第10話 「2人の時間」
※第8話について、
なぜ豊が帰って来た時にリーアが飛び付いて
来たのか。
その訳を今から覗いてみましょう!
(こんにちは、私が豊の母親の若奈です。
私はリーアちゃんが起きるまで
いつも家の掃除や洗濯、ご飯を作ったり
家でやれる仕事を日々こなしております!!
こう見えて私はルーナのバディーでした。
「バディーとは、信頼できる人間にだけ
与えられるパートナーです!
決してバディーなって魔法が使えると言った
特別な力は与えられません」
フェアリータウンに帰ってしまっても
お互いを一生忘れられない規約があります。
メリットはそれだけかな〜♪
………それより私が今1番知りたいのは
リーアちゃんが「上位妖精」かどうかを
見定めたいのです!!
「上位妖精が何かって???
妖精の中でも数少ない存在で妖精でもありながら
かなりの実力を持っている強い子達の事。
逆に市民妖精と言われる子達も居て、
上位妖精と何が違うかというと
「まぁ、簡単にいえば市民の子達では
力はあるんだけど戦う事は出来ません。
これが一番の特徴かな〜
戦えはしないけど、逆に上位妖精の子達には
出来ない仕事を完璧に出来る子達なの!
例えば〜家や家具などの建築と設備を作るのが
得意なんだってルーナが教えてくれたわ。
上位妖精の子達の役目は城での警備や戦闘、
女王の護衛と言ったボディーガードの子も居るらしい
市民妖精ちゃんの中でも頭の良い子が居て
それのお陰もあって国は成り立ってるんだ〜♪
妖精ちゃん達はちゃんと考えて行動できる事が
何よりも凄いと思うわ♡」
ちょっと上位妖精と市民妖精で話が逸れちゃったけど
ルーナは勿論、上位妖精だったわ!!
普通は親の遺伝子がどちら共、受け継がれていれば
上位妖精の子供が生まれる。
だけど、今までの全てを思い出してみても
リーアちゃんは行動にも言動にも一理あるわ♪
大抵の妖精さんは認めるけど、認めない場合は
ほぼ確定するわね。
私がなんでそこまで上位妖精にこだわるかと言うと
ルーナの娘なら最初からピンと来てた。
それでも……女王じゃなければ精霊カードは使えない
ただし、もう1人使える子が居る。
それは…………)
「んっ?どうやら、上が騒がしいわ。
起きたのなら都合が良い♪」
階段を音もなく上がって行き、豊の部屋へ
若奈「おはよう、リーアちゃん♡」
あっ、おはよう若奈♪うふふ。
何か良い事でもあったのかしら?
うん!精霊たちが私を励ましてくれたんだ〜
(この時は水の精霊しかいないので全くのデタラメ)
へぇ〜そんな事までしてくれるのね♡(3件目の時点)
「ねぇ、リーアちゃんはさ〜上位妖精か何か
特殊な立場になった事はないかしら?」
リーア(ポカーン)
(少しだけ上位妖精という単語は入れつつ、
特殊な立場って感じに言ってみた。
急な問いに対してどんな反応するかしら♪)
……目をパチパチして。んっ?上位…妖精?
それな〜に♪えっ!(若奈)
「知らない?ほら、ルーナとかに1度だけ
聞いた事ないかな〜(汗)
てっきり知ってる物だと思ったんだけど〜」
じょ…じょ〜遺産♪へっ?!
今日の若奈、面白いね♡
若奈こそどうしたの良い事でもあった?
「えっ?………えぇ〜そうなの(汗)
毎日欠かさず家の掃除をしていると
心まで綺麗になっちゃうんだ〜♪
あはは(ボー読み)」
若奈(だ、駄目だわ。全然、私の問い以上に
ボケる…いつもの事だけど?!
でも上位妖精っていうのを認めてないから
ギリ……ギリオッケー?
起きたばかりだから話が通じないっ!!
どうしましょう(汗)
リーア「・・・」
(うわあぁぁぁ〜どうしよう!?
若奈に上位妖精なの気付かれた、なんで?!
あっ、でも今までの私の行動って普通じゃ……
ないかも?(汗)
あぁ〜豊が帰ってくるまであと何秒?何分!!
若奈から離れたい。けど〜…怪しまれるよね)
お互いに大騒ぎしていた。
そして2人は攻や守を上手く使ってキリがないと
思い若奈が動いた!
「そういえば、リーアちゃん喉乾いたよね?!
ねっ?持って来るからリビングで待ってて♪」
若奈はすぐさま部屋を後にした。
リーア「あっ、お構いな………く(汗)」
うんっ!(リーア静かに!!)ぇっ?
どうしたのウンディーネ?
……もしかして扉越しにいるって事(小声)
ウンディーネ(はい、その通りです)
ぅぇ〜!?仕方ないな〜あの手で行こう!!
若奈視点・・・
(う〜ん、やっぱり扉越しだと
上手く聞き取れないや〜はぁ…(汗)
でも待って……私がこういう事してるの
精霊さんに気付かれてるかも!?
ここは潔く、認めて飲み物を入れに…んっ?)
