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第四十話

遅れた事、本当に申し訳ないと思っております。そして戦闘描写まで書くと長くなるので分割して、今回短くなったことを謝ります。

 姉妹の口調の区別が難しい……


「じゃあ自己紹介から行こうかしら? アタシはサオリ。アニーちゃんのリア友でジョブは格闘家よ。アニーちゃんとはタメ口の中なんでしょう? ならアタシもラフな感じで良いわよ」

「そ、そうですか……そうか。わかった。じゃあ、フレンドリーなラフな感じで。それで、アニー、ちゃん?」

「……それは言わないでくれ。言っても直してくれないんだ」


 アニーはちゃん付けに関しては既に諦めているのか、それ以上の追求はするなとでもいう様に目を逸らしてしまった。これ以上は弄れなそうだ。

 気を取り直して目の前の大男……女? いや、男だよな。口調は女性口調だけど。ここに触れるのは命に関わりそうだし、無理して触れることもないか。もう性別【サオリ】ってことにしておこう。

 アニーとリア友って事はゲーム慣れしているのかな? 見るからに強そうな体格してるけど、格闘家と言われるとすっごいしっくりくる。ゴブリンくらいなら頭部を握りつぶせるんじゃないか?

 レベルはどれくらいなのかと尋ねてみようと思ったが、その前にサオリのうしろからひょっこりと小柄な女の子が顔をのぞかせた。中学生くらいに見えるけどこの子も誰かの友達か? 


「はいはーい。次はボクの自己紹介の番だよ? 。ボクはミツバ。モルガーナの本物の妹だよ? 宜しくね~メイ先輩?」

「妹?」

「うん。何故かミツバの所にもあのゲームが届いたらしいんだよ。それで私がどんなことをしてたのか見に来たらしいんだよね。 あ、妹って言っても年は離れててこの子はまだ中学生だよ。来年うちの高校受験するの」  


 ミツバの自己紹介を聞きモルガーナの方を向くと若干バツの悪そうな様子で答える。ゲーム中は結構はっちゃけているのに教え子どころか身内までいたらそりゃあい心地が悪いだろうな。というかアニーらがいるのに個人情報を漏らしてやるなよ……。アニー達なら良識もあるし、別に問題も起こさなそうだから大丈夫だろうけど。ただ、リアルJCとかあと5年早かったらとかニヤついてるエルフ生産職は……見なかったことにしよう。

 俺も自己紹介し返した方がいいか。


「俺はメイだ。んー、どこまで話していいんだ? ジョブは道化師。俺もモルガーナのリアルの知り合い……ってか生徒だ。アニーとは、フレンドに当たるか? いやもうパーティメンバーでもいいか?」

「お? って事は満足が行く程度には仕上がったって事か?」


 実はサーカスで特訓する前に行ったクレクレ君とのPvPの後、一回俺はアニーにパーティメンバーに誘われていたんだよな。だけど当時はまだ道化師のジョブに慣れていなかったし、足手纏いになることは分かり切っていたからある程度戦えるようになるまで保留にしてもらっていた。流石にあれだけ面倒見て貰って更に寄生プレイの真似事する程俺は図太くないし。モン○ンのハンティングホルンだって吹き専はご法度だろう? 寄生、ダメ、絶対、だ。

 

 だけど、サーカスの弟子入りのたくさんスキルが増えたし、高性能な装飾品も貰った今なら最低でも足手纏いにはならないだろう。それに奥の手も手に入ってはいるけど……それは藪蛇になるから言わないでおこう。

 これからもソロで行くにしても限界があるだろうしパーティを組んでおくのも悪くないだろう。ぶっちゃけ弟子入りが終わった今特にやることもないし。


 「うっし! これで剣士布教にまた一歩近づいたな。これからよろしくな、メイ」

「おう。これまでの借りは全部ノシ付きどころか利息付きで返してやるから覚悟しとけよ?」

「あらぁいいわねぇ! 男の友情ってやつね。アタシもそういう展開大好きよ!」

「そうですな! 仲良きことは良い事かな、ですぞ。それにしても剣士の布教ですか……小生も何か布教活動でもしてみますかな?」

「ロリコンを?」

「そんな訳ないだろう。 まだ生産職の人口比はそこまで高くないんだから生産職のことだろう?」


 モルガーナがロリコンの布教とか恐ろしいことを言い出した。NPCの為とは言え純粋な魔法職がトップの生産者になるくらいの行動力があるんだぞ? そんな奴らが増えるなんてゾッとする。当のレプラがニコニコ笑ってるだけで返事をしないけど、生産職の事だよな? そうだよな? 

 

「ねぇ先輩。お姉ちゃんが先輩が凄く強いって言ってたんですけど、本当ですか?」

「ん? 俺が強い訳ないだろう? まぁ時間さえくれれば多少はマシになる程度だとは思うけど、ガチガチの剣士や魔法使いと比べたら俺の強さは不安定だろうな。というか、先輩後輩って言ってもゲームの中なんだから俺もタメ口でいいぞ?」

「そう? じゃあタメ口で行かせてもらうよ? でも、自分では謙遜するあたりちょっと納得いかないから、ちょっと勝負しよう?」

「勝負?」


 言い出したミツバちゃんの顔には好奇心と闘争心が合わさったような、キラキラともギラギラともどっちでも取れるような顔をしていた。話を聞いてた限りこの子は今日始めたばかりじゃなかったのか? 姉の方と違って常識人なのかと思ったら、意外とこの子もバトルジャンキー気味なのかもしれない。

 まだ恥ずかしさがあるから、出来ればあまり人前で全力でスキルを使いたくはないんだけど、まぁ始めたばかりのミツバちゃんの相手なら短剣系のスキルとその他多少だけで済むかな。


「別に構わないけど、いったいどうして勝負なんてしたいんだ? 結構戦闘狂なのか?」

「お姉ちゃん曰く純粋な戦闘力ではボクの方が上らしいけど、実際に戦ったら勝つのは先輩の方らしいんだよね。でも当の本人がそんなこと言うのなら、余計気になっちゃった」


「モルガーナの差し金か……まぁいいか。じゃあやってみるか?」

「ホントに? 言い出したボクが言うのもなんだけど、本当に良いの?」

「まぁパーティを組むアニー達にも俺のバトルスタイルを見せておきたいしな。俺としても丁度いいんだよ」

「ホント!? それじゃあ真の道化師の戦闘が見れるの!? これは燃えるよ!」

「なかなか面白そうですな。JCのたたか……ゴホン。メイ殿の本気の戦いは小生もまだちゃんと見ていませんからな。小生も遊びがてらに見物に参加しますぞ」


 ミツバちゃんは押さえてはいるが小さくガッツポーズして闘争心をあらわにしている。余程戦闘が好きらしい。うん。手を抜いて戦ったら怒られそうだ。これはちょっと安易にOKしてしまったかもしれない。

 野次馬精神丸出しの変わり者組は突っ込んでいたらキリがないので放置。常識人枠のアニーとサオリの二人は落ち着いてはいるが俺とミツバの戦い自体には興味があるらしく、若干口角が上がっている。

  

 それじゃあ、道化師の宣伝もかねて、出来る範囲で全力をだそう。

 



 誤字修正いたしました。

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