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第五十二話

明後日投稿するといいつつ大分遅れたことを謝ります。


「な、なぁ。本当に二人だけで行くのか? 短剣使いと魔法使いだけで?」

「大丈夫大大丈夫。これが意外と何とかなるって」


 バロンに魔の森での狩りの提案をした後、なんだかんだでバロンが了承してくれた為、俺はバロンと共に魔の森に訪れていた。といっても何の準備もなく森の中に入った訳じゃない。今はまだ森の入り口前で準備段階だ。

 ただ、入口近くに来た時点でバロンが若干不安になり始めたのか、そわそわと落ち着きが無くなりなんども本当に行くのか? と俺に問いかけて来た。

 攻略組に嫌気がさし始めているとはいえ、仮にも今までタンクと魔法使いの構成で安全で効率的な戦闘をしてきていたんだ。タンクとは程遠い俺と魔法使いのバロンの二人では不安になるのも仕方が無いだろうけどな。なんども大丈夫とは言ったけど、不安が消える事はないようだ。

 

「あのアニーのパーティーメンバーなんだから腕は確かなんだろうが、あのエルフの魔法使いとか筋肉がすげぇ格闘家は兎も角メイが戦った所は見た事がねぇだろ? 不安にならねぇ訳がないだろ。コンティニューなんてないんだぞ? やっぱり戻らないか? 流石に不安要素が多すぎる」

「その不安要素の塊の提案を受けたんだろ? ここまで来たんだから四の五の言うなって。それに万が一に備えて入口付近だけで奥まで行かないって約束したろ?」

「そ、そりゃそうだけどよ。それでも俺はMPとINT以外はAGIにしか振ってないんだ。俺一人なら速攻で逃げられるが、いざというときはお前を守る事は出来ないんだぞ?」


 まさかの俺を心配した結果らしい。短剣使いの俺をフォローしようとしてくれていたのか。確かにバロンはモルガーナとサオリの戦闘を見てるけど、俺の戦闘を見たわけじゃないからな。道化師は短剣使いの様な物といったから相応にDEFが高いジョブじゃないし。これなら道化師がDEX以外のステータスが半減するなんて言わないほうがいいだろうな。どう考えても問答無用で引き返す事になる未来しか見えない。

 それはさておきそろそろ準備も終わりにしないとな。念の為パーティーメンバーの画面を開く。今のメンバーはバロン一人。よし。問題ないな。

 続いて装備を確認。俺の装備はレプラから貰った野ウサギシリーズのままだ。


装備詳細▽


・装備補正:【ウサギ皮の良質な帽子+5】


常時、DEFの値-5

常時、DEXの値+12

・装備補正:【ウサギ皮の良質な服+6】

常時、DEFの値-8

常時、DEXの値+15

・装備補正:【ウサギ皮の良質な外套+7】

常時、DEFの値-10

常時、DEXの値+20

常時、DEFの値を1割減

常時、DEXの値を1割増

・装備補正:【ウサギ皮の良質なズボン+5】

常時、DEFの値-8

常時、AGIの値+17

・装備補正:【ウサギ皮の上質な靴+6】

常時、DEFの値を1割減

常時、AGIの値を1割増 


・装備補正:【双星の祝福】※メイ専用アイテム

スキルのリキャストタイムが1割短くなる。

称号【三流芸人】を所持している為更に1割短くなる。

称号【二流芸人】を所持している為更に1割短くなる。

称号【???】を所持しているなら追加効果解放。



最近は全く確認していなかったが、前と変わらないDEFを低下させる代わりにDEXを大きく強化する事を目的とした装備の補正。これまではただでさえ無振りで半減したDEFを低下させるという弱点を更に弱化させるようなこの装備のせいで冷や冷やモノだったけど、最近はアニー達のお陰でそれが補えていた。5人で分散していたヘイトが今回は二人で集まる事になる。バロンが後衛職であることを考えると実質俺一人でヘイトを稼ぐことになるし、久しぶりに冷や冷やした感覚を覚える。