再び耳を扉にくっ付けた。
ボコン!「?」ボコンボコン!!えっ?
(り、リーアちゃん一体中で何しているの?)
ドアに何回か大きな音が衝突するも
その音は徐々に無くなっていき、
逆に心配になった若奈が恐る恐るドアノブに
手をやった。
中からドアノブが横から下へ降りるのを
確認し、リーアは豊の引き出しから出た!
ガチャ……バシャーーー!!!!!!
扉を開けると豊の部屋にギッシリ入った水が
若奈に向かって津波のように溢れ襲い掛かる!!
「リーアぢゃん?!(水を含んだ状態で喋る)」
豊の部屋から水が溢れて階段へ流れていった
若奈「・・・」一体、部屋で何を〜???
ってかリーアちゃんは!?
(慌てて部屋の中を見るが、姿はなかった。
まさか下に流されて……!!)
階段を降りる途中で「うぎゅ(汗)」と言って
若奈は疑問を抱きながら下を振り向くと
リーアを少し踏んだらしい。
「えっ?…あっ!?リーアちゃん、ごめんね!
少し踏んじゃったみたいだけど?!」
目がバッテンになって気絶した。
あっ……ぁぁ〜若奈、酷いよ〜(リーアだよ)
踏まれたのがトドメだったようだ(汗)
3分後・・・
リビングの机の上にポケットティッシュを
乗っけて豊が作った布団を添えた。
若奈「ごめんなさい。本当にごめんね?
私…真面目に反省したわ、妖精さんを
踏んづけるなんて〜酷い事を………
リーアちゃんを今後一切、疑う事をやめるわ。
だからお願い!!絶対、起きてね!」
リーア(……んんっ?そうだったんだ。
やっぱり疑われてたか〜(汗)
若奈、分かってくれて嬉しいよ!!
私も少し、やる過ぎちゃった面もあるし。
これからも精進しなきゃだね♪)
「はっ!あれっ?………私って確か〜???」
若奈「あらあら、もう起きてくれたの?
回復が早いのね。流石、上位妖精さん」
そうそう、若奈を欺く為にやった事とは
いえ流石にやり過ぎちゃった〜って〜……
えっ?「あら、そうなの♡」
あれっ?若奈、もう疑わないんじゃ………
うふっふっふ(笑)引っ掛かりましたね♪
上位妖精についても認めてくれて
私はとっても嬉しいですよ?(笑みと怒り)
リーア「……えっと〜若奈さん?!」
んっ?何かしら、リーアちゃん?
「ご、ごごご…ごめんなさい!!」
待ちなさい(大きな声)いやあぁぁぁ〜〜〜!!
リビングの外へ逃げようとするも退路を
断たれて押し入れに飛び込んだ。
ガタンガタン!!音を立てながらふすまの扉を
左右と開けたり閉めたりと何度か若奈を
惑わすものの真ん中に扉を追いやって手を伸ばす
ぎゃあ〜!?(リーア)押し入れの天井に
杖(木の枝)で丸を描いて上へ逃げた!!
「あっ、やるわね(汗)」
カタカタ(震)「ど…どうしよう。豊〜〜〜」
(リーアが今隠れている所は納戸
押し入れの上と丁度、繋がっていた)
バケツの後ろに体育座りをして隠れていると
納戸の扉が開いて光が差し込んだ!
(あっ)来ちゃったよ(小声)
手探りで探す若奈と若奈の姿をはっきり
捉えているリーア。
バケツを退かそうとしたその時はだった………
玄関の扉が開く音に気付いて納戸から飛び出た。
若奈(まずい、こんな時に豊が帰ってきた(汗)
とリーアの後を追った。
「お・か・え・り豊〜(涙)」
泣きじゃくりながら豊の顔に飛んできた。
えぇ〜!?どうしたの。
リーア「若奈とお留守番、怖いよ〜(汗)」
お母さん、リーアさんに何かしたの?
違うわ(苦笑い)私がそんな事する訳ないわ♪
(慌てて若奈が合流した理由がコレ)
そして火事の現場に行かなかった若奈。
(そもそも豊達が行く事すら報告されて
いなかった人でもある)
若奈の夢・・・
ワンサイドアップ(右)ストレートのルーナと
髪がショートだった時の若奈が過ごした時間。
「ねぇ、若奈。若奈は…大人になりたい?」
アイスコーヒーをチマチマ飲んでいる最中で
衝突に言われたので飲むのを辞めた。
えっ?(ルーナがそんな事を言ったのが初めてで
最初は驚いた。それでも私は答えた)
若奈「私は別になりたくてもなりたくなくても
時期になっちゃうものだと思うよ?
それに私は早く大人になりたい!!
大人になってもルーナみたいに人間界に来た
妖精さん達を自分の手で救いたい!」
んっ!………だからルーナ。
あなたはどうして、大人になりたくないの?
……なりたくない訳じゃないの(汗)
じゃあなんで?
「もう残す精霊カードはあと一枚。
地のカードさえ、手に入れれば私は
若奈ともお別れしなくちゃいけないし……
若奈との時間が1番楽しかったのに(涙)
フェアリータウンに帰りたくない」
「ルーナ?!」
(嘘、今までこんなに私と居た時間が楽しい
って言われたのルーナが初めてだよ(涙)
えっ?えぇ〜そっか、お別れしちゃうのが
嫌なんだよね?
