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蛮族の洞窟への冒険

【シナリオの名称】

ソードワールド2.0 オリジナルシナリオ 「蛮族の洞窟への冒険」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【シナリオの概要】

対象 4人パーティー 成長回数4回、生まれごとの初期経験点+5000点相当、所持金+5000ガメル、名誉点+50点 で作成したキャラクター、LV4相当。

内容:村の近くの洞窟に蛮族の一群が住み着き、その蛮族から略奪を受けている。退治してほい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【シナリオの特徴】

洞窟探索。

戦闘が2回~5回。

途中の選択によりラストが少し変わります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【シナリオの舞台】

シナリオは、ルキスラ帝国首都 ルキスラ市から始まる。

ルキスラ市の南東に位置する大洞窟群「バルバロスのあぎと」は、蛮族の残党の根拠地の一つだ。冒険の舞台は、そのバルバロスのあぎとの外縁部に位置する村だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【シナリオの導入】

PC達は、ルキスラ帝国の首都ルキスラ市にいる冒険者だ。

現在、冒険者の店<蒼き雷の剣亭>に滞在している。

店主はかつて戦友たちとともに数多のバジリスクを倒した大剣使いとして有名な元冒険者 ルーサー<人間 男 50歳 逆毛 ヒゲ マッチョ 熊 料理上手>だ。

(なお、バジリスクはLV8の蛮族の支配層にあたる種族で、その主な特徴は人間形態をとれることと「石化の視線」や「真語魔法LV7まで」を使えることだ。)

PC達は、駆け出しのころから店主に世話になってきた。

店主は面倒見がよく、PC達にこれまで数回の仕事の斡旋をしてくれた。おかげで収入と経験を得ることができてきた。

PC達は、2ヶ月ほど前に斡旋された仕事を首尾よく成功し、次の仕事を待ち望んでいる。

しかし、ここ1ヶ月ほど準備して仕事を待ち受けている。しかし、高レベル向けの仕事しかなく、回してもらえる仕事がない日が続いている。

PC達は、仕方なく日雇いの土木工事や荷役の仕事でなんとか糊口をしのいできたところだ。

そのような状況の中、待望の新たな仕事の口利きだ。

店主「蛮族退治の仕事が入ったぞ。ここ(ルキスラ市)から南東へ3日ほどいったカタタ村の近郊に蛮族の居住地ができて、蛮族から略奪を受けたそうだ。ティザ市の衛視に蛮族退治の陳情をしているが、先に入った仕事が立て込んでいて数ヶ月先まで対応できないと言われて困っているそうだ。行ってみないか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【店主からの情報】

報酬は3500ガメルだ。

カタタ村へ略奪に現れた蛮族は、少なくともゴブリンが含まれる。

蛮族共はどうやらカタタ村から数時間ほど南東へ進んだ丘の洞窟にアジトを作ったようだ。

まだ物的被害しか発生しておらず、被害の合計は豚5頭と穀物を10袋(100kgf)ほどだ。しかし、最近の襲来の頻度が増してきている。人的被害が発生する前に退治して欲しいそうだ。

カタタ村までの道のりは、まずルキスラ市から1日半ほど南下したティザ(人口7000人 ルキスラ市帝国所属の城塞都市 おもな産業は食糧生産)へ行き、さらにティザ市からナリア川に沿って上流部のオッド山脈に向かって東へ1日半ほど進むとよい。

カタタ村からオッド山脈の麓に沿って1日ほど南下するとバルバロスのあぎとがある。おそらく蛮族たちはそこから進出してきたのだろう。

カタタ村までの片道の保存食は3日分必要だ。食糧を現物支給する金はもらっている。1週間分の保存食(50ガメル)を渡すから行き帰りの食糧代は気にしなくてよい。(GMは食糧の管理をしなくてよい。)

以下、PC達が依頼を引き受けたことを前提にシナリオを説明する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【カタタ村までの道のり】

(プレイヤーにルールブック1改訂版P327、ルールブック2改訂版P183の地図を見せつつ説明すること)

