第十三話
ゴブリン戦を行ったはいいものの、後のことを何も考えていませんでした。あと2,3話グダグダしたら展開早くできたらと考えているので、それでも良ければお付き合いください。
「つっかれた~!!」
グダグダの泥仕合の後、どっと疲れてその場に横になる。完璧に甘く見てた。序盤の敵って言っても三対一じゃ圧倒的不利だった。ゴブリンの連携がそこまで良くなかったからなんとかなった部分がある。取りあえず囲む、ダメなら突撃。だけだったもんね。
二体が前から押して他の一人が後ろへ回る…とかされたら、お手上げだった。他にもこん棒持ちだけじゃなくて弓装備のゴブリンなんていたら……やってらんないね。あぁそうだ。ステータスはどうなったかな?
【メイ】 Lv.28
ジョブ:短剣使い
HP 10
MP 10
STR 5
DEF 5
INT 5
AGI 14
DEX 38
スキル数:4
補正詳細▲
※ステータスポイントが12残っています。
ウサギ狩りで1上がってた筈だから、ゴブリン三体だけで6も上がったことになる。ぽんぽんレベルが上がってくな。順調順調。
で、問題はこの割り振れる12のポイントをどうするかだ。さっきの戦闘で感じたけど短剣じゃ圧倒的に火力が足りない。弱点(だと思われる)箇所を数回攻撃してようやく弱らせられるって、ヤバい。博士から貰ったばかりのポケ○ンだって序盤での戦闘は3,4発で決着が付くってのに。俺1日頑張ったよ?それでもこの苦行? いやSTRに振って無い俺が悪いんだけどさ。
「序盤でここまで苦戦するならこれからはホントヤバいんじゃないだろうか……。オール回避が前提でかつ攻撃力は雀の涙。他のステ振った方がいいかな~……。いや、しかし待てよ?」
スキルを使って倒した2体目のゴブリン。あいつは確か一撃で倒せてた筈だ。あれだけ弱かった短剣の火力にも関わらずだ。ゴブリン同士のフレンドリファイアがあったとしても一発だけだぞ? たかがフレファイ一発で短剣でとどめが刺せるくらいダメージが入るか? 普通は仲間内への攻撃はダメージが少なくなる筈。つまり短剣でもほぼ一撃で倒すことが出来る手段があるって事か? 俺あの時何やったっけ。確か【的確急所】の効果時間にショートスラッシュで首を切った位……。弱点、急所、一撃。つまり、弱点へ攻撃した時にクリティカルがでると一撃で倒すことが出来る事がある? そんな都合の良い事があるか? でも他に思い浮かばないし……。うん、STR関係なく一撃で倒せる可能性があるなら別に無暗に振る必要無くね?
ってことでDEXどーん!
【メイ】 Lv.28
ジョブ:短剣使い
HP 10
MP 10
STR 5
DEF 5
INT 5
AGI 14
DEX 50
スキル数:4
補正詳細▲
やったぜ……やってやったぜ。これで一気に12ポイント分の増加、つまり大体三割増し位になったかな。……意味あるよな? これで無駄だったら泣けるんだけど。
手を握っては開いてを繰り返す。なんとなく上げる前よりも心なしかスムーズに動かせている。これまではレベルを上げては2振っての繰り返しで、なんとなくでしかなかった。けど今回はその6倍のポイントだ。これまでよりも明らかに実感が得られた。
間違いなくDEXを上げれば操作性が向上する。その事が証明されたんじゃないかなと思う。
「上がったステータスの試しに戦闘…ていうのも面倒なんだよなぁ……。別に攻撃が強くなったとか打たれ強くなったって訳じゃないし。まぁ自分のやったことだけど。」
さっきのゴブリン三体でも全部避けつつ戦うのが思ってた以上に神経使った。もう一度同じことやれって言われてもちょっと今日は出来ないと思う。
「う~ん。これ以上戦ってもミス増えそうだし、今日は町に戻るか。ウサギアイテムのどうにかしたいし」
短剣取り出すときはホント焦った。どんなに見てもウサギウサギウサギだからな。調子に乗ってウサギ狩りすぎたわ。
町の方向に向かって歩く。途中でウサギとなんどか遭遇したけど、ゴブリンと戦った後だととても楽に感じた。
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「冒険者ギルドへようこそ。依頼の完了の報告ですか?」
町に付いたら冒険者ギルドに直行した。出たときと同じ受付嬢さんに話しかけると報告かどうかを聞いてきてくれた。俺が依頼を受けたことを覚えててくれたらしい。
「あぁ、そうです。ウサギの依頼、終了しました。これ依頼証です」
「お疲れ様です。……はい。30体以上の狩猟されていますね。おめでとうございます! S評価です! こちら報酬の10,000ガメツになります」
そういうと受付嬢さんは笑顔で報酬を渡してくれた。コンビニの受付よりも丁寧に渡してくてNPCのレベルたけぇな。
「メイさんは2回連続でS評価を取っていますね。まさに期待の新人ですね! 私も鼻が高いですよ」
受付さん覚えててくれたのか!? マジでレベル高くね?
