第21話 生徒会弾劾と真珠達。
性的な表現があります。
苦手な方は、飛ばして下さいませ。
◇◇◇
12月19日。期末試験の結果が気になる生徒の多い中、生徒総会は始まった。
壇上に生徒会長以下副会長、書記、会計、庶務の5名が並び総会が始まるはずだった。
『壇上のローレライ』が壇下に立っている。
「生徒総会を始める前に私から報せがある。先ず、今年の四月に自主退学した女子生徒、昨年度に成るが………、今期の生徒会の会計をしていた娘ですが退学後、自害していた事が分かりました。平民の娘で親御さんは大貴族相手でしたので、と泣き寝入りだったと今週、調査の結果判りました。後は生徒会室の私物化の苦情についての調査を本日から初めたい。以上です。では、生徒会長始めなさい。」
壇上の生徒会役員は、遠目にも顔が青ざめているのが良く分かった司会進行役であるはず副会長は、司会をせず身体が震えて、司会等出来ない様子だ。4~5分時間が過ぎた頃、四年生の女生徒が壇上に上がった。
「四年のコレットです。私が司会を致します。おそらく私が相応しい…。この司会に相応しいと思います。その前に先生方にお願いがあります。講堂の出入り口を見張っていて下さい。誰も逃げられ無い様にして下さい。」
当然、生徒達はざわめいた。
「私が司会に相応しいのは、この後ろに並ぶ奴等に乱暴…、いいえ、コイツ等に犯されたからです。その下に並ぶ生徒の中にも私を犯した奴が何人か居ます。先ず。生徒会役員庶務から…。彼の解任に賛成の方は挙手を……。」
本当に「ズダダッ」って音が出るんだー。とぼんやり思ったロイクくん。
役員全員の解任は否決されず、満場一致で可決された。
「最後にこの中に何十人か被害者がいるはずです。初めて私が乱暴をたのは先月なので、きっとそれ以前も同じ事をしていた筈です。後で先生に名乗り出る事を願います。」
「では、生徒総会、終わりですね。…そこの君ぃ!動くな。」
意外と大きい声の学園長。
「…あっ、それから警吏の皆様がお待ちですので心当たりの有る方は残りなさい。」
「賠償金や刑期については裁判の時ですよー。悪しからずぅ。」と言いながら学園長は警吏の皆様を招き入れるのであった。
◇◇◇
「実はね、誰が司会をするかリバーシで決めたの!」
昼休みの学食、午前中の総会で司会をした先輩がアンリエット達のテーブル来て言ったのだ。
その先輩は昨夜、被害者の女生徒達と集まってリバーシ、オセロをしたのだと言うのだ。
先輩自身『泣き寝入り』する気など更々無く、今回渡りに舟だったと言うのだった。
それで、おそらく被害者であろうと思われる女生徒数名に以前から声を掛けていたのだそうだ。
先輩は伯爵令嬢なので帝都にも邸宅があり、そこでオセロパーティーをやったの、と微笑んだ。
何故、私達にその事を。と言うと問いに対し「オセロでちょっと…」ああ、成る程ぉー。なんて返したが、本当はルシールを慮っての行為だったのだと皆思った。
ルシール皇女は『アデリーヌ学園』を誇っている節がある。最近では、学園が我が家と言う言動もある。それが、学園始まって以来の不祥事…、集団犯罪だ。
しかも、皇女自身の在学中に……。
コレット先輩は、ルシールを気遣ったのだろう。
そう思うのだった。
「こう言う理不尽な事件って無くならないのねぇ?」
とフェリシエンヌは言う。
「本当ね、どうするのが良いのだろう。」
とルシールが言った。
「教育よ。人の道を説く『教会』も大切かもだけど、教育が大きいのっ!」
アンリエットは誰に話すでも無くそう言ううのだった。
◇◇◇
・被害生徒17名(内、加害生徒に脅され協力した4名含む)
・加害生徒15名(脅され協力した生徒6名含む)
三月に生徒会が発足した直後からの犯行だったとルシールから聞いた。
◇◇◇
『冬至祭』がある。
この日、町は色とりどりに飾り付けられ松明が掲げられそれはそれは綺麗なの!
