この〜…このガキ、よくも私に弾丸を

向けやがって!!損害だ!今すぐくたばれ」


創太(うわぁ〜これヤバいやつじゃん(汗)

まずいまずい。

風船をタイミングよく破っただけなんだけどな

(発砲の音)

だけど、ここで捕まるより逃げ回った方が

良いよな?なっ?!

コンジキ(……少々、大変な事になっているようだな

そんな創太に我から良い提案がある。

乗ってくれるか?」

えっ?作戦って???余裕があればで良いか?(焦)

なーに、そんな難しい事ではない(笑)

何それ………めちゃくちゃ怖いんだけど

目の前の事より(汗)

いいから教えてくれよコンジキ!)

カレン「もう怖気(おじけ)づいたとか言うでないよな?

私に歯向かった事を後悔させてやる!!」

分かった、それじゃあ俺も反撃させて貰うよ。


一方豊は・・・

さっきの場所とはかなり離れた所へ移動して

圏外じゃない場所を探すも見つからなかった。

はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………

豊(こんな事してたら2人が危ないのに!!

私も……精霊カードがあれば2人を助けられる

ような力が欲しい!でも…でも〜………(涙)

バーーーン!えっ?爆発音???

「まさか(汗)まさか、創太の所じゃないよね?!

少し高さのある崖の方へ走り広い所を見た。

木に隠れながら創太が走って逃げていた!

先程の爆発はその木を破壊させた音だ。

…はぁ。よ、良かった(汗)


豊(でも、ピンチなのには変わらない。

それに……それに…(涙)

「もうこれ以上、この山を壊させないんだから!!」

そう思った時には足が勝手に動いていた。

「リーアとの思い出が崩されるのも嫌だけど、

あの子との約束を破った後悔の方が

無くなって欲しくない!!

私は必死に忘れていた思い出が今蘇ったんだから」)

ガサン!(草木が揺れた)

すると私は一瞬目を瞑った瞬間に

「止まってと誰かに呼び止められた気がした」

その時には道のない所へ私は崖から落下してしまった

ガサッ!!バサッ!ゴロンゴロロロ……ドンッ!

(木に背中を打ち付けて意識を失った)


暗闇の中、響き渡る自分の声だけを空間に

閉じ込められたような感覚だった。

けど…誰かが。確かに誰かが私を呼んでいた……

「………か?…豊ちゃん、大丈夫なの???」

という声を境に黒い空間から光が差し込んだ。

んんっ?!

(目を開けると綺麗なお花畑のど真ん中で

寝っ転がっていた)

「えっ?……私!前にもここ、来た事がある気が」

あは♪思い出してくれた豊ちゃん♡

(そこにはニコニコ笑った木の精霊がいた)

「あ、あなたは…ソウちゃん?!」

うふふ♪

どうしてソウちゃんが……!?イタッ(涙)

うつ伏せにした状態から体を起こす事が

出来なかった。

「…豊ちゃん、また怪我しちゃったなの?」

怪我?(膝から血が流れていた)

あっ………そうみたい。ごめんね(汗)

どうして謝るの?怪我する事が悪い事なの???

「ち、違うの!私がソウちゃんの事を忘れたのが

いけなかったんだよね?!

だから約束を破って、ごめんなさい(涙)

悲しむ声が木の精霊の心に響いた。

「豊ちゃんは昔から今も変わってないね♪

私もずっと会いたかったよ!!

夢の中で同じ光景でしか豊ちゃんと会えなかったから

実際に会えて嬉しいよ?

私もしばらくの間、忘れちゃってたから……

同じだね豊ちゃん♪」

ソウちゃ〜〜〜ん(泣)涙が溢れて必死に体を起こして

精霊に抱き付いた

木の精霊(やっぱり同じなの。一緒が安心するよね♡)


フラッシュバック・・・(7年前)

幼い豊「うえぇぇぇ〜ん(涙)

お母さん!お父さん!どこに行っちゃったの?

戻って来てよ〜!!」

お花畑のど真ん中で泣いていた。

うふふ♪ふふ〜ん♡

(空をゆっくり飛びながら鼻歌を歌う)

今日も綺麗なお花さん達だね〜……うんうんっ?

お花畑の大地に足を付けて木々達に聞いた。

木の精霊「ここにちっちゃい女の子が

さっきから泣いてるって???どこどこ〜?

(植物と会話)

木がユラユラ揺れながら示した。

あそこに居るの?…そっか〜迷子かな???

一応、あの子のお母さんを探しておいて!!

後は任せるね♪じゃあ行ってくる♡」

植物たち「あ、ちょっと………大丈夫かな〜(汗)」


木「ねぇ〜君、そこで何してるなの〜?」

うへぇ……ん。んっ?なの???