フェアリータウンに戻ったら私とは
一生会えなくなっちゃう事が分かってるんだ。
だからルーナはこの関係を終わらせたく…でも!
コレを全て集めたのは私の為じゃない。
ちゃんと言わなきゃ伝わらない!!)
「私ね〜ルーナからその言葉が聞けるだけでも
凄く嬉しいんだよ?(涙)
後先考えて慎重に行動したり怒ったり笑ったり
するルーナの表情が増えて私も嬉しかった。
楽しかった♪
けど何の為に人間界に来たか思い出して欲しい!
ルーナだってフェアリータウンを救いたい
一心で人間界に来てくれた!!
それだけでも凄い事なんだよ♪」
(精霊カードを見せた)
「この精霊カードを探しに来たおかげで
私はルーナとルーナは私と会えた。
あなたはその目的を果たす時なんだよ!
大人になりたいとかなりたくないとか
関係ない。
全てはルーナの為、フェアリータウンの為に
私は協力をしてるの!
それだけは絶対に忘れないで欲しいルーナ(涙)」
はっ!……うぅ…ん。ありがと…ありがとう(泣)
お別れの時・・・
邪見もその幹部も倒した。
「妖精の世界が明るくなる時、私は導くのです」
ルーナ(若奈、ありがとう。私、覚悟はできてた。
突然なお別れなのも分かってた♪)
「………(涙)若奈。今までありがとう!!
この思い出は決して消えないわ(笑顔)」
若奈「私も!!ルーナのおかげで変われたよ♪
本当の本当にありがとう!!!!!!」
(フェアリータウンと人間界の境目が閉じる時まで
私達は手を振り合った。
こんなに楽しい毎日が続けば良かったと
そう思えるほど、私は変われた!
ありがとう…ありがとうルーナ。大好きだよ♪)
若奈は眠りながら涙を流した。
「むにゃむにゃ……ルーナ(涙)
私も〜感謝してる…のよ」
ドタドタドタドタ!!!!!!(足音)
翌朝・・・
ふぁ〜あぁ(あくび)うーん♪よく寝れた〜!
と呟きながら廊下を歩いていると驚いた。
なんと火事から帰ってきた豊と創太は
疲労のせいで2人重なって廊下で寝ていた!!
「えっ?あら…あら(困惑)どうして2人が。
それに創太くんは帰ったはずじゃ?」
……少し考えてから2人を自分の寝室へ
運んで置いた。
若奈「おやすみ、お2人さん♪」
リビングでテレビを見た・・・
「続いてのニュースです!!
昨夜、故郷市の第五公民館が燃焼しました。
ですが……今回は燃焼だけでなく
大規模な爆発が起こったと通報を受けましたが
周りの住宅には被害は及んでいなかったのが
幸いでした。
どうやって免れたかというのは我々も分かって
いませんが、別のカメラで捉えた映像です!
(豊と創太が居たであろう場所には2人は
居なかったが、代わりに精霊2体が
映り込んでしまった)
これが何者かどうかも専門家も分からずじまい、
ですがこれにより連続放火事件は
無いとの見込み」
(今の映像ってコンジキとサラマンダー!?
どうして。はっ!今までの火事が火の精霊のせい
なら、金の精霊はなぜ?
そういえば……豊が帰って来て
リーアちゃんに渡したあの精霊カードは偽物!?
うふ♪あなたの作った精霊カードが
今でも役に立てていますよ♡)
若奈「放火事件に終止符が付いた所で
私のやるべき事をしましょうかね♪」
その後・・・
学校が休校になったので2人は家に居た。
起きた2人はリビングで若奈と話し始めた!
豊「お母さん、お母さん!!
火の精霊カードと金の精霊カード
2枚も貰ったよ〜♪」
あら、凄いじゃない!?
それに金の精霊は創太が契約したんだ♡
「えっ!創太くんがコンジキに認められたの!
本当に凄いじゃない!!
私が期待していたレベルを遥かに超えるなんて」
創太を褒め叩いていると1人しょんぼりしていた
……私は他の精霊さんと契約しなきゃ
使えないって言われたの〜(汗)
若奈「そうね、きっと豊にも良い精霊さんが
付いてくれるわ♪」
本当!!やった〜!開き直るの早過ぎだろ(汗)
「とりあえず僕が金の精霊カードを持つ事に
なったので自由に使えるようになりました。
気に食わない事を言わないように頑張ります」
えぇ〜頑張りなさい♡
「くれぐれも2人共、精霊さんが少し増えたから
と言って浮かれちゃ駄目よ?分かった?」
はいっ!
「次の精霊カードも認められると良いね創太♪」
そうだな。頑張ろうぜ、豊☆うん!!
若奈(本当に私達よりもずっと頼もしいわ♡
まぁ……順調に事が運ぶとは思っては
いないのだけど、とても楽しみだわ♪)
綺麗な青空が映し出されて微かに笑い声が
聞こえたのは…気のせいかな?