第七話『道のりを越えて』
どこまでいけばいいの?全く分からない。助けてよ・・
『冒険物語』、『国語辞典・最新版』、『生活の知恵20か条』、『怖い話5』・・・
著者名順に並んでいる本を見て回る。ちょっぴり読みたいものもあったけどそこは我慢した。
そして探してから一時間くらいたった時。アルファ・ヘヴンと言う人が書いた、『過去と未来〜時空〜』という青い本を見つけた。
これかもしれない・・
心臓の鼓動が速くなるのが分かる。けどね、それ以上に寂しさや哀しさがあるのも事実。
まぁ顔には出せないけど。
「えっと・・未来への行き方・・。サー・ルーマ・フィアリス・セスタス・・」
そう口に出してしまい自分を責めた。
これじゃあ更に未来へ行くんじゃないのぉ!?
あー・・・あたしってなんでこんなバカなんだろぉ・・。2度もミスするなんてまるっきりバカじゃんかぁ・・・・・。
そして、前回と同様、七色の光に包まれた。
たどり着いた場所。
それは、浜辺だった。目の前にはきれいに透けた大きな海があった。
「・・っ!あたし海見るの初めてっ!!」
つい興奮気味にいうと、後ろからくすっと笑い声が聞こえた。
「あなた海見るの初めてなの?旅人さん?」
くるっと振り返ると、紅い髪の少女がいた。7歳くらいかな?
彼女は髪と同じ、紅い瞳をくるくるとさせ、興味深そうにこっちを見ていた。
「え・・・まぁ、そんなもんかな。」
旅人ってわけではないんだけど・・けど旅をしているもんだよね、こんなの。
少女は大きな瞳をさらに大きくし、言った。
「それじゃあ、あたしの家に来て!」
「え・・?ぅん・?」
「じゃ、ついて来て!!」
わけもわからぬまま彼女について行く。
浜辺の奥へと進んで行くと、2つに分かれた道があった。そこを右へと進み、次につり橋が見えた。
「気をつけて、急に走らないようにね。」
少女の厳しい注意に答えるよう、ゆっくりと一歩一歩確認して行った。
・・・そして――――――。
つり橋を渡った後、そこは小さな村のようだった。
あたしがきょろきょろと物珍しそうに村を見物していると、少女が両手いっぱいに手を広げて言った。
「リヴァー島へようこそ!」