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第三十話

修行編のような展開に突入します。ぶっちゃけ面白い展開でもなんでもありませんが、それでも良ければお付き合い。

 最初は斎藤教諭の視点です。


「あ~全く眠くないし体が好調…。でもなんかしっくりこないよ~……」

普段は寝不足やら目の使い過ぎでフラフラなまま学校に来ている斉藤教諭だが、今日はすこぶる好調だった。

 原因は簡単。昨夜は妹にどやされ早めに就寝に入ることになったからだ。おかげで今日は珍しく体は軽く、頭痛のしない頭は冴え渡っていた。が、あまり納得の出来るレベルでゲームが出来ていなかったので欲求が燻っていた。

 なんだかんだで要領良くこなしていた自分の生徒は学校生活との折り合いをしっかりつけていたというのにこの担任は全く折り合いがつけられていなかった。


「でもメイ君は森を超えられたのかな? 私は発端とはいえステータス結構アブノーマルな割り振りだし。私の場合は特殊だったしな~」


 教室に向かいながらつぶやく。彼女は森を超えられた(それも敵に補正の入るヒューマンの始まりの町に向かって)のは、ひとえに彼女の火力の高さ故だ。

 INTにしか割り振っていないステータスから放たれる一撃は他のプレイヤーのそれよりも倍以上の威力を発揮し、マナポーションなどのコスト度外視で強行突破した結果である。しかし、メイの場合は【成功】のスキルを重ねた戦闘終盤のには秀でるものの元のステータスは極めて低い。なんだかんだで生徒の事を心配していた。


 「メイ君の事だからなんだかんだでクリアしそうだけど、面白そうだから混ざりたかったな~。早く帰ってゲームしたいよ! ……今日は部活であの子は遅くなるはずだし早めに帰れないかな……?」


 喧嘩になったらまず勝てない妹の躱し方を考えつつ教室の中へと入る。がやがやとにぎやかな朝の風景を眩しく思いながらチラリと窓際を見る。普通ならそこにいる筈のゲーム仲間でもある生徒の姿が無かった。

「HRをはじめまーってあれ? 今日は辻君は休みなの?」

「アイツ今日は風邪で休みだってよ~」


 質問にクラスの男子が答える。なんだかんだでそつなくこなしていた印象のある彼が学校を休むのは珍しい。


「へぇ~。辻君風邪とかでも学校に来てたのに珍しいね」

「はいはーい! なんか学校に行くには体力を使い過ぎたとか言ってたぜ先生! あいつ絶対エロい事してたんだって! ふじゅんいせーこーゆーうらやましぃー!」


 女子たちの白い目線を浴びつつも辻の近くの席の男子は自分の迷推理を大声で披露する。年頃の男子の考えでは体力の使い過ぎといったらそこにたどり着くかもしれない。

 しかし教師のくせに残念なまでの廃プレイヤーである斉藤教諭は確信に至る。絶対にゲームだと。

あのノーダメージが前提の様なステータス構成と戦闘スタイルをとる彼が体力を使い過ぎたと言う事はそれだけ大きな戦闘があったかそこまでしなければいけないイベントがあったか。というかあの辻君にそんな相手がいるなんて聞いたことも無い。


 いずれにせよ絶対に普通じゃない展開になっていたことには違いない。


(あ~ゲームしたいぃ~!!!)


別にそれを咎める訳でも無く

とりあえず今日はゲームしたいから早めに帰ろうと斉藤教諭(成人女性)は決心したのであった。


ーーー


「ん……あれ? 学校は?」


まだぼんやりする頭で考える。俺はいつから寝てたっけ? 確か昨日は弟子入りイベントがあって……それで……ヤベェ寝過ごした!? 


 慌てて布団から跳び起きて時計を見ると既に六時。窓の外を見るともう日は落ちていた。やっちまったよ。


 「あ、やっと起きたの? あんた良く寝たね~」


 母さんが呆れた顔で部屋に入ってきた。そう思うなら起こしてくれてもいいと思う。ジト目で見ていたら、それを察したのか更に呆れた様子を見せる。


「別に起こしても良かったんだけどね。体力が~頭痛が~ってのたうち回った末に白目剥いて寝てる人を起こすのは気が引けるでしょ」

「白目って俺そんな酷かったのかよ!?」


 確かにログアウトした瞬間ゲーム始めた初日以上の頭痛でのたうち回った覚えがあるけど、もうそれ気絶じゃねぇか。

 まぁ、あの特訓もヤバかったからなと昨日の事を思い出す____









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[一言] >体力が~頭痛が~ってのたうち回った末に白目剥いて寝てる人を起こすのは気が引けるでしょ 病院連れていこう?(真顔)
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