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「やっと終わったー」私は地面に倒れこんだ。「いや、これをもう一回やらないといけなかったのはあんたのせいでしょ」ココミは私をにらんできた。「そ、そうだけど…」私は言い訳をぶつぶつと話した。

「なんか言った?」カナデも私をじろりと見てきた。「い、いや、何でもない…」私はしょんぼりと小さくなった。「まあまあ、とりあえずゲットしたんだから結果オーライでしょ。これで全部そろった?」コナミさんがなだめてくれた。

「そういえばほしいアイテムがあるんだよ。手伝ってくれるかな」カナデは遠くを見た。「もちろんいいよ」私は何一つ考えずに答えた。

「終わったわね」と、コナミさん、「終わったな」と、ナギトさん、「終わったね」と、ここにが口々に話した。「え?なんで?」だが、3人は知らんぷりをした。


「ここか~、デカー!」私はその門を見上げた。

大きさは私が何人いても足りないほどだ。色は灰色、持つ場所がないので多分押戸だろう。

私は思いっきり突っ込んだが、びくともしなかった。壁を通り抜けることができるほど分厚いということだ。

私はカナデを見た。カナデは何かを真剣に考えていて、気が付いたのかとを見上げた。「ねえ、ササミ」彼は私のほうを見てきた。


「オッケー、やってみる」私はカナデの考えを活用した。内容はこうだ。

「この門にはあそこに球がある。あれを壊せればいいんじゃないかな、だからササミが壁を駆け上がって爆弾を設置し、爆発させればいいと思う」とても簡単なことだ。私にはただのデコレーションにしか見えなかったけど。


私は爆弾を渡してもらった。

普通の私なら壁を駆け上がって爆弾を置く。だが、今回は少し異なる。私は『飛行(フライ)』を使った。「いつの間にそんなスキルを習得したの!?」ココミがわかるはずもない。彼女のわからない一瞬で終わらせたことなのだから。

私は胸を張った。「それは内緒」だが、カナデがすべてをばらしてしまった。「これは怒蝙蝠(アングリーバット)から入手できるスキル、でも怒蝙蝠(アングリーバット)は普通洞窟の中にいるモンスター。だからさっきのダンジョンで習得したものだろう」私はカナデに突っ込もうとした。「ばらさないでよー!」ナギトさんがそれを突っ込みで止めた。「仲間を殺す気かい!」彼はため息をついた。

「お前たちはもう目的を忘れたのか?」私は思い出した。カナデの欲しいアイテムを回収しに来たということを。「それじゃあとりあえず置くね」私は空に飛んでいき、赤い球に貼った。

「これで良しっと」下からカナデの声が聞こえてきた。「その場から離れろー!」私は首を傾げた。爆弾は手動で爆発させるものだと思っていたからだ。だが、もう遅かった。爆弾は球に触れてから数秒後、爆発を起こした。

私は速さにすべてを費やした人間だ。だから防御力は0、普通の人には耐えることができる爆発にでも私は耐えることができなかった。

私は宙に吹っ飛び、粉となって消えた。「あちゃー、死んじゃったな」ナギトさんは頭をかいた。「うん」コナミさんも苦笑いしていた。

なぜ私が死んだのに皆が慌てないかは説明しよう。ここでは死ぬとハブ(世界の中心)に戻り、何事も起きなかったかのように過ごすことができる。

問題はダンジョンなどに入っていると戻ることができないということだ。

が、もしもイベントに入っていると話が違う。イベントではイベントで異なるが大体のイベントは死ねばリスポーン(あるいは死から戻る)ことがない。死んだ後にはハブに戻され、ライブの画面で見ることしかできない。


私は爆発に巻き込まれ、死に、ハブに戻されてしまったのだった。

「もっとカナデに聞いておけばよかったよ…」ハブに戻ったと認識すると、しょんぼりした。

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