PC達は、ルキスラ市からカタタ村まで、ルキスラ市~ティザ市間を街道に沿って南下に1.5日、ティザ市~カタタ村間をナリア川に沿って東へ向けて1.5日をかけて何事もなくカタタ村へ到着することができる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【カタタ村の描写】

カタタ村は東側に1000m級の峰々が続くオッド山脈を望む麓の村だ。村の西側にはナリア川、南北には森が広がっている。村の人口はおおよそ50世帯、350名といったところだ。主な産業は農業で、穀物生産や畜産だ。大洞窟群「バルバロスのあぎと」の外縁部から北へ2日ほどの距離と離れており、従来は蛮族の活動範囲外だ。

(バルバロスの顎については、プレイヤーにルールブック1改訂版P329の解説を参照)

PC達が、村に入ると近くで農作業をしていた村人A(中年男性 ハゲ)が気付き話しかけてくる。PC達が依頼を受けてやってきたことを話すと村長の家に案内してくれる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【村長(50代、白鬚、ハゲ、物腰は柔らかい)からの情報】

村長の家は、村民よりも一回り大きいが、華美というほどではない。

PC達は、村長の家に午後3時ごろに到着し、村長から話を聞くことができる。

<以下、プレイヤーが特に問わなくても話してくれる情報>

蛮族のアジトは村の南の森を4時間ほど南下した場所にある丘の中腹の洞窟だ。

洞窟は以前からあったものだ。魔動機文明時代のものだったらしいが危ないので木の蓋で塞いであった。

洞窟までの道は森からの木材の搬出に使う林道を南へ向かうとよい。林道から丘へ続く支道の前に立ち入り禁止の立て札を立てている。目立つのですぐにわかるだろう。

蛮族共は2ヶ月ほど前に洞窟に住み着いたらしい。

ここ数日で、穀物庫や家畜小屋が襲われて、被害の通算は豚15頭と穀物300袋、ワイン2樽だ。

これまで蛮族どもは夜やってきて略奪していっている。

中でも大きな被害は村の教会が荒らされて光のアミュレット(ルールブックEX P380)が奪われたことだ。

洞窟の蛮族を一掃し光のアミュレットを取り返してくれれば、報酬は4000ガメルだ。4000ガメルは洞窟の一掃と光のアミュレットを確認後に支払おう。

実は2日前に、ティザ市からやってきた一人の冒険者がゴブリン程度なら何とかできるかもしれないといって蛮族のアジトに向かったが帰ってきていない。その日のうちに帰るといって出発したのだが、何かあったのかもしれない。

<以下、プレイヤーが村長へ特に問うた場合に村長から得られる情報>

蛮族の構成は?

 →目撃者の話ではゴブリンを見たそうだ。計4匹だったそうだ。

先に洞窟へ向かった冒険者とは?

 →ティザ市からやってきた魔法戦士のフェイと名乗っていた。修行して早く強くなりたいからボランティアでよい言っていた。魔法で遠くから攻撃できるし、様子を見て危なそうなら引き返してくるから平気だといっていた。

先に洞窟へ向かった冒険者の年齢と性別は?

 →10代後半か20代前半の人間の女性だった。

先に洞窟へ向かった冒険者を救うと報酬が増すか?

 →追加の報酬は支払えない。略奪と報酬で村には冬越しに備えた余裕がない。魔法戦士フェイを助けられるなら心情的には休まる。しかし、すぐに出発すると夜になる。夜道は危険な動物の活動時間で危険だ。あなたたちまで帰ってこないと大変だ。あなたたちの判断に任せる。

危険な動物とは何か?

 →過去にグレイリンクスやジャイアントバットを目撃したものがいる。幸い、昼間だったので事故には至らなかった。

<以下、村長以外の村人へ聞き込みをした場合に得られる情報>

PC達があえて村長以外の村民に聞き込みを行うことを申請した場合、セージ技能レベル+知力ボーナスで判定せよ。

達成値6以下

→追加情報なし

達成値7~11

→村人(少女 おかっぱ):リーダーっぽくゴブリンへ指示していた一回り大きい蛮族が2匹いたわ。はっきりとした身長はよくわからない。新月の夜でも平気で動いている様子だったのよ。怖いわね。