(少し周りを見て後ろを振り返った)

「お母さんとお父さんが居なくなっちゃった(涙)」

そっかそっか〜やっぱり迷子か。

そんなに1人になるのって怖い?うぅん。

「すっごく怖いよ(涙)

もう帰って来ないのかなお母さん達。

私を置いてもう戻って来ないのかな……

うぐっ…そんなの。そんなの嫌だよ!嫌だ!!

うえぇぇぇ〜ん(泣)」勢いで木の精霊に抱き付いた。

すると「あっ!私、触れないで?!」

………えっ?ご、ごめんなさい。

私、そういうつもりじゃ……なかったの(焦)

…んんっ?

木の精霊(あれっ?いつもなら人間ちゃんには

私の体に触れられないはず、

なんでこの子だけ???)


そ、その〜……ねぇ〜ねぇ?はいっ!?

あぁ…びっくりさせちゃったかな(汗)

それはごめんね。

「君ここに来てから何か摘んだりした?」

んんっ?

木(今気付いたけどこの子膝、擦りむいてるし〜

皆んなが言うには長いくらい1人で

歩いて来たらしい。

この子のお母さんの顔を見てるかは

分からないけれど、探さないよりはマシでしょ☆)

すると、ポケットから花の部分だけ取った

青い薔薇を持っていた。

あっ!やっぱり持ってたんだね♪

これがなーに?

ううん、ちょっと確認したかったなの〜

(あの花のお陰だとこの時はそう思っていた)

もう大丈夫だよ!!大切に持っててね♡

(再びポケットに入れる)


豊「お母さん……お父さん…(涙)」

再び目が潤むと木の精霊はある提案をした。

じゃあじゃあ、一緒にお花摘みでもやりましょう♪

えっ、えぇ〜?いま、それどころじゃ(汗)

良いから良いから☆

木「そんなに泣いてたら強くなれないよ?

これから先もずっと泣いてたら何も変われない!

だから、楽しい事して良い子で待ってよう♪

元気な自分を想像してほら早く早く!!」

………うぐっ。う、うん!そうだね(微笑む)


ほらほら、ここにシロツメグサがあるよ!!

冠作ってあげる♡私も作ってみたい!

うふふ♪じゃあ一緒にやろう。

ガサガサガサ…よしっ!出来た♡

そっちはど……う〜ん?んんっ!!

出来ないよう(涙)あぁ、教えてあげるよ(汗)

コレをこうしてコレをこうこうして後は巻くんだよ!


木(小さい子って可愛くて純粋だよね〜

見てるだけでこっちが元気になる♡

やっぱり、子供が一番だね♪うん!!)

お花畑の中心にある大きな木を見つめる。

本当に出来た〜☆「……そうだよね」んんっ?

どうしたの???あそこに何かあるの(疑問)

う、ううん!何でもないよ♪

1人で作れたじゃん、良かったね〜♡

ううん!!これは私が作ったんじゃなくて

2人で作った物だよ☆

きゃうどうさぎょう?うん、共同作業だね!!

これは2人で作った品だよ♪うふふ(笑)あはは♡

それからシロツメグサの冠だけでなく、

ネックレスやブレスレットを作った。

楽しい時間はあっという間に通り過ぎ夕方に!!


もう、夕方だね。お母さん………(しょぼん)

うーん。どうしよっかな(汗)

……か〜!豊!?

えっ!あぁ〜お母さんだ!おーーーい♡

豊が走り出そうとした所を木の精霊が引き留めた。

「…えっ?どうしたの???」

(木の精霊はしょんぼりした顔でいたが、最後まで

送り出そうと満面の笑みを浮かべて言った)

木「とっても楽しい時間を過ごせて

嬉しかったなの!ありがとう!!」

その笑顔に応えようと豊はとっさに口を開いた

「そういえば、あなたのお名前聞いてなかったね。

お名前はありますか♪(少し変な質問)」

そうだったね〜見ず知らずの君に

名前、聞くの忘れてたよ(汗)

私は〜………(あっ、どうしよう名前。名前(汗)

精霊の名前を言った所でこの子には

理解できないよね?!

うーん、何が良いかな?何が良いかな!!ぐぬぬぬ…

ここって確か草原のお花畑だよね???

だったら〜……この子には申し訳ないけど、

次会った時に本当の名前を伝えるべきだよね!