「覚えててくれたんですね。ありがとうございます。これからもここにいる間は頑張りますよ。」
「町に住む者としてはずっとこの町にいてほしいんですけど、冒険者なら仕方ないですもんね。私もギルド受付嬢として応援しますよ。特にメイさんは他の冒険者の方々と違って受け答えが真摯ですもんね。他の方はその、気難しい方が多いので」
そう言って苦笑いする受付嬢さん。確かにいくら受け答えが可能の受付嬢さんといえどNPCだし、プレイヤーの中には扱いの雑な奴とか逆に欲望丸出しの奴とか多そうなイメージ。あ、悪口じゃないよ?ただのイメージなんで。悪しからず。
「もう少し準備をしたいんで、まだこの町にいると思いますよ。」
「そう言って貰えると助かります。準備、というと旅の準備ですか?」
「そうですね。別の町に行くにしても着の身着のままって訳には行かないですからね」
「そういう事でしたら、ギルドを出て向かい側にあるグッドさんの道具屋さんはどうでしょうか? ギルドの前という事で、その手の商品が充実しているんですよ」
そう笑顔で教えてくれる受付嬢さん。ウサギアイテムもどうにかしたかったし、店なら丁度いいかもしれない。
「ありがとうございます。じゃあこれから向かわせてもらいますよ」
「いえいえ。メイさんも頑張ってくださいね」
そう言ってギルドを後にした。
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「いらっしゃいませ。こちらグッドの道具屋になります。何をお探しで?」
ギルドの向かいの店に入ると、恰幅の良いおしゃれな髭のおっちゃんが出てきた。人の好さそうな印象がある。
「あぁ、すいません。別の町に行く準備としていろいろ探してるんですけど」
「なるほど。お客さん、冒険者の方ですかな? でしたら回復ポーションは必須でしょうな。後は携帯食にキャンプ、外套。これは旅の方には必須ですな。他に魔法を使う人物であれば、魔力ポーション。それと……お客さんの場合、装備も必要ではないでしょうか?」
チラリと俺の服装を見てからおっちゃんはそういった。プレイ二日目で装備なんて揃える軍資金なんてなかったから、俺の服装はその村人の服そのままだった。
「流石にうちでは装備までは取り扱っていませんが、ポーションの類や細々とした道具でしたらここで買っていくことをお勧めしますよ」
「そうゆう事なら、回復ポーションを見せて貰えますか? 他は…まぁ後でってことで」
「はい、承りました。うちで取り扱っている回復ポーションは3種。下級ポーション、ポーション、中級ポーションです。値段はそれぞれ、60、100、300になります」
地味に高いな。普通のポーションでも10本買ったら、ウサギの報酬の一割になる。中級に至ってはその3倍もするのか。装備も考えないといけないし、そんなに大量に買えない。。どうすっかな~……って、俺のHPじゃ別に中級買う必要ないじゃん。
「えっと、普通のを5本、下級を15本もらいます」
「わかりました。しめて1400ガメツになります。……はい。確かに。毎度ありがとうございます。」
代金を払ってポーションを受け取る。普段使いは下級で、危なくなったら普通の方を使えばいいな。
「あぁそうだ。ウサギの肉やら毛皮やらが手に余ってるんですけど、買い取って貰ったりは出来ますか?」
「買い取りですか? もちろん出来ますが……、よろしいのですか? 肉はともかく毛皮を防具屋に持ち込こめば革製の装備を作ってくれるはずですが」
「あぁ~どうすっかな。じゃあ、毛皮以外の肉やら耳やら他のアイテムの買い取りを頼めますか」
「はい。承りました」
装備に使えそうなら持ち込んでみるか。他のアイテムを全部売ったら3000を少し超えるくらいにはなった。売買だけでなくアドバイスまでくれるとは、やっぱこのゲームのNPCすげー。
「お世話になりました。もしかしたら、またウサギを売りに来るかもしれません」
「またいつでもいらして下さい。またのお越しをお待ちしております」
そうして道具屋を後にした。
12月23日
誤字修正しました。
教えてくださった方ありがとうございます。