達成値12以上

→村人(男児 いがぐり坊主):家の壁の隙間からのぞくと、月明りの中に小さいのと大人くらいのともっと大きいのが見えたんだ。一番大きいやつは僕の家の扉よりも高いような気がしたよ。僕の家の扉の大きさは、大人が上へ手を伸ばしたぐらいの高さだよ。

→さらに男児からの情報を得たPCが、あえてが魔物知識判定(セージ技能またはレンジャー技能+知力ボーナスで判定)を申請した場合(ただし、この時点では弱点を抜くことはできない。)

達成値6以下…なにもわからない

達成値7~8…大人ぐらいのはボガードかもしれない。大きいのはわからない。

達成値9…大人ぐらいのはボガードかボガードソーズマンかもしれない。大きいのはレッサーオーガーかもしれない。

達成値10…大人ぐらいのはボガードかボガードソーズマンかドレイクかもしれない。大きいのはレッサーオーガーかもしれない。

達成値11…大人ぐらいのはボガードかボガードソーズマンかドレイクかもしれない。大きいのはレッサーオーガーかリザードマンかトロールかもしれない。

達成値12以上…大人ぐらいのはボガードかボガードソーズマンかドレイクかバジリスクかもしれない。大きいのはレッサーオーガーかリザードマンかトロールかもしれない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【カタタ村~洞窟へ続く支道まで】

すでに15時頃であるため、洞窟につく時間は19時頃になる。

PC達が出発したタイミングによって、以下の(1)~(3)の場合に分かれる。どのタイミングで出発するかによって今後の展開が変わる。

<<(1)すぐに出発した場合>>

PC達は、村長の話を聞いてすぐに出発することにした。

村長が、夜の林道を通って洞窟へ向かうPC達を心配して各自に1個のヒーリングポーションを与えてくれる。

午後5時頃にカタタ村を出発した。

晩夏の日暮れは早く、PC達は蝉しぐれを聞きつつ林道を進んでゆく。進むにしたがってどんどん日が暮れてゆき、やがてとっぷりと日が暮れた中、林道を進むことになる。

PCには、暗視能力か明かりが必要だ。どちらもないPCは、行為判定に-2のペナルティを受ける。(ルールブック1改訂版 P127を参照)

プレイヤーの代表者は、1D6を振れ。

出目1~2

→ジャイアントバットが3匹現れた。

出目3~5

→代表者のプレイヤーは1D3本の救命草を見つけた。

出目6

→代表者のプレイヤーは1D3本の魔香草を見つけた。

<<(2)村で一泊以上して出発した場合>>

PC達は、その日を村長宅で宿泊させてもらい翌日の朝に出発することにした。

PC達は、宿泊中に十分な歓待をうけて満足した。

PC達は蝉しぐれを聞きつつ早朝の林道を進んでゆく。進むにしたがってどんどん日が昇ってゆく。

プレイヤーの代表者が、1D6を振れ。

出目1~3

→代表者のプレイヤーは1D3本の救命草を見つけた。

出目4~6

→代表者のプレイヤーは1D3本の魔香草を見つけた。

<GMへ>

 PC達がカタタ村に宿泊して一夜以上の時間をロスした場合、本物の魔法戦士フェイは洞窟で捕らえられてレッサーオーガ(ルールブック1改訂版 P376参照)に心臓を喰われて死亡している。本物の魔法戦士フェイが生還できるのは、冒険者が宿泊することなく洞窟へ出発した場合のみ。また魔法戦士フェイを救出できれば、ボーナス経験点+250点を得られ、彼女の実家から謝礼金750ガメルが贈られる。(この時点では、村長にも謝礼金がもらえるかどうかはわかりません。)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【洞窟への支道の入り口】

林道の道脇に木の杭に板を打ち付けた看板が立っている。

看板には「この先、洞窟あり。危険につき立ち入り禁止 カタタ村村長」と書かれている。林道から鬱蒼とした森の中の斜面を上にむかって獣道が延びている。村長の話では、ここから100mほどあがると洞窟があるとのことだった。