大きくなってね〜君も♡)

少し、間を空けてから名乗った

「私は草原のお花畑に住んでるソウちゃん♪

今日は遊んでくれてありがと!」

再びお礼を言うと豊はクスリと笑った。

……っ!!あはは(笑)

木「何がそんなにおかしかったなの???」

ううん!良いお名前だね♪……はあ♡


「私の名前はゆたか!また会えると良いな〜」

(目を輝かせてから呼んだ)豊………うん!

「豊ちゃん、次会う時までに私の事忘れないで

居てね。絶対だよ〜!!」

うん、絶対♪約束だよ〜(小指を出した)

んっ?なーにコレ???指きりだよ☆

豊「お友達と約束する時はこうやって指きりするって

お母さんが言ってたの。

約束破ったら針せんぼだよ♪」

えぇ〜約束の割には代償大きくない?!

セイレーンに……いやいや!!何でもない(汗)

約束だよ♪うん、約束♡

豊はお母さんの方へ走って行った。


木の精霊(………若奈ちゃんも大きくなったね♪)

精霊様、少しは良き休憩を挟めましたか?(木々(きぎ))

うん!!すっごく良い休憩になったよ♡

それは良かったですぞ(笑)

…んっ?豊ちゃんの青い薔薇だ!?

忘れちゃったのかな〜???

まぁいっか♪私が持ってようっと♡

木「もう、ここから離れる時が来たんだね(寂)」

そうですね〜奥様も精霊様の成長を見られて

さぞかし、お喜びでしょう♪」

「まだまだだよ私なんか……(苦笑い)」

(それから木の精霊が持っていた青い薔薇が枯れた

ショックで一時期、記憶喪失になってしまった)


フラッシュバック終了・・・

木の精霊「豊ちゃん、聞いて私…精霊なの!

あの頃は私もまだまだ半人前だったから

名乗れなかった。

でも昔の私とはもう違うよ!!

今では立派な精霊達の一員にもなれたし、

それから豊ちゃんにこうして会えた事が

私の本当の力を解放させるきっかけをくれた♡

心から感謝するなの♪」

えぇ〜ソウちゃんが精霊だったの!?

本当の力ってえっ?えぇ〜!!

うふふ♪本当、良い反応するなの♡

「だから、起きて!豊ちゃんが起きないと

元の世界のお友達が助からなくなるよ!!」

んっ!それは嫌だ………でもどうやって???

豊ちゃん手、出して♪えっ?う、うん。

(手を差し出すと木の精霊が小指を絡ませて、

緑色の光が小指に集中した!!

すると……白い光が目の前を覆った)


現実世界・・・

んんっ?あっ、戻ってき……イタッ!?

…血が出たまま。すっかり忘れてた(汗)

(私、こんな所から落っこちて

これだけで済んだんだ。良かったぁ〜♪

とりあえず、川で洗い流してから絆創膏を)

パシャッ!パシャパシャ。

ポケットから絆創膏の箱を取り出すと何かが落ちる。

これでよしっ!!「今から行くからね創太!」

絆創膏のケースだけをしまってその場から離れると

ゴツゴツした石の上には先程落ちた

何かが無くなっていた。

はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………(汗)


再びあの崖にもう一度、戻ってみた。

(流石にあの場所まで行った所で私には(焦)

と豊の左手に誰かの温かい手がスッと握られた)

???「豊ちゃん、また会えたなの♪」

うん、創太たちにまた会え……ってえぇ〜!?

どうしてここに???

木の精霊「急いで飛んで来たなの♪」

飛んで来た?!じゃあ別の山にいたんだね…(汗)

んっ?

それより豊ちゃん、あのお友達の事助けたい?

「えっ、まぁ…助けられるなら助けてあげたいけど〜

私には精霊カードなんて持ってないし……」

そっか♪丁度良いね、はい!コレあげるなの♪

へっ?(それは紛れもなく木の精霊カードだった)

豊「せ、精霊カード………私に本当!?」

うん!!ずっと豊ちゃんに渡したかったんだ!

じゃあ一緒にやろう♪

うん!分かった……(一緒にやる???)

私に合わせて豊ちゃんも続けてやってね♡

木「ハナハナハナ〜♪」

豊「はなハナ花……(カタゴト)」

もっと元気よくだよ豊ちゃん!!

えぇ〜無理無理(汗)流石に恥ずかしい(恥)

木「やらないとあのお友達、助けられないよ」

そ、それはそうだけど無理なものは無理(汗)


そんな2人のやり取りが聞こえていないカレンは

今まさかに氷の精霊の呪文を言った直後だった

「裁きの鉄槌を下せ、アイスプレス!!」

巨大なハンマーが飛行船の影のように

山半分のデカさを覆って分裂させるくらいの威力が

振り下ろされようとしている!