装備一覧の最後を見て、ふと指にはめられた指輪を見る。リーノとルーノから貰った白と黒の二つが捻れ合う指輪は、今も俺の指で独特の光沢を帯びている。結局この【???】の部分はまだ解放できていないけど、それでも現状俺は【三流芸人】の称号を持っているから二割のスキルリキャストタイムの短縮が出来る。二人の祝福が守ってくれることを祈ろう。

団の皆は元気かなーなんてちょっとしんみり懐かしんでいると、痺れを切らしたのかバロンがまた声をかけてくる。

「おい。本当にそんなに気楽で大丈夫なのか? 大体、準備するとか言っておいてさっきからずっとお手玉してるだけじゃないか!?」

「お手玉じゃなくてジャグリングな?」


 戦う為の準備なんだから仕方ないけど、成功スキルはあまり広めたくないので譲れない部分だけ訂正して他は答えない。地獄のようなあの一週間のお陰でステータス画面をいじりながらジャグリングするくらいならお手の物だ。


【ジャグリング:成功!】

【スキル:成功!】 【連鎖!】

【ジャグリング:成功!】

【スキル:成功!】 【連鎖!】

【ジャグリング:成功!】

【スキル:成功 !】 【連鎖!】

【ジャグリング:成功!】

【スキル:成___


ジャグリングをして、成功する度にDEXの上昇するスキル【ジャグリング】。そして何かが成功する度に調子が良くなる__全ステータスに1加点される【成功】スキル

 【ジャグリング】スキルでジャグリングが成功する度にDEXが上昇し、それに伴い【成功】スキルがスキルの成功判定に反応して更に全ステータスに加点が入る。短期間中で成功スキルを発動させたことで【連鎖】ボーナスで更に1加点されるから更にステータスが高まるおまけつきだ。

だいたい三分くらいずっとジャグリングしているだろうか? バロンも限界だろうしステータスもあらかた見終わった。そろそろ森の中に……って、あれ? ふとステータス画面の中に見えた一つの称号が目に留まる。



【ラビットジェノサイダー】

 一体ウサギに対してどんな恨みがあるのか? そう聞きたくなるほどにウサギを執拗に突け狙い、残虐なまでに虐殺してきた者へ与えられる称号。ウサギに対してだけならまさに一騎当千。たった一人で千のウサギを殲滅する姿は鬼の如く。まさに一鬼兎千。

 ウサギ種に対して攻撃の際にSTR・DEXが増大。ウサギ種に対して絶大なダメージを与える。

 ウサギの恨みを買い、ウサギ種からの敵意が増える。

 

 そういえばこんな称号もってたなぁ……。ウサギを控える様になって……というかこの後すぐレプラに連れられたりサーカス団で特訓イベントになったりしてすっかりわすれていたけど。

そう考えると昨日やたらとウサギしか出てこなかったのはこの称号のせいじゃないか? 他のモンスターとのエンカウント率を下げてまでウサギと出会うって、俺ウサギの恨み買いすぎだろ……。

だけど、むしろこれは好都合だ。ミツバやサオリであればゴブリンの様な人型の敵の方が戦いやすいんだろうけど、直進的な攻撃しかしてこないウサギであれば俺の得意分野だ。


「準備完了だ。そろそろ森に入ろうか」

「やっとか……いいか? ヤバくなったら直ぐに撤退するんだぞ? 短剣使い系統ならそこそこAGIにも振ってるんだろう?」

「あー、悪いな。短剣使いに毛が生えた様な物って道化師ジョブの説明したけど、ちょっとそれは忘れてくれ」

「は?」


 そう言って、キョトンとするバロンより先に森へと足を踏み入れる。その瞬間俺の存在に気付いたのかたくさんの足音が聞こえてくる。そこまで重い足音ではないから恐らくはスキルによってヘイトの高まりやすいウサギ系だろう。戦闘開始になる前に【的確急所】のスキルを発動。クリティカルのでる確率をあげておく。さらにスキルを発動したことによって【成功】スキルが発動。更に俺のステータスが加算される。それと、念のために【オーバーリアクション】のスキルも発動させてウサギ種の突進攻撃に備えておくか。