以下、PC達の行動によって洞窟の入り口の見張りを退治できるか変わり、今後の展開が変わる。見張りを逃すと、後の戦闘でPC達はバックアタックを受けることになる。

PC達の行動によって、以下の(1)または(2)の展開となる。

(1)隠密行動をせずに洞窟前の広場へ向かう場合

PC達が支道を登ってい行くと、遠目に洞窟の入り口の前に広がる広場と、入り口の少し手前のたき火が見えた。そして洞窟の入り口へ駆け込む2匹のゴブリンが見えた気がした。

(2)隠密行動をして洞窟前の広場を偵察し、見張りを逃さないようにする場合

隠密したPCが支道を登ってい行くと、遠目に洞窟の入り口と、入り口の少し手前のたき火が見えた。洞窟の入り口から半円形に半径20mほどは、森が開けており草木のない広場だ。

入り口から10mほど離れたところの焚き火に豚肉と思わしき肉の入った鍋が掛けられている。

偵察するPCは、目標値11で隠密判定(スカウト技能レベルorレンジャー技能レベル+敏捷度ボーナス)を行う。森と広場の境まで近づくことができる。

偵察に向かう以外のPCも、鬱蒼と茂った森の木々に隠れるので30m手前までならば隠密行動を行わなくても見張りに勘づかれない。

暗視のスキルのないキャラクタは、隠密判定に-2のペナルティを受けることに注意。

隠密判定に失敗した場合、PC達は洞窟へ駆け込む見張りの小柄な後姿を見送ることになる。

隠密判定に成功したPCは、小柄な蛮族が2匹(以下、ゴブリン 要:魔物知識判定)が洞窟の入り口から15mほど離れたところの焚き火に鍋を掛けている様子を確認できる。

ゴブリンを洞窟内へ逃がさないためには、隠密判定に成功したキャラクタが、先制して接敵して乱戦宣言をして足止めしたり、不意打ちして乱戦に持ち込むなどの工夫が必要だ。

また隠密していないメンバーは、30m離れているので、おそらく他のPCが乱戦に持ち込んだところに全力移動などで突っ込むことになる。

<GMへ>

ゴブリンは形成不利を感じると離脱を宣言して回避判定に-4のペナルティを受けつつも洞窟に逃げ込もうとします。(ルールブック1改訂版P186参照。)

もし、ゴブリンを一匹でも洞窟内へ逃がすと、洞窟内の地点D(部屋D)で挟撃を受けるフラグが進む。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【戦闘後の洞窟前の広場の描写】

焚き火の近くに洞窟から排出されたと思わしきゴミの入った囲いがある。

プレイヤーが自発的に囲いの中のゴミを調べると宣言した場合、目標値10で探索判定と目標値13で見識判定(セージ技能レベル+知力ボーナス)を行え。

成功すると、ゴミの中に元々ソードだったと思わしき、溶けて細くなった金属棒と、同じく溶けてばらばらになった思わしきチェインメイルの鎖のかけらを見つける。

<GMへ>

溶解跡のある金属棒と鎖のかけらは、洞窟の中にブロブがいるという示唆である。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【洞窟の入り口(蛮族のアジト)】

洞窟の中はひんやりとしていて真っ暗だ。明かりが必要だ。

(暗視がないキャラクターが、明かりなく活動する場合は行為判定に-4のペナルティを受ける。(ルールブック1改訂版P127参照))

外から見ると洞窟の入り口は、自然の岩の隙間のように見えた。

しかし、洞窟内に入ると硬い岩を四角くくりぬいた通路が続いている。

ところどころ自然の岩が露出しているところを見ると、自然の洞窟を魔法で拡幅して通路を作ったようだ。

通路の幅は約3.5mだ。2人の前衛が並んで進める大きさだ。

通路の天井は、自然の岩が露出していて高くなったり低くなったりしている。しかし、天井まで少なくとも4m以上あり、2人が並んで武器を振るのに支障はなさそうだ。

<GMへ>

PC達が煙でいぶすことを選択した場合について。

洞窟に入ると下向きのスロープになっており、天井もそれに沿って入るにしたがって下側へ傾斜している。このため、暖められた空気と煙は煙突効果で天井に沿って外へ流れ出すため、洞窟の中でうまく煙が流れ込んでいかないと説明してください。また一酸化炭素と空気の比重はほぼおなじであるため、一酸化炭素は空気中に漂って下のほうへ溜まらないと説明してください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点A】

