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VRだけで他の人と交流ができるゲーム。ゲームの中では考えるだけでゲーム内で動くことができ、何でもできるし、小さな個室でも遊ぶことができる。しかし、悪魔になることもでき、フリーなゲームである。
「どこに行ってたのー?」
私が立ち上がると、コナミさんが走ってきた。
「ここだけど…」私は出来事をすべて話した(あのケンカ以外は)。
「へー、そんなことがあったんだ。」彼女は何かを考えていた。
「まあこんなことになったのもササミのせいだけどね。」
少年が私の名前を知っていた!
「どうして私の名前を知ってるの!?」
私は目を丸くして1歩前に出た。
「そりゃあ図書館に何でも書いてるからさ」
「まずそっちがココミでしょう?攻撃力に極振り(きょくふり(すべて入れているってこと))している人、そこはササミ、スピードに極振りしすぎて少しドジな人。」
私はむっとした。
「ドジって何よ!」
すると、彼は一息はいてからこう言った。
「だってさっきめちゃくちゃふっ飛んで行ったけどあれってササミのせいじゃないの?」
ウ…
「負けました…」
「それに今来た彼女はコナミ。」
彼はコナミさんを全手(ぜんて(全部の手))で指さしながら言った。
「オーナーと知り合いでよくゲーム内で物を貰っている。」
すると、もちろんのことだけどコナミさんは驚いた。
「何でそこまで知ってるの!?一度も行ったことがないのに…もしかしてストーカー?」
彼女は少し気味が悪そうに下がった。
「んなわけないでしょ!」
かれは 突っ込むように叫んだが、周りに見られていることを気づき、ハ、っと黙った。
すると片手をグーにしてもう片手をパーにして、グーの方でパーの方をたたいた。
何かがひらめいたようだ。
「あ!、そういえば名前は何?」
そういえばどうだった…ずっとほかのことで気がとられていて完全に聞くことを忘れてた…
「僕の名前は…」
急に彼が口ごもった。
ん?
「カナデだっけ?ハナギ…サナキ…」
急に彼は時計ボタンを押した。
「ああカナデだったよ。」
彼はニッコリしてこっちを見てきた。
ズコッ
私たちはあきれすぎてこけた。
すると、そこら辺から「「「「「ハー」」」」」と、ため息が聞こえた。
この店にいる人たちもこの話を聞いてあきれたらしい。
「自分のニックネームを忘れたの?」
肩の力が完全に抜けて、腰が曲がっているココミがあきれて聞いた。
「普段全く自分の名前を出さないし、ほかのことを覚えてたからね。」
今度は動揺せずに答えた。
「それじゃあさ、私たちのギルドに入らない?」
私はなぜかそういってしまった。
すると、彼は
「いいよー。どうせいつも暇だし。」
とこっちを見てにっこりした。
私は思わずカナデに飛び込んでしまった。
すると、忘れていた生き物がいた。
ナインテールだ。
彼はずっと横で私たちのことを見ていた。
私が飛び込むと、サッとしっぽを振った。
そのしっぽは私の顔に直撃した。
ドカ、ガシャーン
「いたたた…ハハハ」
私は何故かうれしかった。
「それで?いったいどこに行くの?」
私はココミとコナミさんが隠していたことを思い出して聞いてみた。
「それは…」
山の裏の、自国の王国よ。