第51話 閑話。皇女、夏の宿題。
フェリシエンヌの故郷ノォーミクは温泉の町だった。
見た事の無い物も沢山あった。
冬期の宿題のテーマはこれにしよう。
そうルシール皇女は思った時が吉日よ?
◇◇◇
『領都ノォーミクの温泉』
2年1組、ルシール・エリアーヌ・ド・ヴァレリー
ファテノーク王国ノォーミク侯公爵領都ノォーミクは温泉の町です。
あちらこちらで温泉の湯気が源泉から宿や浴場に引く為のパイプの繋ぎ目から吹き出て居る湯気の町です。
温泉は入浴だけでは無く、お菓子作りにも使っています。
温泉の湯気を使いお菓子を蒸かしていました。
『温泉まんじゅう』と言うお菓子です。
食感は白パンの様にふかふか柔らかく甘い味で、中に『あん』と呼ばれる水飴より甘い物が入っていました。
作り方は教えて頂けませんでしたが、材料の一部は聞けました。
甘さの秘密は『テンサイ』と言う大根の一種でファテノークの北部で作られている砂糖を抽出出来る根菜だと言う事です。
白パンの様な生地は『米粉』で作るとの事。
温泉のお湯で作る『温泉玉子』。
お湯を沸かす必要無い茹で玉子です。
温泉の素の源泉の温度は百度近く有るそうで、茹でる玉子には良いですが、人は入ると火傷するぜ。って言われました。
浴場の温泉は源泉を水で薄めているので、人が入れるそうです。
『大衆温泉』と言う一般庶民の入る温泉を体験しました。
住民は毎日温泉に入っていると言う話しでした。
温泉のお湯の色は真っ白で『乳の湯』と呼ばれています。
お湯の成分は硫黄といろいろな成分が入っています。
温泉の入浴は肌に良く、皮膚病の治療に良く、肩こりや節々の痛みにも効く為、長期で逗留する方も多い様です。
後、肌がスベスベに成る効果があると言ってました。
ノォーミクが温泉の町である歴史は古く、今から四百年程前、強化種の若い女性が掘った穴から沸いた温泉が始まりだと言う事です。
今では、寒い冬も暖かい温泉があるので凍死する人は皆無です。
源泉の色は黄色っぽい緑でした。もし源泉がちょうど良い湯加減だったとしても強い酸が皮膚を爛れさせるので危険なのだと言う事でした。
◇◇◇
「はいー。宿題提出しろーーー」
新学期、サラサ先生が宿題の研究報告書を集めた。
「ジュリエット、ルシールちょっと教員室に来い」
翌日、サラサ先生に呼ばれ、教職員室に行くと、
「何でオマエラ同じ内容の研究なんだ?」
その時、ルシールは気が付いた。
ノォーミク侯爵邸の書庫で、どうしてジュリエットが同じ本を読んで居たのかを………。
同じテーマだったんだ。