洞窟の入り口から奥に向かって下りのスロープが続いている。

少し進むと8mほど進むと四辻の地点A(交差点)となっている。

(1) 左へ進む 地点Bに向かえ 

(2) 右へ進む 地点Cへ向かえ

(3) まっすぐ進む 地点Dへ向かえ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点B】

地点Bへ向かう通路は上りのスロープだ。

15mほど進むと木の扉がある。

扉には蛮族共通語で文字が書かれている。

もし、セージ技能で蛮族共通語の読解を持っている場合→「危険 入るな」と読み取れる。

蛮族共通語を持っていない場合、読み取れない。

さらに扉には、鍵がかかっている。

扉を開けるには、目標値9で解錠判定(スカウト技能レベル+器用度ボーナス)せよ。

扉を開けて中の様子をのぞき込むと8m四方の部屋だ。

部屋の奥の角にはチェストが見える。

以下の展開はPC達の行動によって(1)または(2)に分かれる。

(1) プレイヤーが部屋に入る前に何も宣言しない場合、または検討はずれの宣言をした場合、GMはPCに内緒で部屋に入ろうとするPCについて目標値12で危険感知判定(スカウト技能レベル+知力ボーナス)をせよ。

もし成功すれば、「部屋に入ることに危険を感じた。」と伝える。天井のブロブの存在を具体的に説明する必要はない。

この部屋の中の天井には2体のブロブが薄く張り付いている。PCがブロブ(ルールブック1改訂版 P399参照)に気づくことなく入ると、ブロブが入ったPCを覆うように必中で落下してくる。ブロブに覆われたPCは取り込みの特殊能力で攻撃を受ける。

また、戦闘中の装備の腐食等はルールブック記述に従うこと。なお、部屋Cで装備を洗浄するワインを入手できる。

ブロブを退治すると奥のチェストを開くことができる。チェストに鍵や罠はかかっていない。チェストの中身は、「幸運のお守り」だ。(ルールブックEX P379参照)

(2) プレイヤーが部屋に入る前に探索判定(スカウト技能レベル+知力ボーナス)を宣言する場合、目標値11に成功すると天井に2体のブロブが張り付いていることに気づく。

特にプレイヤーが天井に注意を払うと宣言した場合は、達成値へ+3のボーナスを与える。ブロブは投石や射撃、魔法などで床に落とすことが出来る。

戦闘中の装備の腐食等はルールブック記述に従うこと。なお、部屋Cで装備を洗浄するワインを入手できる。

ブロブを退治すると奥のチェストを開くことができる。チェストに鍵や罠はかかっていない。チェストの中身は、「幸運のお守り」だ。(ルールブックEX P379参照)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点C】

地点C(部屋C)へ向かう通路は下りのスロープだ。

目標値16で冒険者判定(冒険者レベル+知力ボーナス)を行え。(もし、PCが自発的に探索判定をすると申し出た場合は、目標値12で探索判定)

