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ハーフセカンド部

放課後、なぜか俺は狂のミサ……もとい夏川夢乃と歩いていた。

なぜこうなたっかと言うと、今から15分程前にさかのぼる。終礼が終わり、俺が家に帰ろうとした時だった。

突然、夏川に呼び止められた。

「ねぇ、高畑君って部活とか決めた?」

転校初日の俺に、すでに入っている部活もないわけで……俺は「別に」とだけ返した。

「私の入ってる部活、ハーフセカンド部に入らない?」

ハーフ……セカンド部……?

また訳のわからない名前だと思った。

「えっと、何をする部活なのかな?」

とりあえず聞いてみた。

「あ、ごめん。名前だけじゃ分からないよね……うーんとね、口で説明するよりは見てもらった方が早いかなぁ……高畑君、今日暇?」

「まぁ、そりゃぁ暇だけど……」

「よし、じゃぁ行こう!」

そう言うと夏川は俺の腕を引っ張り、半ば強引に俺を教室の外へ連れって行った。

 これはもう流されるままにした方がいいだろう。

 そう思いながら俺は夏川に連れられていった。


時間が戻って現在。

「到着、ここがハーフセカンド部のア……もとい部室よ!!」

夏川はハーフセカンド部と書かれた部屋の前で俺に、そう紹介した。

もっとも部室ではなく、”アジト”と言おうとしたようだが……

「さぁ、狭いと思うけど……」

そう言いながら、夏川がドアを開ける。

そして俺の目に飛び込んできたものは……

『勇者の剣』や『エクスカリバー』などと名付けられた模擬刀などの武器の数々。

さらには、『人はなぜ支配される』に続くこれまた痛い本の数々だった。

(痛い、痛いぞ、この部活ッ)

そして俺は今になって気づいた。

ハーフセカンド部、それが意味するものは……

(中2部ぅ~~~)

つまりそう言うことだった。


夕暮れの放課後、俺はハーフセカンド部……もとい中2病の巣窟に足を踏み入れていた。

「えぇぇっと、ところで何をする部活なのかな?」

中央にある応接セットの椅子に座り俺は夏川にそう尋ねてみた。

まぁ、だいたい想像できてるけど……

「世界を絶望の海に突き墜とすため、日々活動しているわ」

あぁ、やぱっり。

「他の部員は?」

 部活動として成立しているということは少なくとも部員が三名以上いるということだ。

 いなければ部として認められない。

「孤高のアルケミス、閃光のライトロード、黒鎖の死神(デッドマスター)、神殺しのレイ」

あ、他にも部員いるんだ、マジで。

「本名でokです。」

「本名?」

これでは通じないらし。

 まったくもってめんどくさい。

「世をすべる仮の名……」

「あぁ、孤高のアルケミス・一条キリ、閃光のライトロード・城道仁、黒鎖の死神(デッドマスター)・倉橋美与」

(なぜこれで会話は成立するッ……)

ともあれ、本当に部員はいるようだ。

でも……

「一人足り無くない? 神殺しのレイが……」

「え? あなたのことでしょ、レイ」

夏川はさも当然の様に答えた。

「いや、俺部員じゃねぇし」

 大丈夫なのかこの子は?

「何を言ってるのもうとっくにあなたはうちの部の一員よ、なぜならあなたと私は転生の度に巡り会う運命なの、何人たりともこれを覆すことはできないわ!!」

つまりそう言う設定だそうだ。

「設定とかいらないんで……それと俺、入りませんからね」

「そんなぁ~、楽しいのにぃ~」

夏川は目をうるうるさせながら俺を見てくる。

(うわぁ、かわいい……痛いの治れば……)

心の中でそう思った。

が、突然夏川の目がキラリと輝いた。

夏川は不適な笑みを浮かべると……

「まぁ、こうなるだろうと思ってすでに手は打ってあるけどね!!」

 大声で叫んだ。

「へ? それはどういう……」

意味? そう聞こうとした時、部室のドアが開いて女性が入ってきた。

「お~、入部初日から来てるなんてまじめね~」

「あの、どちら様で?」

「あぁ、君と会うのは始めてだったね。私はこの部の顧問の瀬川美崎よ」

「先生!! 先生の名前は黒神のゴルデフだって言ってるじゃないですか!!」

(顧問にまで設定あんのかい!! てか、ゴルデフって女の名前か!?)もう何というかあきれてしまう。

「ははは、まったく、夏川はいつも面白い事を言うなぁ~、でも先生の真名(まな)は”炎帝”よっていってるでしょ」

(ってお前も中2病かいぃぃぃ!)

部員だけでなく顧問まで中2病……いったいどうなってんだ……

この部活……

「まぁ、いいわ。それより新入部員の高畑君の真名(まな)は決まったの?」

「神殺しのレイです!!」

即答だった。ん? まてよ、さっきから会話がおかしくないか?

新入部員とか,入部初日とかなんとか……

「てか、何で俺入部してることになってるんです?」

「え、違うのか? だって昼休みにこいつがお前の入部届けをもってきたから……」

そう言って瀬川は夏川の方を指さす。

「まさか、夏川が手を打っておいたって……」

「そうよ、あなたを勝手に入部させておいたの。それと、夏川って呼ばない!!」

夏川は俺をビシッと指さしていった。

(そんなバカなぁ)

俺はひっくり返ってしまいそうになった。


そしてこれから、俺の……いや神殺しのレイのハーフセカンド部での生活が始まった。


こんにちは、細鐘です!

中2病な野郎共第二話、いかがだったでしょうか?

前回の連載を知ってるかたは、あ~そろそろやつらの出番か。

知らないかたはどんなやつが出てくるんだろ?

といったところでしょうか?


とりあえず期待して待っていてください!

あ、でもあんまり期待し過ぎないでください (笑)

それでは、第三話でお会いしましょう!


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