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「こいつが獲物を見つけたらしいぞ」耳をふさぎながらもナギトさんは笑っていた。
「え、獲物?」私は驚いた。「らしいね」カナデも納得していて、僕は全く意味が分からなかった。
ドラゴン…じゃなくてへクシラゴンは森の一部目掛けて突っ込んだ。「ぎゃ!」奥で1人の男性が叫び声を出した後にも、他に叫び声が聞こえてきた。
「???」私はポカリとしていた。「いったい何が起きて…」コナミさんが言いかけると、へクシラゴンが戻ってきた。「よしよし」ナギトさんはへクシラゴンの頭をなでると、なぜか手を差し出した。
その後、ありえないことが起きた。
へクシラゴンがナギトさんの手にコインを吐き始めたのだ。「な!?」カナデもこの展開にはびっくり仰天。そこに茫然と立っていた。
「ありがとね」もう一度撫でてからコインを見た。「結構倒したな」ナギトさんははー、とため息をついた。「こんなにコインを持っていては必ず1位になってしまうな…」オヨオヨとしているへクシラゴンの横でナギトさんはウーンと考えていた。「そうだ」彼はコインをすべて自分に渡し、何かをチャットで書き始めた。
「俺を倒した人はコイン30枚獲得できるよっと」どうやらオープンチャットで送ったのだろう。私は驚いた。「そんなこと言ったら狙われるよ?」「それが目当てだよ」「へ?」そういっていると、早速1人目が出てきた。
「おら!」大きな斧をナギトさんに振り落としてきたが、ナギトさんは軽々とよけた。「俺は殺しとかしたくないから…」そこへもう一人来て、二人目はナギトさんを反対方向から襲ってきた。
「よっとッ」ナギトさんはジャンプすると、ありえないほど高く飛んだ。10mほど飛んだかもしれない。
斧と剣をり下ろした2人は上を向くと二人とも、相手も武器に顔をぶつけられた。「グァ」「ギャッ」2人はばたりと倒れ、HPが0になった。2人が消えると、そこには2つのコインが落ちていた。
「攻撃をしなければいい」彼はコインを拾い上げ、私たちの所へいた。「これ、あげるよ」彼は私にめがけて投げてきた。「わ!」私はキャッチをし、見ていた。「ほんとにいいの?」私は目を丸くしてナギトさんを見た。
「別にいらないし」ちょうどいいところだったのに、お客さんが現れた。
お客さんが大きなハンマーを振ると、「よっと」上に飛んだ。すると、重かったのかハンマーと一緒に回り、こけた。頭目掛けてハンマーが落ちて、自分の武器で倒されていた。
「ナギトさんこわッ」カナデはめちゃくちゃ引いていて、アナンお腹に入っていた。みえていたのは顔だけだ。「いや、そこまで言わないでよ!」大声を出したのか、そこら中にいたモンスターやプレイヤーたちの目を引き付けてしまった。
「ヤバいかも…」ここまで来るとは予想していなかったのか、ナギトさんの額には汗が流れていた。
いったいどうすれば… 私は頭を回し始めた。