成功した場合、通路の途中に手足をかけられる岩の割れ目があり、天井近くに岩棚があるのに気づく。岩棚まで5mほどの高さがある。

もし洞窟の外側にいた見張りのゴブリンが洞窟の中へ駆け込むことに成功した場合、ゴブリンが隠れている。また岩棚には魔晶石(5点)が隠されている。

30mほど進むと広くなり部屋につながっている。

部屋の広さは、幅、奥行きともに8mだ。

部屋Cの中央には、井戸があり、部屋の片隅には岩の割れ目があり水が少しづつ流れ込んでいる。

また物置として使われているようだ。朽ちた桶や空き樽などが積み重ねられている。一見、粗大ごみ置き場だ。

(1)カタタ村で宿泊せずに出発した場合

部屋に近づくときに何かが動いたように見えた。

PC達が部屋に近付くと「ああ、助かった人族か。」と小さな人影がでてくる。

グラスランナー(人化で化けたレッサーオーガ)だ。

<グラスランナー(レッサーオーガ)のスペック>

・実はレッサーオーガが人化で化けている。

・外見はルールブック3改訂版 P40の挿絵を参照、ありていにいうとかわいらしい。

・自称 名前:グラン、年齢:32歳 、性別:男性

・自称 フェンサーLVV2、スカウトLV2

・しゃべり方の特徴:お気楽そうなしゃべり方。

グラスランナーレッサーオーガからの話>

・たまたまコボルトが出入りしている洞窟の入り口を発見して、何か面白いものがないか忍び込んだ。

・奥に進もうと蛮族の隙を伺うため倉庫で隠れていたら、うっかり寝込んでしまった。

・まさに好奇心はグラスランナーを殺すだが、面白くてやめられない。

・この洞窟は言葉で表現しがたいおかしさがある、奇妙な怪異が潜んでいるかもしれない。君たちも手を引いて僕と一緒に帰ったほうがよい。

・しかし、このまま奥へ進み蛮族を退治するなら連れて行ってほしい。奥にいくのも面白そうだ。

<今後のグラスランナー(レッサーオーガ)の行動>

・PC達が疑っていろいろと質問しても、GMはのらりくらりとかわすこと。

・とはいえ、それをPC達に見破らせるところが面白味なので少し思わせぶりな怪しさを出して適度に調整すること。

・ルールブック1改訂版P376に示されている通り、見破るのは困難。「バニッシュ」か「センスエネミィ」を成功させると見破ることができ戦闘に突入する。レッサーオーガは「剣のかけら×1」持っており、HP+5、MP+1だ。

・部屋Cの中でグラスランナー(レッサオーガ)の正体を見破れない場合、部屋Dで生じる戦闘に乗じてPC達への攻撃を開始する。

(2)カタタ村で一泊以上して出発した場合

部屋に近づくときに何かが動いたように見えた。

PC達が部屋に近付くと「ああ、助かった人族か。」と一人の女性がでてくる。

魔法戦士フェイ(実は人化で化けたレッサーオーガ)だ。

魔法戦士レッサーオーガのスペック>

・実はレッサーオーガが人化で化けている。

・外見はルールブック1改訂版 P32の挿絵を参照

 ただし、スキルは妖精魔法LV2を真語魔法LV3に差し替える。

・自称 名前:フェイ、年齢:17歳 、性別:女性

・自称 ソーサラーLV2、フェンサーLV1、スカウトLV1

・特徴:一人称が僕。いわゆる僕っ娘

魔法戦士フェイレッサーオーガからの話>

魔法戦士に事情を聞くと、下記を語る。

・僕が視認できたのは、ボガードが1匹とそれ以外は全てゴブリンだけだ。

・見張りがいなかったので内部の様子を探ろうと忍び込んだところ、見張りが戻ってきてしまい出られなくなって逃げる隙を伺っていた。

・君たちが来てくれて助かった。

・この洞窟はおかしい、奇妙な怪異が潜んでいるかもしれない。君たちも手を引いて僕と一緒に帰ったほうがよい。

・しかし、このまま奥へ進み蛮族を退治するなら連れて行ってほしい。

<今後の魔法戦士フェイレッサーオーガの行動>

・PC達が疑っていろいろと質問しても、GMはのらりくらりとかわすこと。

・とはいえ、それをPC達に見破らせるところが面白味なので思わせぶりな怪しさ適度に出こと。

・ルールブック1改訂版P376に示す通り、見破るのは困難。「バニッシュ」か「センスエネミィ」を成功させると見破ることができ戦闘に突入する。その場合、ゴブリン2匹が応援に現れる。レッサーオーガは「剣のかけら×1」持っており、HP+5、MP+1だ。

・部屋Cの中で魔法戦士フェイレッサーオーガの正体を見破れない場合、部屋Dで生じる戦闘に乗じてPC達への攻撃を開始する。


そのほかは、目標値11で探索判定(スカウト技能レベル+知力ボーナス)を行い、成功すると部屋の中にワインの入った2個の小樽を見つける。

ワインは部屋Bでブロブと戦闘した場合に、装備品を洗浄することに用いることができる。(武器が溶けてなくならないように救済措置)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点D】

