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第三話


『では、続いてキャラクターメイキングを行いましょう』

「いやちょっと待ってくれ! タイムタイムタイム!」

ゲーム説明って結構重要なポイントじゃないのか!? 自分で確かめろって適当すぎるだろ! このゲームどうなってんの!?

『……このゲームの題名を思い出してください』


 抑揚のない音声の癖にものすごい面倒くささがにじみ出ている。これ中身人なんじゃね? 絶対手抜きしようとしてるだろこれ。ゲームの題名って確かセルフストーリオンラインだっけ? セルフて確か「自身で」とか「自分で」って意味だったけど、まさか


『本ゲームのサービスはほぼすべてセルフサービスになります』


あっはい。



~~~



「すいませんちゃんと説明お願いします。そことっても重要な部分です」

 ナビ音声に向かって土下座するなんて普通に生活している内ではあり得ないでだろう貴重な体験をした。意味のある経験かは別として。


『ハァ…… このゲームは先ほども申した通り、剣と魔法の世界が舞台となります。セルフストーリー。この名の通り、プレイヤーの皆さまには自分自身でご自由にプレイしていただきます。自由に職に就き、自由に楽しんでください。そこにこちら側が強制する拘束は存在せず、皆さまの意思を尊重します。基本的に何をしても咎めませんが、それは同時に何があっても関与・救済は致しません。全て自己責任のセルフサービスでよろしくお願いします」


 まじか。剣と魔法の世界ってことは戦闘物だよな。で、自由に職に就きって滅茶苦茶自由度が高いってことか? 自己責任でなんでもできる。なんかモラルを問われそうなゲームだな。それにその分難度も高そうだ。これだけ分かれば十分だ。ナビ音声さんメイキングよろしくお願いします。


『あなたの仮想世界での姿を決めます。まず初期の種族はヒューマン・エルフ・ドワーフ・獣人・魔族の5種から選ぶことが出来ます』


 なるほど。王道な種族だな。剣と魔法の世界ならよくあるんじゃないか? その5種には何か種族補正は掛かるのか?


『森の民エルフは魔力が高く風や水魔法、及び弓術等が得意な種族です。山の民ドワーフは土魔法、火魔法が得意ですが魔力はそれほど高くありません。筋力が高く槌術が得意であり、鍛冶が得意です。獣の友獣人は身体能力が高い代わりに魔力が低いです。魔の民魔族は、場合によってはエルフや獣人以上の魔力や身体能力になるケースもあればその逆の場合もあり得ます。数の暴力ヒューマンは、平凡平均的な能力ではありますが、ハズレが出ることがありません』

「ん?ハズレがでないってどう言う事だ?」

『種を選んだ後、獣人は更になんの獣になるかが任意で決められます。しかし、魔族だけはランダムに変動します。良い例を挙げると吸血鬼、悪い例を挙げるとゴブリンになる可能性もあります』


 うわ、ランダム要素があるのは怖いな。魔族のふり幅は結構大きそうだし。いやでもリセマラよろしく作り直し繰り返せばいけるんじゃないか?


『フフフ、そんなセコイ手を許す運営ではありません。ランダムで決まるにも関わらずそれを選んだ責任はしっかり背負っていただきます。キャラクターデータは変更不可。ストックできるキャラクターデータは一つまでとなります。』


 なんだよ、クソゲーじゃねぇか。一発狙ってゴブリンにでもなった日には目も当てられないな。流石に変えようのないここでは堅実にヒューマンかな。


『では容姿、体型、名前を設定してください』


 容姿はイケメンにしても虚しいだけだから、自分の顔をベースにちょっとだけバランスを整えて、体型は同じででもちょっとスリムにして、かな。名前は、そうだな…

朝日→明るい→メイで。すべての入力を終えたら真っ白の視界が暗転した。



『それでは、プレイヤー「メイ」。良きストーリーを、勝手にどうぞ』


2018年9月18日

誤字修正しました。

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