そんなお祭りここでもあるの?
そんな話題を振ったフェリシエンヌ。
本好きのアンリエットは知っていたのだが言うのを留めた。フェリシエンヌに教えていなかった負い目も何となくあったからだ。
「24日の夕方位から始まって、街は夜通しお祭りよ!」
フェーは驚いた。フェリシエンヌの知るプラティーヌの町の『冬至祭』は冬至の当日の朝から夜中迄だったからだ。
如何に綺麗か如何に素晴らしいかとっても自慢したかったのに、ガッカリだった様だ。
アンリエットはそうなるであろうフェリシエンヌを知るからこそ言いあぐねていたのだ。が、これは言い訳であると言うのも知るアンリエットだった。
◇◇◇
ここは帝城ブレの皇宮。ルシールの居室だ。
あの生徒総会の後味の悪さに何となく集まって何となくこうなった。
「サラサ先生が言ってた25日のダンスパーティー、アンリ達、貴族とかの特権階級は参加するんだろ?」
「あら特権階級と言いましても、わたくしは参加しませんわ。」
「えぇなんでぇ?」
「侯爵様は…、わたくしの御厄介になっているお家のですけど『出なさいドレスは私が用立てする』と仰って下さいました。でも御断り申し上げましたもの。だって貴族、と言われても男爵、その三女ですの。ほぼ平民ですのよ?」
(((そうだ、この子はそん感じだった)))と心の中だけで言うアンリ、フェー、ルシー、ナディ。
「ジュリさん、参加した方が良いと思うけど…。私が言うのは変だけど、そう言うパーティーで将来の相手探すんだろ?ジュリ綺麗だしー。」
「(ナディーさんの整ったお顔で言われますと何故か腹立たしいですわ)ナディーさんこそ御参加されませんの?」
「私は将来の伴侶探しとかいらないし…。」
「ナディちゃん、婚約者いるのぉ?」
「あっ!フェー、それ聞いちゃダメなヤツッ!」
「あ、問題無いよ、と言っても種族的に伴侶は決めないんだ。ほら寿命長いでしょ一人じゃ収まら無いから私達って、」
「そっかー」と納得顔のフェー。知ってる顔のルシール。何か勘違いしているであろうジュリエット。
「『一人じゃ収まらない』って、何本食らうのですのおおおーっ!!!」
いやいやそうじゃ無くてー。と懇切丁寧に教えるアンリエットとルシール殿下のはずだったが、ここで邪魔が入る。
「こんこんっ」と扉を叩き、入って来たのはエミール先生である。
「おや、御客様かい僕のルシー」
「兄上、今日は来ないで、と…。」
(((あーいつも来るんだーでーいつも拒まないんだー。)))
そして、以前エミールが東の丘を歩いた時の会話を思い出す。
(「…僕好きなんですよこの丘の名の由来。」って、エミール先生言ってたなあ……。ルシールのセカンドネーム『エリアーヌ』だったわー。多分シスコンだ。確定でビットだわあ。で、ルシールもブラコン確定でおk!)
恋は覚めるのも早いのです。アンリエットのおそらく初恋は、ここに終了しました。
「せせせ、先生ぇナディーさんの種族って、だだだ、男性を何本も咥えるって、ほほほ、本当ですのお!?」
◇◇◇
「ああそう言う事ですの。つまりナディーさん達は青年期がわたくし共と比べ長いので恋愛するのも長いから必然的に何人か変わって行くとそう言う訳ですのね?」
「まあそんな感じ。それで、名乗りの時は必ず父親の名を先に出すんだよ。私の場合『フィルディナンの子』ってね。それと寿命が長いと子ども授かり難いらしんだ。逆に寿命の短い『強化種』なんて多産らしいよ。」
「ところで兄上、何時までここに居るつもり?」
「ああ、すまん。その、性教育的な質問だったので教師として教える事も有るかと思いましたので…。」
「そうだぁ、先生ー。ナディちゃんとジュリちゃんにダンス教えて欲しいのぉ。」
そうしてジュリエットとナデージュは夜遅くまでダンスのレッスンを受けるのであった。
翌日、乗馬の練習は大丈夫なのだろうか?