地点D(部屋D)へ向かう通路は、30mほど続く緩やかな登りのスロープだ。

部屋Dへの入り口は高さ3mほどで、暖簾代わりの何枚かの動物の皮が上から垂れ下げられている。

暖簾をくぐると、幅10m、奥行き20mの部屋が広がっている。

部屋の右奥には、略奪した家畜の解体と調理をしていたようで、解体途中の豚と、解体前の仮置きされた豚と、炉が組まれており丸焼きにされつつある豚が見える。(なお、この部屋には煙抜きの孔がある。)

炉の揺れる炎が、PC達を待ち受ける蛮族たちを不気味に照らし、壁に影を作っている。

この部屋は炉の明かりがあるため、視界が悪いことによるペナルティはない。

また部屋の中央奥には、先に続くらしい通路が見える。

部屋の奥では、蛮族たちがPCを待ち構えている。

蛮族は下記のとおり、

 ボガードソーズマン×2

 ゴブリン×2

さらに部屋Cからグラスランナーレッサーオーガまたは魔法戦士フェイレッサーオーガが同行している場合には、2ラウンド目に人化を解いてPC達に襲い掛かる。レッサーオーガは「剣のかけら×1」持っており、HP+5、MP+1だ。

また、洞窟前の広場で見張りのゴブリンを逃がしている場合には、そのゴブリンがPC達の後ろ側(洞窟の入り口側)から5ラウンド目襲い掛かってくる。

村で一泊せずに出発した場合、解体途中の豚に並んで、縛られて猿轡をかまされた魔法戦士フェイ(本物)を見つける。救出成功だ。

村で一泊以上して出発した場合、解体された豚の間にレッサーオーガに喰らわれた魔法戦士フェイの遺体を発見する。救出失敗だ。

戦闘後に、PCが探索を申し出た場合、目標値11で探索判定(スカウト技能レベル+知力ボーナス)を行え。成功すると二重底になった木箱に隠された1D÷3個の薬品Aと1D÷3個の薬品Bを発見する。(端数切り上げ)

さらに薬の内容を知りたい場合、目標値11で薬品額判定(セージ技能またはレンジャー技能+知力ボーナス)を行う。

成功すると以下がわかる。

 薬品A:蛮族製のヒーリングポーション相当品

 薬品B:蛮族製のトリートポーション相当品

戦闘後にPC達が、魔法戦士フェイほんものを発見した場合、以下の通り。

魔法戦士フェイほんもののスペック>

外見、スペックはルールブック1改訂版 P32~35の通り

名前:フェイ、年齢:17歳 、性別:女性

特徴:僕っ娘、物腰はやわらかく、良家の子女っぽい雰囲気だ。

装備品は、ルールブック1改訂版に記載通りの内容の品を、部屋Dの中で回収できる。

魔法戦士フェイほんものの話>

僕は人化のネタとして殺される直前だった。助かった。言葉で表せられないほど感謝している。

早くレベルを上げたくて無理をしすぎた。ソロだと多くの経験を積めると昔読んだ本に書いてあったんだ。反省している。

恥ずかしながら怖くて一人で帰れない。ついていってもよいか?(連れていく場合、彼女が戦列に加わる。彼女が取る主な行動は妖精魔法のスネア、ヒールウォーター、ウィスパーヒール。)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点E】

部屋Dの奥には、下へ降る階段が続いている。

階段は20m続く。

階段を降りきったところに扉(地点E)が見える。

隊列の先頭を歩く冒険者は、目標値14で罠感知判定をせよ。

毒ガスの罠だ。失敗した場合、階段の左右から毒ガスが噴き出してくる。

目標値12で生命力抵抗判定をせよ。失敗すると、そのPCは猛烈な倦怠感を感じる。この後の最初の戦闘で各ラウンドにHP2点、MP2点のダメージを受ける。毒ガスの効果時間は6ラウンドだ。