【スキル:成功!】【連鎖!】

【スキル:成功!】【連鎖!】


「じゃ、手筈通りに後ろは任せる! 前衛は任せてくれ!」 

「お、おう。って、ちょっとまて! さっき言ってたことはどういう意味だ!?」


 道化師ジョブについてバロンが聞いてくるが、もう戦闘が始まるから敢えてスルー。残念ながらもう時間切れだ。


「キュッキュ!!」

「キュゥ!」

「キュー!」


 俺の姿を視界に入れるやいなや、勢いよく突進してくるホーンラビットの群れ。だけど、ただ直進してくるだけのウサギならミツバのように優れた身体能力のない俺でも一撃を当てるくらいなら簡単にできる。跳んで来るウサギの軌道上に対して逆手持ちにしたナイフをただ構える。一度跳んでしまったウサギが空中で軌道を変更できる筈も無く、そのままナイフで勝手に斬り付けられてしまう。

 その瞬間斬られたウサギのHPは0へとなった。


【クリティカル:成功!】【連鎖!】

 

「なっ!? ホーンラビットとはいえ、魔の森の高レベル個体だぞ!? それを一撃!? 短剣使いと変わらないんじゃないのか!?」


驚くバロンをよそに立て続けに跳びかかってくるウサギを斬る。三分間しっかりと積み重ねた【成功】スキルによるステータス補正での攻撃。しかもクリティカルが発生して、ウサギ種に対してなら【ラビットジェノサイダー】の称号によってダメージが大きく上昇しているんだ。いくら前線のウサギといっても倒せない訳がない。

一羽、二羽、三、四、五……。ウサギ自らが跳びこんでくるため次々と倒す事が出来る。


【クリティカル:成功!】【連鎖!】

【クリティカル:成功!】【連鎖!】

【クリティカル:成功!】【連鎖!】

【クリティカル:成功!】【連鎖!】__


 更に【成功】スキルが積み重なり、ウサギに対する攻撃が強まり速度が上がったためにウサギへの対処がしやすくなった。とはいえ如何せんウサギの数が数だ。俺一人で対処できる数には限りがある。後ろを見る余裕はないので、前を見たまま後方に控えるバロンに叫びかける。


「流石に攻撃の手が足りない! バロンも攻撃して援護してくれ!」

「お、おう! 【魔力弾】! 【魔力弾】! 【魔力弾】! 」

 

 俺の死角になる部分から跳びかかるウサギに対し弾丸のような速度で放たれる魔力弾。INTの数値に従い魔法攻撃の速度を上げるスキルを有するバロンのその攻撃は、確かにウサギの突進なんて比べ物にならない程の速度が出ている。ただ、初級である魔力弾では前線で高レベルなウサギ(しかも上位個体であるホーンラビット)を倒す事は出来ない。

だがしかし、跳びかかりをキャンセルさせてホラビを吹き飛ばし、俺への攻撃のラッシュが緩む。おかげで俺は目の前のホラビに集中して対処する事が出来る。


「一撃で倒せるようなら、俺は援護をメインに立ち回る! 横は気にせず前だけに集中して攻撃して大丈夫だ! 【ムーブ】、【魔力弾】、【魔力弾】!」

「助かる!」 

 

 バロンは移動系の魔法を使い、軽く浮遊すると俺のすぐ近くに俊足ともいえる速度で移動してきた。そして先ほどと同様魔力弾の魔法で俺の援護をしてくれる。

 その援護は驚くほど的確にして正確無比で、俺が見落としてしまったホラビがいると瞬時に吹き飛ばして援護をしてくれる。バロンの魔法の速度が物凄く速いお陰でタイムラグがほとんどない。


 ラビットジェノサイダーの称号のお陰なのか周囲にいるのはウサギだけだ。バロンの援護とこの称号のお陰で数十分の間特に危険になる事もなくウサギ狩りをすることに成功した。



インターンシップなる物に参加する事になりストックを作る暇がございません。その為、続きの投稿がいつになるか未定ですが、ご容赦ください。

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