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寂しがりやの猫の夢  作者: 橋本涙
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第三話 出会いの話

もう一時間は歩いただろうか。

不思議と足の疲れは全くといっていいほど感じない。


「ここはどこだ・・・?」

おもわず口にでた。

私は知らない場所・・・いや、知らない世界に来ていた。

あたりはいちめん真っ白。

なにもない、まるで無の世界。

私はたしかに眠りについたはずだった。しかし、気がつくと当たり前のようにここをさまよっていた。


夢かとは思ったがこんなに意識がハッキリしている夢なんてありえないだろう。


「はぁ・・・。」

歩いていてもなにもないので私は歩くのをやめて座り込んだ。

なんで私はここにいるんだろう・・・。帰って録画してた再放送のドラマみたい・・・。

ここまま帰れなかったらどうしよう・・・。


「あ、あの~・・・?」

ん?なんだ?私は今なにも言っていないぞ。

ということは・・・私以外にもここに誰かいる!!

勢いよく顔をあげると、そこにはぽっちゃり体系のスーツを着たびっくりするほど不細工なうさぎが立っていた。

「はい・・・?」

私は不信感をあらわにしてそう答えた。

「芹沢加奈子さんですか?」

は?なんでこいつ私の名前知ってんの?気持ちわる。

「そうですけど」

うさぎはそれを聞いた瞬間この世の終わりでもみたかのように驚いて、嘆き悲しむようにでかい声で叫んだかと思うと、頭を抱えながらのたうちまわった。

しばらくして冷静になったのか、スーツのついてもないほこりを掃って顔をこちらに向けてきた。それにしても不細工で気持ち悪い兎だな・・・おえ。

「率直に言います。これは夢です。」

果たして誰が信じられるのだろうか。これは夢だとはっきり説明される夢なんて。

「からかってる?」

「いえ、冗談でも詭弁でもなんでもありません。これは夢なんです。」

「説明してください。」

すると不細工な兎は、まるでずっと昔のことを思い出すかのようにものものしく話しはじめた。

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