あっ!創太が危ない!!(汗)

「豊ちゃん覚悟を決めて、でないと終わるよ」

ぐぬぬぬ〜あぁ…もう!もう1回お願いソウちゃん!

了解♪木(コンジキ、聞いておるのだろう。

早く時間を止めんかっ!!ふむ、良かろう)

背景が止まって豊と精霊達だけが動ける。

じゃあいっくよう!待って待って!?

これ誰も聞こえてないよね(汗)

うん!大丈夫だからレッツゴー♡カクシ。


契約・・・

豊「ハナハナハナ(精一杯)

自然の守り神よ、私に力を貸して下さい!」

良いでしょう♪

私はこのおなごに力を授けましょうぞ

「木の精霊:ドリアードの名の下に!!」

(豊と契約を交わし自然エネルギーを魔力に変えて

ドリアードの姿が子供から大人に)

契約終了・・・


……ふぅ。一生に一度の恥ずかしい思い出だ(恥)

コンジキ「なかなか良かったではないか。

かなり安心したぞ、小娘よ(笑)」

へっ?ええぇぇぇ〜〜〜!?

だってソウちゃ…ドリアードが誰も聞いてな……

木「ごめんなさい、いざ私が契約をしようとすると

コンジキが時間を止めてまで

静止状態にし聞きたいという彼の欲を

忘れていなければ(汗)」

……い、いやあぁぁぁ〜!!(恥、照、焦)

こ、ここコンジキさん創太には内緒にして!

「あぁ〜良いぞ。創太以外にな♪」

んっ!?

木「豊ちゃん、今はアレを何とかしなくては。

時間を止めてる意味がない。唱えて!」

はぁ…はぁ……わ、分かった(汗)

じゃあさっきの打ち合わせ通りにやるんだよ♪

う、うん!もうさっきので吹っ切れたよ

豊「自然に優しく☆ソウルマーチ!!」

膨大なエネルギーを蓄えたドリアードの力は

コンジキの空間操作をこじ開けた!


パリンパリン!!・・・

カレン「んっ?な、何だこの力は!?」

山全体に緑が蘇り雲から照らされた太陽の光が

差し込んで植物が発達した!

あらゆる命が山全体の木が大きく揺れて

花などが上を向いてカレンの魔法に絡み付いてきた。

地面や木々達が飛び出てツルや草木が

巨大なハンマーに次々と絡み合って

握り潰すように圧縮してプスゥーーー!!

という氷とは思えない軋む音が響く。

あっ、ああぁぁぁ〜……!?

バランスを崩して別の方向に振り下ろそうとした所を

シエルが尽かさず強力な風を放った!

ブオォォォン!!という衝撃が

カレンと一緒に海へと突き落とした。

ああぁぁぁ〜〜〜(年相応の叫び声)

その光景を隣で見ていたシェアが

山から飛び降りてまでカレンを助けに行った。


「あっ、シェア!?(イーリスが叫んだ)」

フライダーを開いて空を舞った。

チッ。また来る時までに首を洗って待っていなさい!

シェアがかなり怒った声で言い付けた。

(沈み掛けていた夕日の向こう側へ飛んでいく)

はぁ………お、終わったぁ〜(力が抜ける)

「ありがとう豊ちゃん、契約して下さり♪」

ソウちゃん…の為なら私……何でもやるよ!!

うふふ♡ありがとう(大人の声で言い終わると子供へ)

「豊がついに精霊カードをか〜♪

本当、助かったよ。マジで危なかったから(汗)」

遅くなっちゃってごめんなさい!!

創太とイーリスさんも頑張ってくれてありがとう♡

いいってよ(笑)ふん!来るのが遅いのよ!あはは……

シエル「ドリちゃ〜ん!!良かった!

新しいエネルギーが手に入ったんだね♪

元気になって本当に良かったよぉぉぉ(泣)」

「あぁ、シーちゃんも心配してくれてありがとう。

結構ギリギリだったけど無事、元通りになったなの」

はあ〜♪うん!!


そしてお母さんが迎えに来るまで私達は

何も伝えなかった

若奈「お待たせ〜皆んな、精霊さんは

無事に見つかったかしら?」

う、うん。あのね〜お母さん実は…………

(車内に乗り、車を走らせてから話した)

そんな事があったの!?

何やともあれ……豊が精霊さんと契約した事が

私が何より嬉しい事だわ♡

うふふ♪ありがとうお母さん!!

それにキィちゃんが見つかって私も安心したわ。

若奈は車のバックミラーを見てから

後ろの2人とイーリスを含めて一同は見つめた

(それは豊の膝の上で丸くなって寝ている

ドリアードが一番可愛く思えた瞬間だった♪)

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