なお、冒険者が自ら階段の探索を申しでた場合、目標値10で探索判定をせよ。

成功すれば、階段のうちの一段が体重をかけると動作する罠のスイッチになっていることを発見し、毒ガスの罠を回避できる。

扉には、鍵や罠は仕掛けられていない。

扉をあけると踊り場になっており、通路が左にむかって40m続いている。

そして右に折れて20m、もう一度右に折れて15あm続いている。

そこに左側の戸板が朽ちて倒れた観音開きだった扉がある。

扉をくぐると地点F(部屋F)だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【地点F】

部屋Fは、PC達がもっている明かり以外はなく真っ暗だ。

部屋の幅は、半径10mの範囲を照らすたいまつやライトの明かりがかろうじて届くため20mだとわかる。奥行きは30mだ。しかし、明かりが届かないため暗視のないキャラクターには奥行きが分からない。

前方の暗闇から「?????」と声がする。

蛮族共通語が分かるキャラクタには「弱者め、ただちに始末してやる。この地は我らが頂く。」といっているのがわかる。

以下の戦闘で暗視のないキャラクタが、明かりの範囲外で戦闘する場合、判定に-4のペナルティを受けることに注意せよ。明かりの半径は10mだ。

敵は下記の通りだ。

 ボガードトルーパー×1(剣のかけら3個入り HP+15、MP+3)

 ボガードトルーパー×1

 ゴブリン×2

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【部屋G】

部屋Gは蛮族の軍需物資や軍資金の倉庫のようだ。

代表者は2Dを振れ。

2D6×200ガメルを得ることができる。

また、ゴブリン・コボルト用と思わしき粗末な武器(10G)を10本

ボガードトルーパー用と思わしき意匠をこらした武器(150G)を1本入手する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【エピローグ】

無事に蛮族のアジトの掃討に成功したPC達は、村長や村民から大変感謝された。

豪華な感謝の宴を上げてもらえた。

約束通り、パーティー全体であわせて合計4000ガメルの報酬をカタタ村から受け取った。

もし、魔法戦士フェイの救出に成功した場合、彼女の実家からさらに各自に750ガメルの感謝金が贈られた。後にPC達は、彼女がとある豪商のうちの家出娘だったと風の噂で聞くことになる。彼女は家に帰らなかったようだ。相変わらず冒険者としての生活を送っているらしい。

もし、魔法戦士フェイの救出に失敗し、且つ、彼女の遺体を回収してカタタ村へ届けた場合、風の噂でとある豪商が大枚をはたいて出奔先で亡くなった娘を蘇生させて穢れを払い、強引に下級貴族の嫁として落ち着かせたこととを風の噂で聞くことなる。

経験点は、基本1500点に、魔法戦士フェイの救出に成功した場合は追加で+250点、これに討伐モンスター分と、各自の1ゾロ分をあわせたものとなる。

また、入手した剣のかけらは、4個だ。

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【索引】

ジャイアントバット  ルールブック1改訂版 P383

ゴブリン ルールブック1改訂版 P373

レッサーオーガ ルールブック1改訂版 P376

ボガード ルールブック1改訂版 P375

ボガードソーズマン ルールブック2改訂版 P244

ボガードトルーパー ルールブック2 改訂版 P246

幸運のお守り ルールブックEX P379

光のアミュレット ルールブックEX P380

視界が悪いことによるペナルティ  ルールブック1改訂版 P127

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【改訂】

①村からの強奪物にワインと光のアミュレトを追加しました。

理由:ブロブ戦後に装備を洗浄するアルコールが洞窟内にあることを示唆するためと、洞窟に入る目的を設定するため。

②洞窟の入り口を入ってすぐは下向きのスロープとなっていることを追加しました。

理由:煙でいぶす行動がうまくいかない理由を設定するため。

③地点Cに地下水脈へ続く岩の割れ目を追加しました。

理由:洞窟内へ流れ込んだ水が排水される理由を設定するため。

戦闘バランスの検証は、グラップラー(グラスランナー)、ファイター(エルフ)、プリースト(エルフ)、ソーサラー(人間)の最大LV4のパーティーで行いました。キャラクターはポイント割り振りで作成し、前衛職は高回避の駆逐艦仕様、後衛職は知力メインで作っています。格上との戦闘時の後衛職はバフとデバフをかなり効かせました。ほぼ、バックアタックを受けた後衛以外、ほぼ被弾しませんでしたが、ほかの構成のパーティーだとどうなるのかなと思います。

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